厚生労働省は6月27日に、事務連絡「『一般用医薬品販売制度に関するQ&Aについて』の一部改正について」を発出し、名札以外の掲示等の表示についても「医薬品登録販売者」と記載しても差し支えないとした。
日本チェーンドラッグストア協会はこれを受けて、店内外の掲示物に「医薬品登録販売者」使用を会員各社に呼びかける。7月14日に会員へ通知する。
同協会専務理事の中澤一隆氏は、「これまで名札に医薬品登録販売者と記載することは認められていたが、それ以外の掲示物などにも使用してよいかどうかの行政の判断は明確ではなかったため、会員のドラッグストア企業では躊躇があった」とし、協会として、明確にしてほしいとの要望を厚労省に行ってきたとした。
「いいとも悪いとも記載がなかった。記載がないと現場は指導を心配して萎縮してしまう」(中澤専務理事)。
ただ、「ほかの掲示物にも使用してよい」との事案だけでQ&Aを出すことは難しく、今回の“名札への本名以外の記載”を認める通知改正、Q&A改正のタイミングで要望を取り入れてもらったと話した。
協会ではこれまでも、「登録販売者」の名称では顧客から見ても“何の登録者か”が分かりづらいとして、これまで以上に薬の相談につなげるためにも「医薬品登録販売者」の名称を広く使用することを認めるように求めてきた。
「今回の改正は、協会として非常にウエルカム。厚労省に感謝したい」(中澤専務理事)。
7月14日の会員向け通知では、「医薬品登録販売者」の名称は、専門職の一層の認知拡大と本人の自覚促進にもなるとし、「名札、店内外の掲示物、宣伝物、広告等の媒体において“登録販売者”のに代えて、“医薬品登録販売者”を使用していただくこと」を呼びかけている。
こうした動きについて中澤専務理事は、「医薬品登録販売者が社会的認知を拡大してきた証」とも受け止める。「医薬品登録販売者の研修も拡充される中で、義務に応じて責任や認知も大きくなってきているのではないか」とする。
一方、規制緩和の動きでは、無許可店舗であるコンビニエンスストアなどからOTC医薬品の受け渡しをしてもよいのではないかといった要望も出ているのが現状だ。
中澤専務理事は「安易な規制緩和に対抗するためにも、医薬品登録販売者の認知をしっかり広めることは重要だ」とする。
「規制緩和をドラッグストア業界が求めることもあるが、安全性は重要との考えは変わっていない。国や自治体が直接医薬品の所在を把握し監視できなくなるような無許可販売が前提の現在の規制緩和の議論は行き過ぎたと思っている」(中澤専務理事)と話した。
また、薬剤師や登録販売者に本名以外の名札表記を認めた改正については、「選択肢が増えたことはよいこと」との考えを示した。
【日本チェーンドラッグストア協会】店内外の掲示物「医薬品登録販売者」使用を呼びかけ/Q&A改正受け
【2022.07.14配信】日本チェーンドラッグストア協会は、先ごろの厚生労働省の事務連絡「『一般用医薬品販売制度に関するQ&Aについて』の一部改正について」の発出を受け、店内外の掲示物に「医薬品登録販売者」の使用を会員各社に呼びかける。医薬品の専門職である医薬品登録販売者の一層の認知拡大を図りたい考え。
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