【経口補水液】相談・指導先に薬剤師の明記を/日本薬剤師会が要望

【経口補水液】相談・指導先に薬剤師の明記を/日本薬剤師会が要望

【2024.09.05配信】日本薬剤師会は9月5日に定例会見を開き、経口補水液を含む特別用途表示の許可等に関する法令の一部改正について意見を表明したことを説明した。


 特別用途表示制度における病者用食品のうち、特に経口補水液については、清涼飲料水よりも電解質量が多く含まれているため、脱水状態時でない場合、または脱水の原因となる疾患等に罹患していない場合に漫然と使用することにより、短期的に健康上の問題を引き起こす可能性がある。清涼飲料水と容器・形状が類似しているため、誤認して購入・使用されるリスクも高い。

 こうしたことを踏まえ、消費者庁では従来の次長通知について、改正を行う方針でパブリックコメントを募集している。

 改正案は、経口補水液の販売にあたっては、そのほかの清涼飲料水とは明確に区別し、病者用食品(経口補水液)であることがわかるようにポップ等で明示することを求める。
 加えて、医師および管理栄養士のほか、経口補水液の適切な使用方法を説明できる薬剤師等の医療従事者による確認や相談等が行われる体制が整った場所、または方法により販売することとする。
 実店舗販売では、消費者に対して医師から経口補水液の摂取を指示されているかを医療関係者が確認できる体制に努めることとしている。

 通知の改正だけでなく、これまで通知で規定してきた健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関して法令上位置づけるように内閣府令を改正する。

 日本薬剤師会はパブリックコメントに意見を提出し、おおむね改正案を支持する考えを示した。

 意見書では「特別用途食品の必要的表示事項を次長通知から内閣府令へ 規定し法令上明確化すること及び経口補水液を一般の清涼飲料水と誤認して購入・使用されることを防ぎ、健康上の問題を引き起こすことがないよう販売方法に関する留意事項を長通知へ規定するということは賛成する」と記載。
 薬局においても、経口補水液を取り扱い、適切な使用方法について指導を行っているところであるとし、引き続き経口補水液の適正使用に積極的に薬剤師が関与していきたいとの考えを示した。

 その上で、経口補水液を含め、特別用途食品には薬局で薬剤師が適正使用のための説明及び関与して販売しているものが多くあるとし、「今般、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令(案)に明記される必要的表示事項の「~等の相談、指導を得て使用することが適当である旨」に薬剤師を追加することを検討していただきたい」とした。

この記事のライター

関連するキーワード


経口補水液

最新の投稿


【補正予算_閣議決定】薬局は最大23万円を支援/医療・介護等支援パッケージで

【補正予算_閣議決定】薬局は最大23万円を支援/医療・介護等支援パッケージで

【2025.11.28配信】政府は11月28日、2025年度補正予算案を閣議決定した。厚生労働省は「医療・介護等支援パッケージ」のうち、賃上げ・物価上昇に対する支援 として、5341億円(賃上げ1,536億円・物価上昇3,805億円)を計上。薬局には最大23万円を支援する。


【中医協_調剤その2】地域支援体制加算“都市部以外”での実績要件緩和を示唆

【中医協_調剤その2】地域支援体制加算“都市部以外”での実績要件緩和を示唆

【2025.11.28配信】厚生労働省は11月28日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「調剤その2」をテーマとした。この中で、事務局は地域支援体制加算“都市部以外”での基準緩和を示唆する資料を提示した。


【中医協_調剤その2】“地域別”の薬局損益率を提示/特別区の薬局で損益率高く

【中医協_調剤その2】“地域別”の薬局損益率を提示/特別区の薬局で損益率高く

【2025.11.28配信】厚生労働省は11月28日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「調剤その2」をテーマとした。この中で、事務局は“地域別”の薬局損益率を提示。特別市で損益率が高いことを示した。


【中医協_調剤その2】「基本料2」の薬局、損益率・額高いとの分析

【中医協_調剤その2】「基本料2」の薬局、損益率・額高いとの分析

【2025.11.28配信】厚生労働省は11月28日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「調剤その2」をテーマとした。この中で、事務局は「基本料2」の薬局で損益率・額が高いとの分析結果を示した。通常、損益の高い結果が出た際には適正化が行われることが多い。


【中医協_調剤その2】「集中率85%超の基本料1」の薬局、「GE加算3」多く

【中医協_調剤その2】「集中率85%超の基本料1」の薬局、「GE加算3」多く

【2025.11.28配信】厚生労働省は11月28日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「調剤その2」をテーマとした。この中で、事務局は「集中率85%超の調剤基本料1」の薬局に焦点を当てた。「集中率が高い薬局ほど備蓄品目数が少ないにもかかわらず、他の加算より高い点数の後発医薬品体制加算3を算定していた」とした。


ランキング


>>総合人気ランキング