藤田氏は、「最近では薬局を減らすかのような動きもありますが、門前薬局、面薬局、僻地の薬局、小規模から大規模の全ての薬局に得意分野があり、全ての薬局で国民を守っています。創薬・製薬・流通・臨床、それにつながる教育の現場、また介護職の方々の処遇改善離職防止・人材確保など、全ての関係者の仕事や業務が持続可能なものになるよう、ぜひ現場の実態を踏まえ実効性ある対策を講じていくことをお願い申し上げる」と述べた。
藤田氏の衆院厚労委員会への所属については、「新人」かつ「比例復活」の議員が抜擢されるのは異例として注目を集めていた。薬剤師が直接、医薬品流通など薬剤師が直接関わっている社会テーマに関して質疑する機会となる。日本薬剤師連盟のロビー活動の成果の1つともいわれている。
上野厚労相「限定出荷供給停止の割合については令和6年3月19%だったが、令和8年3月では10%に減少するなど状況は改善」
そのほか、藤田氏は薬価の中間年改定や医薬品流通についても質疑。
医薬品供給については、コロナ感染症が落ち着いた後もなお供給不足が続いているとして問題提起。必要量が確保できないことや患者が希望する薬剤を渡せないことなど患者にとっての不利益につながっているとした上で、「供給不足の背景には毎年の薬価改定による収益構造の変化もある」との考えを表明。政府として、現在の医薬品供給不足の原因をどのように分析し、どのように対応されたのか、と質問した。これに対しては上野賢一郎厚労相が回答。後発医薬品産業の少量多品種生産といった非効率的な製造体制や後発医薬品企業による薬機法違反を契機とした供給量の低下、感染症の流行などの様々な要因により生じたとの考えを示した上で、製薬企業による増産体制整備に対する補助や最低薬価の引き上げ、不採算品再算定の実施といった薬価の下支えなど企業への支援を行ってきたと説明した。こうした施策により「例えば限定出荷供給停止の割合については令和6年3月19%だったが、令和8年3月では10%に減少するなど状況は改善してきた」と話した。薬機法改正によって後発医薬品製造基盤整備基金を造成し、製薬企業の品目統合等の取組等を支援をするとした。
医薬品流通については藤田氏は、薬価の低下による卸の利益減少、さらにエネルギー価格の高騰による物流コスト増により配送便の減便、発注から納入までのタイムラグがあると現状を訴えた。医薬品卸への過度な負担は避けるべきである一方、治療が必要な患者さんへの負担が多く場合によっては生命の危機に関わることもあるとし、「医薬品卸などの医薬品流通にかかわる方々への支援も必要だと思いますが政府のお考えを教えてください」と質問した。これに対し、森光敬子医政局長が回答。医薬品卸に対して医薬品の安定供給の適正化・強靭化に向けた取り組み、地域における流通基盤の強靭化により医療機関や薬局を含めた地域全体のコスト削減に向けた取り組み、災害時における業務継続に向けた取り組み等を補助事業により支援することとしているとした。現在公募を実施していると説明した。なお流通上における諸課題については引き続き医薬品メーカー、医薬品卸、医療機関や薬局といった流通関係者との間で連携しながら流通関係者が遵守すべきガイドラインの周知及び順守の徹底や望ましいあり方の検討に不断に取り組んでいく方針も示した。
藤田議員「薬価改定で資産価値が減少する状況に財政支援や租税措置の検討を」
医薬品に関わる軟膏壺や一包化などをする分包紙などの製造、供給流通についても質問。「かろうじて流通しているものについても単価が著しく上昇していることについて政府はどのようにお考えかお聞かせください」と質問した。これに対し宮本直樹医薬局長が回答。医療物資等の安定供給については、情報収集・対策検討体制の強化を図っているとした上で薬局で必要となる消耗品等を含め物価上昇の影響に対しては医療介護と支援パッケージを措置し必要な支援を実施しているほか、令和8年度調剤報酬改定において今後の物価上昇に対応するため調剤物価対応料を新設したと説明した。
藤田氏は医療機関や薬局においては毎年の薬価改定の度に在庫の資産価値が減少し経営に直接的な影響が生じる事や最恵国待遇による薬価の課題もあると指摘。高額医薬品についても処方日数と包装単位の不一致により不動在庫や廃棄が発生しており、公定価格である薬価が現場の努力とは別のところで経営を圧迫する構造になっていると指摘。「世界規模での医薬品の価格が創薬や製薬に及ぼす影響、資産価値が減少する施設について財政支援や租税措置を行う必要性についても引き続き検討をお願いしたい」と要望した。
登録販売者の研修、「厚生労働省としても継続的な研修に対して補助を実施、支援」/上野厚労相
セルフメディケーションについても取り上げた。重要である一方、医薬品の適正使用の確保やいわゆるオーバードーズの問題など安全面に関する課題も顕在化していると指摘。「薬剤師に加え一般用医薬品の販売を担う登録販売者の役割は非常に重要である」とした上で「ただ現場から人員体制の不足や教育研修体制・相談対応に対する支援が十分ではないとの声も聞かれています。セルフメディケーションを安全に推進していくためにはこうした現場を支える薬剤師や登録販売者などへの人材への支援が不可欠であると考えますがどのような考えか教えてください」と質問した。これには宮本薬局長が回答。改正薬機法で地域住民から健康の維持増進に関する相談を幅広く受け付け、薬剤師がセルフケア・セルフメディケーションに関する助言や地域の関係機関に適切につなぐという対応を担っていくために健康増進支援薬局の認定制度を創設したことを紹介。また登録販売者については毎年度研修を受講させなければならないということにしており厚生労働省としても登録販売者の継続的な研修に対して補助を実施、支援をしているとした。
宮本医薬局長「服薬情報提供書等の電子化に向けた調査研究を行っている」
医療介護分野における業務効率化については藤田氏は、現場ではさまざまな対応が求められその都度設備投資や運用コストが発生してい流と指摘。設備投資に対しては一定の支援があるものの十分とはいえないとい声もあるとし、導入の補助について医療機関と同様の支援を薬局・訪問看護・介護事業所を含めた横断的な具体的な支援策について尋ねた。
これには宮本薬局長が回答。薬局DXについては医療機関・薬局間でファックス等でやり取りをされている服薬情報提供書等の電子化に向けた調査研究を行っていると説明。これらの取り組みを踏まえ引き続き薬局における業務の効率化に資する支援策を検討していく方針を示した。