【薬局の倒産】2年連続で最多更新、8割が小規模/帝国データバンク

【薬局の倒産】2年連続で最多更新、8割が小規模/帝国データバンク

【2026.04.13配信】株式会社帝国データバンクは「調剤薬局」の倒産発生状況について調査・分析を行った。それによると、2025年度に発生した「調剤薬局」の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は30件にのぼった。前年度の29件を上回り、2年連続で最多を更新した。このうち8割超が資本金1000万円未満と小規模。特に、大手ドラッグストアの進出や、近隣の病院・クリニックの閉院といった影響を強く受けた「門前型」の調剤薬局で苦境が鮮明となっているという。


「減益」(37.9%)や「赤字」(22.3%)を合わせた「業績悪化」の割合は6割

 集計対象は負債1000万円以上・法的整理による倒産。
 調剤薬局とは、「医薬品小売業」のうち、事業内容等で「調剤薬局」の経営が判明した企業とした。
 
 2024年度の損益状況が判明した調剤薬局業約120社の損益動向をみると、前年度から「増益」となった企業は36.8%を占めたものの、約半数を占めた23年度(48.3%)からは大幅に低下し、4年ぶりに4割を下回った。

 他方で、「減益」(37.9%)や「赤字」(22.3%)を合わせた「業績悪化」の割合は6割を占め、25年度はさらに割合が拡大傾向にある。薬価の引き下げや後発医薬品の普及で販売単価の低下が続いているところに、食料品や生活必需品を安価に揃え、利便性も兼ね備えたドラッグストアチェーンや、大手ECサイト運営の調剤事業参入など、異業種との競合も激化し、収益を伸ばせない調剤薬局が増えていると分析している。

 そのなかでも、「病院の前という好立地」と「薬剤師免許」があれば開業でき、処方箋をもらった患者を誘客することで成立していた従来の門前薬局型経営では、利便性やスケールメリットに勝る大手やドラッグストアに対する優位性が保てなくなり、業績が悪化するケースが目立ったとする。また、中小の門前薬局では調剤現場で不可欠な「薬剤師」の採用でも、給与などの待遇面で大手やドラッグストアに及ばず、薬剤師の確保が困難になり事業継続を断念する事例も発生している。

 クローバー薬局(2025年、破産)は、大手ドラッグストアの新規出店による競合激化に加え、薬剤師の確保に苦慮する状況が続き、最終的に破産となった。同業他社のM&Aや、介護や飲食業など経営多角化で乗り切ろうとしたものの、借入過多による資金繰りの悪化から経営が破綻するケースも散見されたという。

 2026年度からは特定の医療機関に依存する門前薬局の調剤基本料が減額され、患者を地域で支える「かかりつけ薬局」へのビジネスモデル転換が求められていると指摘。足元では、末期がん患者向けなどの「高度な在宅訪問薬剤管理」といった、高い専門性と報酬増加が見込める領域への特化や、オンライン服薬指導や専用アプリを通じた処方箋の事前受付など、デジタル領域で患者との接点を増やすことで事業を伸ばす調剤薬局もみられるとした。ドラッグストアの進出で調剤薬局の存在意義が大きく問われるなか、「薬の提供」以外の付加価値を提供できない中小調剤薬局の淘汰が、今後さらに進むとみられると総括している。

この記事のライター

関連するキーワード


倒産 帝国データバンク

関連する投稿


【薬局倒産】株式会社浅川薬品(長野市)/事業停止、自己破産申請へ

【薬局倒産】株式会社浅川薬品(長野市)/事業停止、自己破産申請へ

【2026.08.06配信】帝国データバンク長野支店によると、株式会社浅川薬品(長野市)は7月31日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。


【倒産件数】調剤薬局やドラッグストア、過去10年で最多/帝国データバンク

【倒産件数】調剤薬局やドラッグストア、過去10年で最多/帝国データバンク

【2024.12.09配信】帝国データバンクは12月9日、調剤薬局やドラッグストアの倒産が過去10年で最多とのレポートを発表した。


【倒産情報】調剤薬局経営の有限会社ウィスタリア(新潟・村上市)が破産申請へ

【倒産情報】調剤薬局経営の有限会社ウィスタリア(新潟・村上市)が破産申請へ

【2023.09.15配信】東京商工リサーチ新潟支店によると、調剤薬局経営の(有)ウィスタリア(新潟・村上市)が破産による整理を予定している。新型コロナウイルス関連倒産では県内110番目としている。


「薬局」の倒産数、コロナ禍が落ち着き減少へ/2022年度は15件/東京商工リサーチ調べ

「薬局」の倒産数、コロナ禍が落ち着き減少へ/2022年度は15件/東京商工リサーチ調べ

【2023.05.23配信】東京商工リサーチは5月23日、「調剤薬局」の倒産件数の調査結果を公表した。コロナ禍で過去最多となる23件を記録した2021年度からは減少し2022年度は15件だった。同社は「今後はオンライン化で淘汰が加速も」と分析している。


最新の投稿


【パブコメ】薬局からのトレーシングレポート、2030年メドに電子化実装/医療情報化推進方針案

【パブコメ】薬局からのトレーシングレポート、2030年メドに電子化実装/医療情報化推進方針案

【2026.08.28配信】厚生労働省は8月28日、医療情報化推進方針案についてパブリックコメントを開始した。改正医療法では支払基金が改組するDX審査支払機構における医療DX業務に対し、国によるガバナンスを発揮する観点から、厚生労働大臣が医療情報化推進方針を作成することとされている。


【厚労省】「バップフォーレディ」、指定2類薬へ/安全対策調査会了承

【厚労省】「バップフォーレディ」、指定2類薬へ/安全対策調査会了承

【2026.08.27配信】厚生労働省は8月27日、医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開き、尿意切迫感改善薬の「バップフォーレディ」(大鵬薬品工業株式会社)のリスク区分について議論し、指定第2類医薬品とすることを了承した。


支払基金、「DX審査支払機構」に改組/今年10月から

支払基金、「DX審査支払機構」に改組/今年10月から

【2026.08.27配信】社会保険診療報酬支払基金は今年10月に「DX審査支払機構」に改組する。昨年成立した改正医療法に基づくもの。従来の審査・支払に加え、医療分野のデジタル化(医療DX)を進める中心的な組織となる。


【厚労省】「患者からの医薬品副作用報告に関する広報の周知」発出/「薬と健康の週間」等の機会生かし

【厚労省】「患者からの医薬品副作用報告に関する広報の周知」発出/「薬と健康の週間」等の機会生かし

【2026.08.27配信】厚生労働省は8月26日、自治体に対し通知「患者からの医薬品副作用報告に関する広報の周知について(協力依頼)」を発出した。


【中医協】日本薬剤師会・渡邊副会長、不採算再算定取引の考え方問う/薬局現場で大きくなる「逆ザヤ」問題

【中医協】日本薬剤師会・渡邊副会長、不採算再算定取引の考え方問う/薬局現場で大きくなる「逆ザヤ」問題

【2026.08.27配信】厚生労働省は8月26日、中央社会保険医療協議会(中医協) 薬価専門部会を開き、次期薬価改定へ向けて関係業界からの意見聴取を行った。この中で日本薬剤師会(日薬)副会長の渡邊大記氏は、不採算再算定の取引に関して企業の考え方について質問。流通コストを考慮して欲しいと要望した。


ランキング


>>総合人気ランキング