共通指標確立を通じて広告出稿しやすい媒体を目指す
両社が掲げる戦略的協業に基づく取り組みの一環。「TOKYO Retail Media Federation(東京リテールメディア研究会)」では小売企業横断のリテールメディアネットワークの構築のほか、効果検証方法の確立、共通指標の策定を研究する。トライアルの対象店舗には、株式会社トライアルカンパニーと株式会社西友の店舗を含む。
リテールメディアは、購買に近い場所で生活者へ情報を届け、広告接触と購買行動を結び付けて検証できるメディアとして活用が広がっているという。一方、小売企業ごとに媒体、販売方法、効果指標が異なるため、複数の小売企業を横断した広告展開や効果比較には課題が残っているとしている。
両社は東京・首都圏を中心に、リテール各社のメディア(サイネージ、アプリ広告、店内放送など)を横断活用することで、埋もれない情報伝達やリテールメディアのメディアパワーの実証・検証を行ってきた。これまでのリテール横断でのPoC(概念実証)を通じて、横断的なリテールメディア活用の有効性が確認されたため、今回、団体の設立に至ったと経緯を説明する。
従来の単体流通ごとの「販促費」ではなく、小売企業(売上高合計2.3兆円規模)横断のリテールメディアネットワークを構築することにより、「広告・マーケティングの在り方」の変革を目指す。
先行して一都三県でPoCを実施した。
研究会の発足に先立ち、2026年5月4日から5月31日まで、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県のスギ薬局、西友、トライアル計401店舗を対象に、サイネージおよび店内放送を横断して展開するPoCを実施。人流データを基に算出した4週間の重複除外後の推計ユニーク来店者数は約685万人となり、700万人規模の生活者へ接触できる可能性を確認した。スギ薬局とトライアルグループの双方を利用した来店者は全体の約2.1%にとどまり、そのうちスギ薬局と西友の重複は約1.8%だった。両グループの顧客層の重複が少ないことから、メディアを横断することで、リーチの重複を抑えながら接触可能な生活者を広げられることが示されたという。
なお、推計ユニーク来店者数(推計UU)は、対象店舗へのGPS来訪(滞在2分以上)を基に、各流通の推計UUと流通併用構成比から重複を除いて算出した広告接触可能層。サイネージまたは店内放送の実視聴者数を示すものではない。構成比の分母は3社合計の重複除外後推計UU。
同団体では、主に以下のテーマについて共同研究を進めていく方針。
①小売企業横断型リテールメディアネットワークの構築とその効果
各社の強み(中心エリアやメディア等)を活かしたネットワークを構築し、その効果を検証
②「広告的価値」「販促的価値」両輪での効果検証方法の構築
これまでの広告で重視されていた「リーチ/認知」といった指標に加え、「購買伸長」「新規購入率」「リピート購買促進率」「一定期間内の顧客単位購買回数」などを測定し、多角的な効果検証方法を構築
③リテールメディアにおける共通指標作り
TVCMにおけるGRP(グロスレーティングポイント)に代表されるような、リテールメディア業界における共通指標の策定を目指す
東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県のスギ薬局・西友・トライアル401店舗で700万人規模の生活者接触を確認
今後は、小売企業横断のリテールメディアの開発と販売、共通指標による効果検証を進め、研究成果を公表していく予定。
また、本研究会の趣旨に賛同する小売企業およびパートナー企業の参画を募り、首都圏からリテールメディアネットワークの拡大を目指す。さらに、スギ薬局アプリの連携による多角的な効果検証も実施していく。
<参画企業(※順不同・一部予定含む)>
小売企業: 株式会社スギ薬局、株式会社トライアルカンパニー、株式会社西友 など
パートナー企業: 株式会社unerry、東芝テック株式会社、株式会社SalesPlus など