【福岡厚労相】局所麻酔薬「アナペイン」の不足問題にコメント

【福岡厚労相】局所麻酔薬「アナペイン」の不足問題にコメント

【2024.10.08配信】福岡資麿厚生労働相は10月8日、全国的な不足が指摘されている局所麻酔薬「アナペイン」の対策についてコメントした。


供給の再開に向け、「必要な薬事手続きを進めている」

 厚労省の定例会見で局所麻酔薬「アナペイン」が全国的に不足している問題について、記者から質問が出ると、福岡厚労相は、「アナペイン」だけに限らず、医薬品の供給不足に対しては、医療現場の声や製造販売業者等からの報告を踏まえ、製造販売業者へ増産の要請や、医療機関等への適切な処方等の働きかけを行うなど、個別の事例に応じて丁寧に対応しているとの考えを示した上で、「アナペイン」については、製造トラブルにより全ての受注に対応できない状況になっているとの認識を示し、供給の再開に向け、現在、必要な薬事手続きを進めているとした。

 加えて、今年の8月には、アナペインの後発医薬品が承認されており、年内には供給が開始される見込みとなっているとも説明した。「今後も医療現場の声を踏まえつつ、品質の確保された医薬品が安定的に患者の元にお届けできるようにしてまいりたいと考えています」(福岡大臣)とした。

記者:
 無痛分娩やがん治療などに使われている局所麻酔薬の「アナペイン」が全国的に不足している件についてお伺いします。厚労省などは、全国の医療機関に対し、治療が必要な患者の優先順位をつけて対応することや、薬の使用量を減らす工夫をすることなどを呼びかけていますが、供給量が回復する見込みは今のところ立っていません。取材したところ、医師や患者から不安や対策を求める声があがっていますが、そうした意見はメーカーなどに届いておらず危機感にギャップがある印象を受けました。受け止めと対策、そして厚労省として医療機関に対する実態調査をするのかどうか大臣のご所見をお願いします。

大臣:
 これは「アナペイン」だけに限らず、医薬品の供給不足に対しては、医療現場の声や製造販売業者等からの報告を踏まえ、製造販売業者へ増産の要請や、医療機関等への適切な処方等の働きかけを行うなど、個別の事例に応じて丁寧に対応しているところです。加えて、実態を網羅的に把握する観点から、医薬品の供給不足が生じた場合に、「供給状況報告」制度により製造業者に対して厚生労働省への報告を求める仕組みとしており、供給実態について把握を行っているところです。なお、ご指摘の局所麻酔薬である「アナペイン」については、製造トラブルにより全ての受注に対応できない状況になっていると承知していますが、供給の再開に向け、現在、必要な薬事手続きを進めていると聞いています。加えて、今年の8月には、アナペインの後発医薬品が承認されており、これが薬価収載等も含めて年内には当該医薬品の供給が開始される見込みとなっており、今後も医療現場の声を踏まえつつ、品質の確保された医薬品が安定的に患者の元にお届けできるようにしてまいりたいと考えています。

記者:
 今の「アナペイン」の件ですが、1社提供であり、代替薬も供給が制限されているという状況があると思います。医療機関からは、1社提供の薬が出荷制限になった場合、他の会社が当該の薬を供給できる、製造できる体制を構築して欲しいという意見もありました。こうした意見について何か対策がありましたらお聞かせください。

大臣:
 今おっしゃった「アナペイン」につきましては、後発品の供給も含めて準備がなされているということですが、今おっしゃったように1社製造のようなところについて、万が一の時の安定供給をどうしていくかということは重要な課題だと思いますので、そうした供給不足が起こらない仕組みをしっかり構築してまいりたいと考えています。

この記事のライター

関連するキーワード


福岡資麿 厚労相

最新の投稿


【東京都薬剤師会】緊急避妊薬調査事業、協力医療機関数が250に

【東京都薬剤師会】緊急避妊薬調査事業、協力医療機関数が250に

【2025.02.07配信】東京都薬剤師会は2月7日に定例会見を開いた。この中で、緊急避妊薬販売にかかる環境整備のためのモデル的調査事業の協力医療機関リストを公開した。250の医療機関から協力を得た。


【日本総研】レポート「零売規制の妥当性を問う」公表

【日本総研】レポート「零売規制の妥当性を問う」公表

【2025.02.05配信】日本総研は2月5日、レポート「医薬品『零売』規制の妥当性を問う」を公表した。「処方箋医薬品以外の医薬品はOTC医薬品として薬局で薬剤師が堂々と販売できるようにする」ことが求められているとしている。


【リフィル処方箋動向】2024年6月に最高値/日本システム技術の調査

【リフィル処方箋動向】2024年6月に最高値/日本システム技術の調査

【2025.02.05配信】日本システム技術は2月4日、リフィル処方箋の普及状況に関する調査結果を公表した。それによると、診療報酬改定が施行された2024年6月に医科のリフィル処方率が向上、過去最高となった。改定などの各施策に一定の効果があったことが考えられるとしている。


【日本薬剤師会】第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議開催/3月10日に

【日本薬剤師会】第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議開催/3月10日に

【2025.02.04配信】日本薬剤師会は2月4日に定例会見を開いた。この中で第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議を3月10日に開催すると報告した。


【大正製薬】4月から値上げ/10~20%アップ/目薬「アイリス」シリーズで

【大正製薬】4月から値上げ/10~20%アップ/目薬「アイリス」シリーズで

【2025.02.03配信】大正製薬株式会社(本社東京都豊島区、上原茂社長)は、2025年4月1日出荷分から一部製品の希望小売価格を改定すると公表した。