都薬ではこれまで、毎年秋に、医薬品販売制度に関する自己点検を会員薬局において実施した上で、薬事衛生自治指導員による巡回指導を実施している。これを今年も実施するが、日薬からの緊急自己点検の通達があったことから、別途、日薬の調査も行う方針とした。日薬の調査では抗原定性検査キットに関わる調査項目もあるなど、都薬の調査項目とは異なる点もあるため。来年の実施においては日薬の項目と擦り合わせを行い、一度の調査で済むことも視野に検討したい考え。
都薬はこの報告に併せて、昨年度の実施における結果も説明した。それによると、2022年秋の実施においては4329件で薬事衛生自治指導員による巡回指導を行い、このうち、「濫用等のおそれのある医薬品は、必要な事項を確認し、原則、1包装単位で販売しています」との項目に関しては不適合は1件だった。
今年9月に公表された厚労省の医薬品販売実態調査では、「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとした時の対応」において、「薬局」の遵守率が47.1%であったと報告された。ただ、この調査のn数は薬局17件であった。
こうした実施件数の豊富さや遵守率において、都薬実施実態と厚労省報告に乖離があることについて記者から質問が出ると、都薬会長の髙橋正夫氏は、「厚労省の調査に関しては調査会社に委託をして行っていると聞いており、その調査方法については対象選定の手法など、不透明なところもある。東京都での調査対象は何件だったのかも疑問。極端なことをいえば、東京都のうち1件の薬局を調査して、そこが不適合であれば不適合率が100%となってしまう。そういったことが独り歩きするのは少し怖いところもあると思っている」と話した。
東京都薬剤師会では各地区を合わせると薬事衛生自治指導員は400人超いるという。自治指導員の実施にあたる会合も開かれており、2022年度は10回にわたり開催されている。相談事やうまくいかない点については、指導を含め適切な実施に向けて助言をする機能を持っているという。都薬では、「不適合についてはゼロを目指していく」としている。この仕組みは古く、都薬が最初に始めたといわれている。薬局・薬剤師が自律的に法令遵守への姿勢を持つとともに、行政とも連携する必要性から生まれたという。
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