厚生労働省は、11月9日に事務連絡「薬局における新型コロナウイルス感染症の経口治療薬の配分に係る医薬品提供体制の整備について」を発出していた。今後、新型コロナウイルス感染症の経口治療薬が国内で実用化された場合で供給量が限られる場合については、安定的な供給が可能になるまでの間は一般流通を行わず厚生労働省が所有した上で、対応薬局をあらかじめリスト化して経口治療薬を配備する体制を整備する方針を示していた。
こうした状況の中、東京都薬剤師会会長の永田泰造氏は、「コロナ経口薬の適切な量を届ける相談が都庁からきている。しっかり準備していこうと姿勢が見えてきている」と、準備が進んでいる状況を説明した。
「都庁と話しているのは医療圏の中に拠点となる薬局を設け、配送できる場所を用意し、限りある医薬品を1時間、2時間の時間で届けられる体制をつくろうとしている。都内には16の卸売販売業の許可を持っている東京都薬剤師会の管理センターがあるのでそこを活用していく。それに加えて、24時間対応をとってくださっている薬局をリスト化していく」と方針を示した。
このリスト化の登録に関して、東京都薬剤師会を通して手挙げした薬局は70軒にとどまった一方、
別途都庁がホームページから登録を進めるルートでは、同一のチェーンで20軒以上の登録が見受けられるという。
永田会長は「同一のチェーンでそこまでの必要があるのか。小分けする体制ができるのか」とする一方で、薬剤師会への手挙げが少なかったことを問題視。
「都内に地域支援体制加算を取得している薬局は2000軒程度ある。そういった薬局から多くの手挙げがあるべきではないか。その上で、交通整理をするのがあるべき姿のはずで、そもそも70軒しか手挙げがないことは問題である。加算は算定しているのにこうした地域貢献に手挙げは少ない」と憤りを示した。

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