日本薬剤師会と日本薬剤師連盟が示した薬局経営の状況では、令和7年度薬価の中間年改定で1薬局あたり200万円の収益減になる。
薬価中間年改定では2500億円程度が引き下げられたが、現状では薬剤費のうち52%程度が薬局であり、16%が診療所、32%が病院。薬価引き下げの影響は薬局でより深刻となる。
加えて、約3割の薬局が赤字経営であることも示した。
こうした中、主要民間企業の賃上げ率・額に比べ、薬局は「大きく下回っている」状況ともした。
薬剤師議員懇談会には悪天候の中、国会議員70名程度、秘書の代理出席70名程度が参集した。
日薬会長の岩月進氏は、「薬局経営が困っているという事実を理解いただけたのではないか。我々薬剤師も医療の質を維持・確保しつつ、後発薬の更なる使用促進、長期品の選定療養、医療DXの積極導入などによって国民皆保険の維持や国民に必要な医療を確実に届けるためにしっかりやっていく。そのための財源確保について支援いただくことを要望した」と述べた。
懇談会の事務局長を務める本田顕子参議院議員は懇談会終了後に、「薬剤師のことが国会でもかなり今、話題になっている。薬剤師の職能を狭めることがないように、という思いがある。皆さんに薬剤師の職能をしっかり理解していただくことが重要で、私自身も正しい情報を発信していきたい」と述べ、周辺環境についての危機感を示した。「単なる利便性や財源削減だけでなく、なぜこの国で薬剤師が責任を持って仕事をしているのか。金額だけではなく重要な仕事をしているということを理解していただけるようにしていきたい」と語った。
神谷政幸参議院議員は、「本田議員の薬剤師の職能を狭めることがないよう、という言葉を受けて、私自身は医療DXへの貢献についても指摘したい」とし、「例えば処方箋を写真で撮って送る、これはDXとは言えるのか、と言うご意見も参加の先生がたからあった。医療DXの中での薬局DXというのは、薬剤師の職能を他職種の方々に理解をしていただくものだと考えている。薬局DXがどういった形で国民の方々の医療に貢献がしていけるのか、その姿というものも、しっかり主張していかなければいけない」とした。