【厚労省】令和5年度薬価改定、平均乖離率7.0%の0.625倍(乖離率4.375%)を超える品目を対象

【厚労省】令和5年度薬価改定、平均乖離率7.0%の0.625倍(乖離率4.375%)を超える品目を対象

【2022.12.16配信】厚生労働省は12月16日に、中央社会保険医療協議会 薬価専門部会を開き、令和5年度薬価改定について、平均乖離率7.0%の0.625倍(乖離率4.375%)を超える品目を対象とすることを報告した。同日の午前中に内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣合の合意があったことに基づくもの。原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、不採算品再算定について臨時・特例的に全品を対象に適用するとともに、イノベーションに配慮する観点から、新薬創出等加算の加算額を臨時・特例的に増額し、従前の薬価と遜色ない水準とする対応を行うともした。


 令和4年12月16日 内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣の合意は以下の通り。

■令和5年度薬価改定については、令和4年薬価調査に基づいて、以下のとおり実施する。
 改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点から、平均乖離率7.0%の0.625倍(乖離率4.375%)を超える品目を対象とする。
 急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、不採算品再算定について臨時・特例的に全品を対象に適用するとともに、イノベーションに配慮する観点から、新薬創出等加算の加算額を臨時・特例的に増額し、従前の薬価と遜色ない水準とする対応を行う。

 市場実勢価格加重平均値調整幅方式(調整幅2%)により改定する。
 令和3年度薬価改定において適用した「新型コロナウイルス感染症特例(0.8%)」のような、薬価の一律の削減幅の緩和は行わない。

 基礎的医薬品、最低薬価、新薬創出・適応外薬解消等促進加算(加算のみ)、後発品等の価格帯集約については、令和3年度薬価改定と同様に適用する。

不採算品再算定を特例的に適用/不採算となっている1100品目

  不採算品再算定を特例的に適用する。不採算となっている全品目(不採算状況調査の1,100品目)について、不採算品再算定を実施して薬価の引上げを行う。不採算品再算定の算定ルールにおいては、「成分規格が同一の類似薬の全てが該当する場合に限る」旨の制限を設けているが、安定供給確保のため個別に対応する必要があることから、今回の改定に限って特例的に当該制限を課さないこととする。その際、安定供給を製薬企業に求めるとともに、そのフォローアップを実施する。

新薬創出等加算)の特例的な適用/対象でも引き下がるケースに薬価維持

 新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出等加算)の特例的な適用を行う。新薬創出等加算の対象となる医薬品であっても、企業要件や乖離率によって薬価が引き下がる場合がある。大臣合意を踏まえ、イノベーションに配慮する観点から、新薬創出等加算の適用後、現行薬価との価格差の相当程度を特例的に加算し、従前の薬価と遜色ない水準とする。この特例的な加算については、通常の加算と同様に取り扱い、その累積額を後発品の収載後等の薬価改定の際には控除する。

 「収載後の外国平均価格調整」を実施する。薬価収載時に参照できる外国価格がないなど一定の要件を満たす品目について、薬価改定の際においても、1回に限り、外国平均価格調整を行うものであり、今回の改定において実施する。

令和6年度改定へ向けては有識者検討会の議論も踏まえ検討

 骨子の記載案として次の内容を掲げた。
 近年の革新的新薬に係る日本への導入の状況や後発医薬品を中心とした安定供給上の課題を踏まえ、これまでの薬価制度改革の検証も行いつつ、イノベーションの適切な評価の在り方、医薬品産業の構造改革を前提とした医療上の必要性が高い医薬品の安定供給を維持するための評価の在り方などについて、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」での議論も踏まえ、令和6年度薬価制度改革に向けて検討を行う。

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