【ウエルシアHD】2022年2月期通期決算/初の1兆円大台/調剤事業は前期比114.4%の1992億800万円

【ウエルシアHD】2022年2月期通期決算/初の1兆円大台/調剤事業は前期比114.4%の1992億800万円

【2022.04.07配信】ウエルシアホールディングスは4月7日、2022年2月期通期決算(2021年3月1日~2022年2月28日)を公表した。売上高は1兆259億4700万円となり、初の1兆円の大台に乗せた。調剤事業は調剤併設数の増加が寄与し、前期比114.4%の1992億800万円となった。


 ウエルシアホールディングスの2022年2月期(2021年3月1日~2022年2月28日)連結業績は、売上高1兆259億4700万円、営業利益430億1800万円、経常利益475億9000万円、親会社株主に帰属する当期純利益264億5300万円だった。

 同会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が続く中で、正常化に向けた持ち直しの動きが続いているものの、感染力の強い変異型ウイルスの影響により新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、また、エネルギー価格や原材料価格の高騰等、先行きは極めて不透明な状況にある。

 同社グループが主に事業を行うドラッグストア業界は、同業大手による業界再編や異業種を含む競争が激化。また、感染リスクを回避するために継続されている行動制限に伴い、感染症対策関連商品や食品、酒等の需要増が見られるものの、マスクや手洗い等の習慣化による医薬品やメイク需要の落ち込みが続いている。

 一方で調剤市場においては、受診抑制の緩和による処方箋枚数の回復の兆しも見られている。このような状況において、同社グループは、感染防止策や衛生管理対策を講じながら営業を継続し商品販売及びサービスの提供に注力。物販部門においては、化粧品部門がコロナ以前の状況には戻らず、また食品部門は前期特需の反動があった。調剤部門においては、薬価改定の影響があったものの、調剤併設数の増加(当連結会計年度末1844店舗)等により処方箋受付枚数が増加。また販管費については、店舗人時数の適正化に向けた管理の徹底、自働発注等の推進による店舗業務の効率化、調剤併設店舗の推進等により人件費を中心とした適正化に努めた。

 子会社のウエルシア薬局を存続会社として、2021年3月1日付で子会社のネオファルマー及びサミットを吸収合併し事業の効率化を進めた。また、2021年12月1日付で、広島県を地盤とし、中国及び四国に店舗展開するププレひまわり(132店舗)を株式取得により子会社化した。

 出店と閉店では、グループ全体で144店舗の出店と26店舗の閉店を実施し、当期末のグループの店舗数は2468店舗となった。

 調剤事業は前期比114.4%の1992億800万円だった。

 今後の見通しにおいては、国内経済の次期見通しについて、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、加えて、ウクライナ危機等による海外の政治経済の不確実性の高まり、またエネルギー価格高騰や原材料価格の動向による仕入れ価格の値上げなどインフレ懸念による将来不安を背景とした節約志向の強まり等から、先行きは不透明な状況が続くと予想。

 ドラッグストア業界は、同業大手による意欲的な出店、食品需要の取り込み等により、業界として拡大しているものの、業界再編や異業種を含む競争の激化、人手不足を背景とした人件費の増加、物
流コストの上昇等により、厳しい経営環境が続いており、生き残りをかけた競争も一段と進行するもと予測する。

 このような環境のもと、同社は2023年2月期を最終年度とする中期計画の達成を推進する。
 同計画は、4大方針(「ドラッグ&調剤」、「カウンセリング営業」、「深夜営業」及び「介護」)を軸とした“ウエルシアモデル”の浸透とともに、ビジョン「生活のプラットフォームとなる ~専門総合店舗の実現~」を追求していくもの。

 次期は、既存エリアでのドミナント形成並びに新規エリアでの展開に注力し、新規出店129店舗を計画。また、前期に続き、店舗業務や調剤業務の生産性向上施策を推進し、M&Aによる統合効果を追求するとともに、デジタルトランスフォーメーションについても積極的に取り組んでいく方針。

 次期の連結業績(2023年2月期)は、売上高1兆1100億円、営業利益470億円、経常利益516億円、親会社株主に帰属する当期純利益284億円を見込む。

この記事のライター

関連するキーワード


ウエルシアホールディングス

関連する投稿


【ウエルシアHD】池野隆光代表取締役が退任

【ウエルシアHD】池野隆光代表取締役が退任

【2025.04.18配信】ウエルシアホールディングス株式会社は4月18日、代表取締役の異動(退任)に関するお知らせを公表した。


【ウエルシアHD】調剤粗利、0.1ポイント減の37.7%/2025年2月期

【ウエルシアHD】調剤粗利、0.1ポイント減の37.7%/2025年2月期

【2025.04.14配信】ウエルシアホールディングスは4月14日、2025年2月期の決算説明会を開催した。


【ウエルシアHD】ププレひまわりの社長に畑和彦氏(現・ウエルシアHD執行役員)

【ウエルシアHD】ププレひまわりの社長に畑和彦氏(現・ウエルシアHD執行役員)

【2025.02.25配信】ウエルシアホールディングスは2月21日、同社連結子会社の株式会社ププレひまわりが同日開催の臨時株主総会および取締役会において、代表取締役の異動を決議したと公表した。


【ウエルシアHD】とをしや薬局(長野県)がグループ入り

【ウエルシアHD】とをしや薬局(長野県)がグループ入り

【2024.06.03配信】ウエルシアホールディングスは6月3日、株式会社とをしや薬局がウエルシアグループの一員に参加したと公表した。


【ウエルシアHD】桐澤英明執行役員が社長に就任へ

【ウエルシアHD】桐澤英明執行役員が社長に就任へ

【2024.05.21配信】ウエルシアホールディングスは5月21日開催の取締役会において、代表取締役等の人事案について内定した。5月28日に開催予定の定時株主総会後の取締役会にて正式決定する。


最新の投稿


【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で

【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で

【2025.06.15配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングスは6月11日に、事業部説明会を開催した。来る6月17日(火)~6月18日(水)にTRC 東京流通センターで開く「2025OHKI秋冬用カテゴリー提案商談会2025 年 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」の事前説明会の位置付け。OTC医薬品に関しては、“推し活”市場の拡大を背景に、“推し活”をきっかけに需要に気付きを与える提案を実施することを説明した。


【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算

【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算

【2025.06.13配信】政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、いわゆる骨太方針を閣議決定した。医療・介護に関連しては、「高齢化による増加分に相当する伸びにこうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する」と記載した。これまでは、社会保障関係費の伸びを高齢化の範囲内に抑える方針がとられてきた。薬剤師で参議院議員の神谷政幸氏はXで「税収増を踏まえた経営の安定化や確実な賃上げに繋がる対応がついに反映」と投稿。医療介護業界の声が届いたとの考えを示唆した。


【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成

【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成

【2025.06.12配信】奈良県薬剤師会(後岡伸爾会長)は、「健康ハートの日 2025」に協賛する。


【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。


【日本医師会】自公維3党合意に見解公表/病床削減と医療DXに「総論賛同」

【日本医師会】自公維3党合意に見解公表/病床削減と医療DXに「総論賛同」

【2025.06.10配信】日本医師会は6月9日、自由民主党、公明党、日本維新の会の3党合意についての見解を公表した。