【コスモス薬品】調剤事業、「低収益の調剤の姿になった時」が参入好機との見解

【コスモス薬品】調剤事業、「低収益の調剤の姿になった時」が参入好機との見解

【2024.07.18配信】コスモス薬品は7月18日に2024年5月期決算説明会を開催した。


 説明会で記者から調剤事業の“トライアンドエラー”の展開の中でネックになっている点はどこか、との質問が出ると、横山英昭社長は、「ネックというよりも」と前置きし、調剤が低収益性の姿になった時に参入を強化するとの考えを示した。
 横山社長は「長期的にみると調剤報酬は上がらない、もしくは下がっていく傾向にあると私は考えている。国民皆保険を守るためには低収益になるのはやむ得ないかなと考えている。低収益の調剤の姿になると思うので、その時に我々は経営理念に医療費低減化の受け皿であるという経営理念を掲げているので、低い調剤費になった時でもしっかりと我々が対応していきたい。そういう状況に時代の要請があれば、その時に我々が参入していきたいなと考えている」と述べた。
 今期は4、5店舗、調剤店舗の出店を計画している。

医薬品販売制度の見直し議論ではJACDSの医薬品コーナーでの資格者立ち会い宣言に「賛成」

 一方、医薬品販売制度の見直しについて議論されている厚労省「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」でのドラッグストア業界からの“医薬品コーナーへの登録販売者の常駐”提案について質問が出ると、横山社長は、「日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が登録販売者などの資格者を医薬品コーナーに配置して医薬品の販売シーンに立ち会うという宣言をしたことに、私も賛成している」と表明。その上で、「我々ドラッグストアは医薬品を販売する責任について、コスモス薬品としてもしっかりと販売シーンに立ち会って情報提供が必要な方については積極的に情報提供を行う。相談応需を含め対応していきたい」と述べた。現状においても資格者は配置しているという状況に触れ、「全店、全ての営業時間帯に登録販売者が確実にいる」とした。今後も登録販売者の育成に取り組むほか、資格者を増やしていきたいとの考えを示した。

セルフメディケーションを阻害するような制度改正には反対

 横山社長はおおむねの記者との質疑応答のあとに、販売制度改正の議論については説明を加えたいとして、さらなる言及をした。

 同社では歌舞伎町にも店舗があるため、オーバードーズの問題にはしっかりと登録販売者や薬剤師が関与し声かけをするなど対応を強化していく方針を示した上で、「けれども大多数、それ以外の99%以上の適正利用者の医薬品購入を阻害する、セルフメディケーションを阻害するような制度改正にはやはり反対をさせていただきたい」とした。
 「“角を矯めて牛を殺す”という言葉があるが、これは牛の角が危険だ危険だと言って形を変えたりとか切ったりしてる間、牛が死んでしまうという言葉の例えだが、角はオーバードーズで、牛がセルフメディケーションだと思う。オーバードースの問題は深刻で、これにはしっかり対応するけれども、それ以外の適正利用者の利便性だとか、夜中の医薬品購入などの対応だとか、そういうセルフメディケーションを損なうことはやっぱり許されないというふうに思う。経済財政運営と改革の基本方針2023年続き、2024年にもセルフメディケーションの推進という項目が書かれた。我々登録販売者またはOTC薬販売に関わる薬剤師というのはしっかりとセルフメディケーションの担い手として取り組んでいきたいと思っている。今後も販売規制にはしっかりとした意見を言っていきたいと考えている」(横山社長)とした。

この記事のライター

関連するキーワード


コスモス薬品

関連する投稿


【コスモス薬品決算説明会】「プライスリーダーの地位は誰にも渡さない」/九州への競合出店にも低価格戦略で迎え撃つ方針

【コスモス薬品決算説明会】「プライスリーダーの地位は誰にも渡さない」/九州への競合出店にも低価格戦略で迎え撃つ方針

【2023.01.19配信】コスモス薬品は1月19日、. 2023年5月期第2四半期の連結業績(2022年6月1日~2022年11月30日)の説明会を開催した。この中で、横山英昭社長は、電気代などの高騰の影響が大きいとした上で、それは同業が同じ環境であるため「それを受け入れた上で」、今後も低価格戦略を継続する考えを示した。「プライスリーダーの地位は誰にも渡さない」と述べた。関東エリアにも積極的に出店していく一方、地元の九州においては同業の出店攻勢に対して価格戦略で迎え撃つ考えを強調した。


【コスモス薬品決算説明会】今期も調剤20店舗開設/将来への布石

【コスモス薬品決算説明会】今期も調剤20店舗開設/将来への布石

【2022.07.15配信】コスモス薬品は7月15日、 2022年5月期の連結業績(2021年6月1日~2022年5月31日)の決算説明会を開いた。この中で横山英昭社長は今後も引き続き調剤拡大を図る方針を示した。「将来への布石として」、進めていく考え。今期も20店舗の開局を目指す。


【コスモス薬品】2022年5月期 第2四半期決算は売上高3711億3800万円(前年同四半期3641億7500万円)

【コスモス薬品】2022年5月期 第2四半期決算は売上高3711億3800万円(前年同四半期3641億7500万円)

【2022.01.11配信】コスモス薬品は1月11日、2022年5月期第2四半期の連結業績(2021年6月1日~2021年11月30日)を公表した。それによると、売上高3711億3800万円(前年同四半期は3641億7500万円)、営業利益149億7900万円(前年同四半期は182億920万円)、経常利益164億940万円(前年同四半期は195億4700万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益112億450万円(前年同四半期は130億720万円)だった。当第1四半期連結会計期間の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、当該基準等適用前の実績値に対する増減率は記載していない。


【人事】コスモス薬品/岩本賢将副部長が店舗開発部長に昇格/現・執行役員店舗開発部長の竹森基氏は「執行役員 財務経理部長」に

【人事】コスモス薬品/岩本賢将副部長が店舗開発部長に昇格/現・執行役員店舗開発部長の竹森基氏は「執行役員 財務経理部長」に

【2022.01.11配信】コスモス薬品は1月11日に開いた取締役会において人事異動を決議した。岩本賢将店舗開発部 副部長が、「店舗開発部長」に昇格する。現・執行役員 店舗開発部長の竹森 基氏は、「執行役員 財務経理部長」に就く。


【11月月次】コスモス薬品、全店+4.9%、既存店−1.3%

【11月月次】コスモス薬品、全店+4.9%、既存店−1.3%

【2021.12.08配信】コスモス薬品は11月月次業績を公表した。全店+4.9%、既存店−1.3%だった。


最新の投稿


【維新の会】「社会保険料を下げる改革案」のたたき台公表

【維新の会】「社会保険料を下げる改革案」のたたき台公表

【2025.02.19配信】日本維新の会は「社会保険料を下げる改革案(たたき台)」を公表した。改革の方向性に沿って、合計で最低でも削減額が 4 兆円以上となる具体策を2025年6月末までに取りまとめるとする一方、先行実施策として、OTC 類似薬の保険適用除外を掲げている。


【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【2025.02.19配信】東和薬品とTISは2月18日、両社共同でシステム「ヘルスケアパスポート」を邦大学医療センター佐倉病院に導入したと公表した。同システムはTISが提供しているもので、PHRを含む地域医療連携システムであり、同社は「外来がん化学療法の副作用症状の報告負担を軽減することで薬局・病院の薬剤師によるタイムリーな連携と患者さんに寄り添ったケアの実現」に資するものとしている。


【日本薬剤師会】OTC類似薬の保険外し政策に反対表明

【日本薬剤師会】OTC類似薬の保険外し政策に反対表明

【2025.02.18配信】日本薬剤師会は2月18日に定例会見を開いた。この中でOTC類似薬の保険適用外について、反対との見解を示した。


【敷地内薬局】情報収集依頼「賃貸借歪める第三者介在」など/日本薬剤師会

【敷地内薬局】情報収集依頼「賃貸借歪める第三者介在」など/日本薬剤師会

【2025.02.18配信】日本薬剤師会は2月18日に定例会見を開いた。この中で、都道府県薬剤師会に対して、いわゆる敷地内薬局についての情報提供を依頼したことを説明した。


【OTC類似薬の保険適用除外】石破首相_国会答弁全文

【OTC類似薬の保険適用除外】石破首相_国会答弁全文

【2025.02.17配信】衆議院予算委員会の審議が2月17日行われ、日本維新の会共同代表の前原誠司氏からの「OTC類似薬の保険適用除外」に関する質疑に、石破茂首相が答えた。