武田 泰生委員(日本病院薬剤師会副会長)が、地域連携薬局の現状と見通しについて次のように質問した。
「認定薬局の現状ですが、例えば地域連携薬局は1500軒ということで、今後増えていくのか、それとももうある程度の基準をクリアできる薬局はだいたい手挙げをされたのでしょうか。かなり基準のハードルが高い。手を挙げている薬局さんの内訳をもし解析されているのであれば教えて頂ければと思う。と申しますのは、個人経営の薬局というのは人数が一人とか数名ぐらいであり、基準のハードルを越えるのは非常に難しく、そうしますとそういう方々が今後どういう風になっていくのか」とした。
これに対して太田薬事企画官は、「認定薬局につきましては、現状の数値を今回は示しましたが、地域連携薬局は当初の目安としましては中学校区域に1件というのが目標だったので、全体では1万件ぐらいまでいくという感じです。ただ、現状は基準を示してから、いろいろな問題点というか、問い合わせを都道府県からいただいている。運用についてもう少し具体的にしなければいけない点も出てきているところ。これから解析しつつ、どういったところ件数を増やしていけるのか、というふうに考えております。薬剤師さんが少ない薬局についてもご質問ありましたが、地域連携薬局はすべての薬局に認定を取得して欲しいというものではなく、地域連携薬局でなくても地域の中で住民の予防とか相談に応じたり、医薬品の供給だったりを行えますので、そういったところも合わせて、薬局のあり方といったところを検討していきたいと思っている」とした。
加えて、宮川 政昭氏(日本医師会常任理事)は、地域に根差した薬局が手を挙げられるような検討が必要とした。
「認定薬局について、どういうことを目指していくのか。例えば数が足りないということになった場合に、どのような要件を生かして、どのような要件を外していく、あるいは勘案していくのか。非常に重要な課題になってくるのではないか。患者さんの視点で考えて、地域医療の中でどのような役割を薬局が担っていくのかということが大事で、今のような形でやっていくと、“私はこれができるんです”とただ単に患者の誘導のようでは、非常に問題が大きいと思っている。他の薬局に対しても指導的、または地域を支えていく中心になっていくということで設定したはずなんですが、どうやらそうではないような感じで、手を挙げて認定を取っているところが多いようです。チェーンの薬局がたくさん手をあげているんでは困りますねというわけではないんですけれども、いろんな地域で個人的にやって地域に根付いている薬局が手を挙げることができないとしたら、小さな薬局は地域の薬剤師会の中できちっとコンソーシアムではないが、そういうものを作ってできればそういう条件に達するというようなことも、今後はやはり考えていかなければいけない。それが薬局の再編と、再編の中での支援ということになっていくのではなかろうかなと思う。患者のための薬局ビジョンにも関係しているわけですが、そこが充分まだこなれていないというところがあるので、しっかりとサポートしていくことが大事だと思っています」とした。
厚労省は、現在認定を取っている薬局がどのような構成になっているのを精査していく方針を示した。
さらに日本薬剤師会副会長の安部好弘氏は、「地に足のついた制度にしたい」との考えを示した。
「認定薬局については地に足の着いた、数だけを急いで作るのではなく、実際に地域の中で求められる機能が有効に使われるようにしっかりと理解を得た上で進めていきたいというふうに思っています。決して目的と手段をたがい違いにするようなことがないように取り組んでいきたいと思います」とした。