日本保険薬局は、いわゆる敷地内薬局に対して算定される「特別調剤基本料」について、中医協などで敷地内薬局を有するグループ全体の薬局の調剤基本料を一律に引き下げるとのイメージ案が提案されたことについて意見書を厚労省に提出した。
意見書の中では、11 月 29 日の中医協において、厚生労働省から「敷地内薬局を有するグループ全体の薬局の調剤基本料を一律に引き下げること」がイメージ案として提案されたことを問題視。
今回の提案に対し、グループ内の或る特定の薬局のあり方を理由に、当該薬局のみならずグループの薬局全て一律に調剤基本料を引き下げようとするものであり、不当な差別的取扱いであることは明らかとの意見を表明。
そもそも、健康保険法は国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的としていることを挙げ、敷地内薬局は、規制改革についての閣議決定等を踏まえ厚生労働省保険局が患者の利便性向上のため自ら導入した制度であり、同法の目的に適うものであるとし、このような厚生労働省の施策に基づき開局した敷地内薬局の存在を理由として、事後にグループの薬局全体の調剤基本料を引き下げようとするのは、開局当時予見不可能であった事情であるにも関わらず、事後的に処罰的な規制をするに等しく、著しく不合理であることが明白であると主張している。
このような不当な差別的取扱いを容認し、事後的に処罰的な規制をするような改定は、著しく不合理であることが明白であり、上記の厚生労働省の提案には強く反対するとした。
協会ではかねてから、調剤報酬は個々の薬局が果たしている機能を評価するのが本来の姿であり、開設主体によって評価に差をつけるべきではないと主張してきた。現行の調剤報酬の体系では、大型薬局、もしくは、大規模薬局グループにおいては、調剤基本料が低く設定されるだけでなく、薬局の機能を評価する地域支援体制加算の要件ハードルは著しく高く、一方で点数は低いという不合理な報酬体系となっており、合理性を欠く不平等な取扱いがなされているとの考え。

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