説明会で記者から調剤事業の“トライアンドエラー”の展開の中でネックになっている点はどこか、との質問が出ると、横山英昭社長は、「ネックというよりも」と前置きし、調剤が低収益性の姿になった時に参入を強化するとの考えを示した。
横山社長は「長期的にみると調剤報酬は上がらない、もしくは下がっていく傾向にあると私は考えている。国民皆保険を守るためには低収益になるのはやむ得ないかなと考えている。低収益の調剤の姿になると思うので、その時に我々は経営理念に医療費低減化の受け皿であるという経営理念を掲げているので、低い調剤費になった時でもしっかりと我々が対応していきたい。そういう状況に時代の要請があれば、その時に我々が参入していきたいなと考えている」と述べた。
今期は4、5店舗、調剤店舗の出店を計画している。
医薬品販売制度の見直し議論ではJACDSの医薬品コーナーでの資格者立ち会い宣言に「賛成」
一方、医薬品販売制度の見直しについて議論されている厚労省「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」でのドラッグストア業界からの“医薬品コーナーへの登録販売者の常駐”提案について質問が出ると、横山社長は、「日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が登録販売者などの資格者を医薬品コーナーに配置して医薬品の販売シーンに立ち会うという宣言をしたことに、私も賛成している」と表明。その上で、「我々ドラッグストアは医薬品を販売する責任について、コスモス薬品としてもしっかりと販売シーンに立ち会って情報提供が必要な方については積極的に情報提供を行う。相談応需を含め対応していきたい」と述べた。現状においても資格者は配置しているという状況に触れ、「全店、全ての営業時間帯に登録販売者が確実にいる」とした。今後も登録販売者の育成に取り組むほか、資格者を増やしていきたいとの考えを示した。
セルフメディケーションを阻害するような制度改正には反対
横山社長はおおむねの記者との質疑応答のあとに、販売制度改正の議論については説明を加えたいとして、さらなる言及をした。
同社では歌舞伎町にも店舗があるため、オーバードーズの問題にはしっかりと登録販売者や薬剤師が関与し声かけをするなど対応を強化していく方針を示した上で、「けれども大多数、それ以外の99%以上の適正利用者の医薬品購入を阻害する、セルフメディケーションを阻害するような制度改正にはやはり反対をさせていただきたい」とした。
「“角を矯めて牛を殺す”という言葉があるが、これは牛の角が危険だ危険だと言って形を変えたりとか切ったりしてる間、牛が死んでしまうという言葉の例えだが、角はオーバードーズで、牛がセルフメディケーションだと思う。オーバードースの問題は深刻で、これにはしっかり対応するけれども、それ以外の適正利用者の利便性だとか、夜中の医薬品購入などの対応だとか、そういうセルフメディケーションを損なうことはやっぱり許されないというふうに思う。経済財政運営と改革の基本方針2023年続き、2024年にもセルフメディケーションの推進という項目が書かれた。我々登録販売者またはOTC薬販売に関わる薬剤師というのはしっかりとセルフメディケーションの担い手として取り組んでいきたいと思っている。今後も販売規制にはしっかりとした意見を言っていきたいと考えている」(横山社長)とした。