【2020.08.11配信】
マツモトキヨシホールディングスは2021年3月期第1四半期決算短信を公表した。
売上高は1316億1400万円(前年同期比-9.8%)、営業利益56億900万円(同-38.9%)、経常利益63億1100万円(-35.8%)、純利益38億7600万円(同-40.5%)だった。対象期間は2020年4月1日~6月30日。
化粧品は前期比76.7%、医薬品は同83.0%
コロナ禍による在宅勤務推進等で都心部の店舗が売上高に影響があったほか、出入国制限によりインバウンド売上も僅かなものになった。
そのほか、商品別売上高をみると、特に化粧品の落ち込みが顕著。化粧品は前期比76.7%となっているほか、医薬品も同83.0%だった。雑貨・日用品は伸びて、雑貨の前期比は122.8%、食品は同109.3%だった。
重点戦略は「デジタル化」「グローバル化」「専門領域の事業拡大」
この期間の概況としては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、 企業収益や業況感は悪化し、 設備投資は増勢の鈍化が明確になり、 感染症の影響が続くなかで、雇用·所得環境に弱めの動きがみられるなど、極めて厳しい状況で推移したと分析。ドラッグストア業界においても、 業種、業態を越えた競合企業の新規出店、 商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、 M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、 同社を取り巻く経営環境は厳しい状況が継続していると総括している。
このような環境の中、 同社グループは、「ライフライン」「社会インフラ」であるドラッグストアの使命として、 顧客と従業員の安心・安全を最優先しながら、営業時間の短縮、臨時休業等を行う事で多くの店舗において営業を継続するとともに、3つの重点戦略 「デジタル化の更なる高度化」 「グローバル化の更なる進展」 「専門領城での事業規模拡大」 を新たに設定し取組んでいる。
海外で支持される商品を開発。海外店舗数はタイ32店舗、台湾12店舗の計44店舗に
また、同社は美と健康の分野で圧倒倒的なプレゼンスを獲得し、国内ドラッグストアの競争に勝ち残ることを目的に、ココカラファインと経営統合に向け、2020年4月から資本業務提携を開始している。
具体的には、デジタル化の更なる高度化として、急速に進化する1Tを活用することで、 顧客の生活スタイルの変化や噴好ニーズを的確にとらえ、一人ひとりのお客様との距離を縮め、深く繋がれるようデジタルマーケティング基盤を中心に強化している。
同社グループの強みとなる顧客接点数(ポイントカード会員/LINEの友だち/公式アプリのダウンロード数)は、2020年6月末現在、延べ7110万超まで拡大した。
グローバル化の更なる進展では、 新型コロナウイルス感染症(COVID 19) 拡大に伴い、日本国政府から発出された出入国制快の解除後を念頭に、海外SNSを活用した情報配信やキャッシュレス決済対応などをはじめ、アジアを中心とした海外店舗展開やグローバル会員獲得に向けた仕組みづくり、海外で支持される商品の開発、 提供などに積極的に取組むことで蓄横されたノウハウを最大限に活用し、 美と健康への意識が高まっているアジア地域における事業基盤を早期に確立することを目指している。
2020年6月末の海外店舗数は、タイ王国で32店舗、台湾で12店舗の合計44店舗まで増加し、べトナム社会主義共和国では1号店のオープンに向け、準備を進めている。
専門領域での事業規模拡大では、競争がますます激しくなる環境において、 三大都市園におけるコ リプドミナント化の推進や次世代へルスケア調剤事業の拡法大を基軸として、次なる成長ドライバーの早期確立を進めている。
厚生労働省の認可を受げた34店舗の建康サポート楽局は地域医療運携を推進するとともに、 調剤サポートフログラムの加盟店舗も94店舗まで拡大した。
プライベートプランド (PB) 商品については、“matsukiyo LAB アスリートライン”に国際的アンチドーピング認証であるインフォームドチョイスを取得した「BCAA7100バウダー」 を、人気のエナジードリンクからは「EXSTRONG ENERGY GUMMY (エクストロング エナジーグミ)」と「EXSTRONG HAPPY & SALT ENERGY DRINK(エクストロング ハッピーアンドソルト エナジードリンク)」を発売するなど同社らしい「驚きや楽しさのあるPB商品」の拡充に努めてきた。
さらに、株式会社ナリス化粧品との共同開発エイジングケアプランド「Retinotime(レチノタイム)」を、日本初となる“しわを改善”する医薬部外品日中用薬用UV乳液「THE RETINOTIME (ザ・レチノタイム)」として全面リニューアルし、「ザ・レチノタイム リンクルデイミルク UV」を発売するなど、高付加価値商品の開発にも取組んできた。
和歌山県への出店で47都道府県全ての出店に
新規出店に関しては、和歌山県内グループ1号店となる「薬マツモトキョシキーノ和歌山店」をオープンしたことで、国内47都道府県全てに「マツモトキヨシ」グループ店舗の出店がかった。当第1四半期連結累計期間において、出店18店舗、閉開店9店舗、改装9店舗となり、2020年6月末におけるグループ店舗数ま1726店舗になった(※タイ王国においてセントラル&マツモトキヨシリミテッドが運営する32店舗及び台湾において台湾松本清股分有限公司 (Matsumotokiyoshi (Taiwan) Limited)の運営する12店舗はグループ店舗数の総数に含んでいない)。
環境に対する取組みとしましては、2020年7月1日からの義務化に先行し、4月1日よりボリエチレン製レジ袋の無料配布を終了し、 植物由来のパイオマス成分30%を含んだ素材の有料レジ袋を用意するとともに、 再生ボリエステル100%を使用した当社オリジナルショッピングエコバックを発売することでCO2削減と環境保全に取組んでいる。
調剤事業はコロナ禍で処方箋減。新規開局も前年同期並みの売上高に
セグメント別では、「小売事業」については、新型コロナウイルス感染症(C0VID-19) の影響により、マスクや除菌関連及び日用品や食品などの特需が郊外型店舗を中心に発生した。一方で、外出自粛や在宅勤務の推進等により繁華街や都心店舗では客数が減少するとともに、営業時間の短縮、テナント店舗での臨時休業、 感染拡大防止への対策とした至近距離出店店舗での週末臨時休業などにより売上は影響を受けたが、緊急事態宜言が全国で解除された後は、繁華街や都心店舗の客数は増加傾向となった。インバウンド売上は出入国制限等の影響により、僅かなものとなった。
調剤事業は、コロナウイルス禍に伴う医療機関への受診を控える動きや処方箋応需枚数の減少があったが、調剤店舗の新規開局などもあり前年同期並みの売上高となった。
卸売事業については、小売事業同様に厳しい状況で推移したが、フランチャイズにおける新規出店や調剤サポートプログラムの加盟店結増加等により事業地域は拡大した。
このような営業活動に基づき、各セグメントの売上高は小売事業1260億900万円(前年同期比-10. 2%)、卸亮事業45億7100万円(同-3. 2%)、管理ポート事業10億3200万円(同+23.8%)となった。