【敷地内薬局めぐる裁判】検察が上告

【敷地内薬局めぐる裁判】検察が上告

【2025.02.12配信】KKR札幌医療センターの敷地内薬局の整備を巡り、アインファーマシーズ元代表取締役社長・酒井雅人被告と同社元取締役・新山典義被告が公契約関係競売入札妨害の罪に問われた裁判について、札幌高検は2月12日、札幌高裁が両被告に言い渡した控訴審の無罪判決を不服として上告したことが明らかになった。(ジャーナリスト・村上和巳)


 KKR札幌医療センターの敷地内薬局の整備を巡り、アインファーマシーズ元代表取締役社長・酒井雅人被告と同社元取締役・新山典義被告が公契約関係競売入札妨害の罪に問われた裁判について、札幌高等検察庁(札幌高検)は2月12日、札幌高裁が両被告に言い渡した控訴審の無罪判決を不服として上告したことが明らかになった。

 この事件について一審の札幌地裁は、医療センターが行った敷地内薬局の優先交渉権者選定を目的とした公募型プロポーザルが刑法96条の6が規定する「競売又は入札」の一種と判断。医療センターの元事務部長・藤井浩之被告に対して懲役1年・執行猶予3年(求刑懲役1年)、アイン側の酒井、新山両被告に懲役6カ月・執行猶予2年(ともに求刑懲役10カ月)の判決を言い渡したが、アイン側の両被告が判決を不服として控訴していた。

 1月28日に開かれた控訴審判決公判で札幌高裁の青沼潔裁判長は、医療センター側が実施した公募型プロポーザルは、採点方式の客観性に欠くなどの理由で入札には当たらないとの判断を示し、逆転無罪を言い渡していた。

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