厚労省では令和元年に行われた消費税率10%への引上げに伴う診療報酬による補てん(5%~10%部分)について状況を把握する調査を行っている。薬価・特定保険医療材料は、税抜きの市場実勢価格に消費税を上乗せし、個々の薬価等に反映されているため、対象としていない。
この結果、医療機関等の消費税負担(5~10%部分)の診療報酬による補てん状況については、医科、歯科、調剤を合わせた全体の補てん率は令和3年度は104.5%、令和4年度では106.1%となっていた。また、医科全体、歯科それぞれにおいても補てん不足になっていないとした。調剤においては令和3年度から4年度にかけて改善がみられていると指摘している。
そのことから、事務局は、令和6年度診療報酬改定においては、診療報酬の上乗せ点数の見直しは行わないこととして、引き続き、消費税負担額と診療報酬の補てん状況を把握して検証を行うことを提案し、分科会で了承された。
令和4年度の補填率は医科、歯科、調剤でそれぞれ107.1%(うち病院112.8%、一般診療所94.6%)、105.4%、91.7%だった。
令和3年度では同様に、105.6%(病院113.2%、一般診療所88.9%)、103.2%、89.5%だった。
なお、支払い側委員からは調査対象の収入にはコロナ補助金が含まれていない一方、支出にはコロナ関連の経費も含まれるのではないかとの懸念も示されていた。
【診療報酬の控除対象外消費税】令和6年度には補填行わず/薬局補填率91.7%
【2023.12.06配信】厚生労働省は12月6日に中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織(医療機関等における消費税負担に関する分科会)を開き、令和6年度診療報酬改定においては上乗せ点数の見直しは行わないこととした。
関連する投稿
【厚労省_中医協】日薬連、令和7年度の薬価中間年改定「実施する状況にない」
【2024.08.07配信】厚生労働省は8月7日、中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会を開催。関係業界からの意見聴取を行った。
【2024.06.14配信】厚生労働省は6月14日、中央社会保険医療協議会(中医協)診療報酬調査専門組織(入院・外来医療等の調査・評価分科会)を開催した。その中で賃上げにかかる調査・検証について把握方法を提示した。
【2024.06.12配信】厚生労働省は6月12日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、マイナンバーカードの保険証利用の利用実態等に係る医療機関・薬局へのヒアリングを実施することを了承した。
【厚労省_中医協】薬局の夜間・休日等における医薬品提供体制の状況調査へ/令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の実施
【2024.06.12配信】厚生労働省は6月12日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。
【厚労省_中医協】敷地内薬局、今後は総会で議論/今後の検討の進め方を了承
【2024.05.15配信】厚生労働省は5月15日、中央社会保険医療協議会(中医協) 総会を開催した。
最新の投稿
【電子処方箋推進会議】導入予定の公立病院名を公表/面的広がりに期待
【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。
【電子処方箋推進会議】日薬「薬局では従来以上の業務負荷」/診療報酬の検討も要望
【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。
【電子処方箋推進会議】電子処方箋に“一本化”の取り組みも報告/石川県「松任石川中央病院」
【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。
【調剤医療費の伸び】日薬森副会長「処方箋単価は薬剤料減少、中間年改定は慎重に」/中医協
【2024.09.11配信】厚生労働省は9月11日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催した。この中で、令和5年度医療費動向について議論した。
【全薬工業】防災士と「危機備えバッグ・ポーチ」をコラボ開発/かぜ薬ブランド“ジキニン”で
【2024.09.10配信】全薬工業株式会社 (本社:東京都文京区 代表取締役社長 橋本弘一氏)は、同社かぜ薬ブランド“ジキニン”で、「危機備えバッグ・ポーチ」を開発した。同社は、2022年から、生活者の暮らしにゆとりをうむことを目的とした“ゆとりうむプロジェクト”(https://yutorium.jp/)とともに、「かぜ備えプロジェクト」を展開している。今年はその第3弾として、「危機備え」習慣を発表。具体的なコンテンツとして、ゆとりうむプロジェクト理事・料理研究家・防災士である島本美由紀氏とともに、日常のピンチに対応する「危機備えバッグ・ポーチ」を開発した。