薬学部の新設や入学定員増のあり方を含む「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」の議論を経て、8月23日に「6年制課程における薬学部教育の質保証に関するとりまとめ」を公表した。
6年制課程の薬学にかかる学部・学科の新設及び収容定員増については、これまで大学の判断により自由に申請が可能であり、学校教育法及び大学設置基準等の法令に適合していれば原則として認可されてきたが、「その原則を改め、抑制方針をとる」と明記した。
「速やかに制度化を進める必要がある」とした。
ただ、例外的な取り扱いも明記。「地域毎に薬剤師の偏在が指摘されていることを踏まえ、各都道府県の医療計画等において、薬剤師不足など将来的に当該地域における人材養成の必要性が示され、かつ、他の都道府県との比較において薬剤師の確保を図るべきであると判断できる等の場合には、上記の例外として取り扱うことが適切である」とした。また、「地域偏在への対応により過度に定員が増加することのないよう、増加する定員規模の適切性について十分な検討を行うべきである。また、例外措置は一定の期間において認めることとし、当該例外措置の将来的な取扱いについては地域における社会的な薬剤師の養成に係る需要等に照らし、検討を行うべきである」とした。
「制度化」については、令和4年度中に制度化を図り、令和7年度からの新設・入学定員分となる令和5年度の申請分から新制度が適用される見通しとされている。
また、例外を認める「一定期間」について、具体的な年限は示されていない。
■関連記事【文科省】薬学部の定員抑制へ/令和4年度中に制度化
https://www.dgs-on-line.com/articles/1681

【文科省】薬学部新設抑制に関わる「とりまとめ」公表/薬学系人材養成の在り方に関する検討会とりまとめ
【2022.08.23配信】文部科学省は薬学部新設抑制に関わる「とりまとめ」を公表した。薬学部の新設や入学定員増の抑制方針を明記した。
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