東京都では11月14日に薬事審議会を開催し、薬剤師確保策などについて協議していた。
東京都では全体として指標をみると薬剤師不足の状況にはなっていないが、島しょや地域によっては病院薬剤師が不足していることが課題となっており、審議会では病院薬剤師の魅力を伝えられるような取り組みを計画し、了承されていた。
薬務課長の中島真弓氏は、予算が通れば令和6年度から実施することになるとの見通しを示した上で、「例えば多摩地区の中小病院や療養病床などでは薬剤師を募集してもいっこうに採用ができないといったお声をいただいている。そういった不足しているところに対して就職相談会を行うことで、就職につなげられれば」と述べた。
薬学生の少ない地域では高校生へ薬剤師の魅力を伝える取り組みなどもみられるが、東京では薬学部が一定数あり、薬学生の数自体は問題がないことから、「不足実態のあるところ」へ、比較的「即効性のある」、取組みを行う姿勢がみえる。

【東京都】薬剤師確保策、多摩地区の療養病床などの薬剤部と薬学生の就職相談会実施
【2023.11.29配信】東京都保健医療局薬務課は11月29日に定例会見を開き、薬剤師確保策として病院薬剤部と薬学生との就職相談会などを実施していく方針を示した。
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