【日本薬剤師会】NTTドコモの「電子おくすり手帳」撤退に「あってはならない判断」

【日本薬剤師会】NTTドコモの「電子おくすり手帳」撤退に「あってはならない判断」

【2022.10.11配信】日本薬剤師会は10月8日に都道府県会長協議会を開催し、その場でNTTドコモが提供している「おくすり手帳Link」の撤退に関して報告した。「おくすり手帳Link」の仕組みを利用した日本薬剤師会(日薬)の「eお薬手帳」について時期は未定であるものの終了したい旨の連絡があったもの。日薬では「あってはならない判断」と、同社の決定を批判している。


日薬関係者「国民の生命・健康に関わるヘルスケア領域に参入する企業としての姿勢自体が問われる案件ではないか」

 NTTドコモは8月に、電子お薬手帳である「おくすり手帳Link」について、新規受付を停止するとのリリースを発出していた。

 それに合わせ、NTTドコモより日薬へ、「おくすり手帳Link」の仕組みを利用している日薬「eお薬手帳」についても時期は未定であるものの、終了したいとの連絡があったという。対応する薬局システムについても時期は未定であるものの、サービスが終了となる見込みと伝えられたという。

 日薬では、「2019年にNTTドコモ、株式会社STNet、日薬の3者で電子お薬手帳サービスの統合に関する基本合意書も締結したばかりであるにもかかわらず、今般、NTTドコモの決定事項として報告があったもの」として、「継続的な薬学管理に重要なアイテムであるお薬手帳を扱う事業者としてあってはならない判断」との考えを表明。「現在、eお薬手帳を利用されている国民、eお薬手帳を軸に患者対応を行っている薬局での影響も大きい」として、日薬として最善の対応を求めていく考えを示した。

 日薬関係者は「国民の生命・健康に関わるヘルスケア領域に参入する企業としての姿勢自体が問われる案件ではないか」と、不満を募らせている。

 説明にあたった日薬常務理事の原口亨氏は、「対応はざっと3パターン、4パターンが考えられるが、地域住民・患者の皆様に一番ご負担がなく、利用している3000を超える薬局にとっても負担のないものは、どの形が一番よいのか。検討を進めている。結論までもう少々お時間をいただきたい。サービス終了時期の明確化も含めて、できるだけ速やかにご報告させていただきたいと思っている」と説明した。

 

この記事のライター

関連するキーワード


NTTドコモ

最新の投稿


【厚労省_令和6年度医薬品販売制度実態把握調査】“濫用薬”販売方法で改善みられる

【厚労省_令和6年度医薬品販売制度実態把握調査】“濫用薬”販売方法で改善みられる

【2025.08.26配信】厚生労働省は8月22日、「令和6年度医薬品販売制度実態把握調査」の結果を公表した。同調査は、薬局・店舗販売業の許可を得た店舗が医薬品の販売に際し、店舗やインターネットで消費者に適切に説明を行っているかどうか等について調べたもの。令和6年度の調査は、前年度に引き続き一般用医薬品のインターネットでの販売状況や要指導医薬品の店舗での販売状況を含めた調査を実施した。


【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【2025.08.19配信】スギホールディングス株式会社は8月19日、埼玉県を中心に調剤併設型ドラッグストアを展開する株式会社セキ薬品の株式(3万7929株、持株比率 34.8%)を取得し、持分法適用会社とすることについて決定し、同日、株式譲渡契約を締結したと公表した。


【薬局DXコンソーシアム】病院が新たに加盟/社会医療法人 仁厚会

【薬局DXコンソーシアム】病院が新たに加盟/社会医療法人 仁厚会

【2025.08.19配信】薬局DXコンソーシアムに病院が加盟した。社会医療法人 仁厚会が会員となった。


【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【2025.08.08配信】日本薬剤師会が公表した「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト」。このうちの1つの事項である「地域の医薬品情報の把握・共有の取組」。この実践へ向けて情報共有のためのシステム選定の動きも活発化してきた。こうした中、メディカルシステムネットワーク(MSNW)では、もともと地域薬剤師会と共に開発を進めてきた「LINCLEちいき版」の提案を強化している。すでに10以上の都道府県薬剤師会への提案を進行中だという。


【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【2025.08.08配信】厚生労働省はこのほど、保険調剤「確認事項」(令和7年度改訂版)を公表した。2枚処方箋を受け付けることにより、投薬期間上限を超えるなどの不適切事例を指摘している。