新型コロナウイルスワクチン接種体制の効率化については、令和 3 年 5 月 31 日に行われた「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を推進するための各医療関係職種の専門性を踏まえた対応の在り方等に関する検討会」において検討が行われ、薬剤師には、当面、「ワクチンの調製・シリンジへの充填作業」、「予診のサポート」として、問診や予診票の確認、「ワクチン接種後の経過観察」が期待される役割とされた。
一方、薬剤師によるワクチンの接種については、「今後の接種の進捗状況を見つつ、必要に応じて検討」とされたところ。日本薬剤師会では社会から薬剤師によるワクチン接種が要請された際に、即座に対応することができるよう、薬剤師における予防接種研修プログラムを作成、提供してきた。薬剤師はワクチンの取扱い方法や副反応への対応など十分な知識を持っており、プログラムを基に研修を行い、注射の手技等の実務実習を行えば社会的要請があった場合にワクチン接種業務を担えるとの考えからだ。
日本薬剤師会のプログラムを基に、都道府県薬剤師会が主催、会員・非会員の区別による受講の制限は行わず実施してきた。
内容はワクチンに関する基礎知識(副反応に関する内容も含む)や緊急時対応の基礎、ワクチンの接種に必要な解剖学の基礎知識、ワクチン接種の実際(接種時の注意点を含む)、ワクチンのアナフィラキシーとその対応等ーーなどの講義のほか、ワクチン接種の実技研修からなっている。
こうした研修実施の結果、研修修了者を日本薬剤師会がまとめたところ、975人となったという。
実施していたのは12の都道府県薬剤師会。内訳は以下の通り。大阪府薬剤師会、福岡県薬剤師会、静岡県薬剤師会、三重県薬剤師会、広島県薬剤師会、熊本県薬剤師会など、2年度にわたり実施の薬剤師会も目に付く。
<令和3年度>(都道府県薬剤師会名、講義受講者数、実技受講者数)
秋田 148
神奈川 54 54
静岡 20 20
三重 38 38
大阪 58 58
広島 56 51
福岡 39 39
熊本 48 48
計 461 308
<令和4年度>
埼玉 25 25
東京都 194 194
静岡 20 20
愛知 19 19
三重 32 31
大阪 148 148
岡山 8 8
広島 45 44
福岡 27 27
熊本 35 35
計 553 551
<令和5年>
群馬 66 66
埼玉 50 50
計 116 116
なお、実技は講義を受けた者だけが受講でき、実技までの受講者を修了者とカウントしている。
【薬剤師予防接種研修】修了者975人に/12都道府県薬剤師会が主催
【2023.07.25配信】都道府県薬剤師会が主催する「薬剤師による予防接種研修プログラム」の修了者が975人となった。日本薬剤師会が集計した。
最新の投稿
【日本医療機能評価機構】薬包の表記は薬局等で異なるため薬包1包量を確認を/持参薬で
【2025.11.17配信】日本医療機能評価機構は11月17日、「医療事故情報収集等事業 医療安全情報No.228」を作成・ホームページで公表した。タイトルは、「粉砕調製された持参薬の過量与薬」で、2021年1月1日~2025年9月30日に2件の事例が報告されているもので、第81回報告書「分析テーマ」で取り上げた内容をもとに作成された。
【薬機法改正】「指定濫用防止医薬品」にデキストロメトルファンとジフェンヒドラミン/調査会方針
【2025.11.11配信】厚生労働省は11月11日、「令和7年度第8回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開き、改正薬機法に定めた「指定濫用防止医薬品」としてデキストロメトルファンとジフェンヒドラミンを指定する方針を了承した。
【2025.11.09配信】薬局団体連絡協議会(薬団連)は11月9日に「第7回シンポジウム」を開き、「OTC類似薬」をテーマに取り上げた。参画団体共通の声明については今後の課題として、今回は策定・公表はしていない。
【東京都薬剤師会】市販緊急避妊薬の「産婦人科医等との連携リスト」関与の方針
【2025.11.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は11月7日に定例会見を開いた。その中で、市販化の見通しとなった緊急避妊薬の販売条件となる「産婦人科医等との連携体制」のリストについて、都薬としても関与していく方針を示した。
【東京都薬剤師会】改定議論、「大手に誤解進むのは怖い」/髙橋正夫会長
【2025.11.07配信】東京都薬剤師会は11月7日に定例会見を開いた。この中で髙橋正夫会長は、調剤報酬改定の議論に触れ、「大手の方々に誤解進むのは怖い」と話した。