【河野太郎規制改革相】“濫用”成分含有薬の必要性も含めて議論する意向示す

【河野太郎規制改革相】“濫用”成分含有薬の必要性も含めて議論する意向示す

【2023.11.16配信】河野太郎規制改革担当相は11月16日に規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG)に出席し、濫用のおそれのある医薬品成分を含有した総合感冒薬について、必要性も含めて指摘する意見が出たことに対し、議論を進める意向を示した。


 同日のWGでは濫用のおそれのある医薬品の販売方法などについて議論されていた。

 この中で津川友介WG委員が、販売の方法だけでなく、濫用のおそれのある医薬品成分を含有する総合感冒薬の必要性について疑問を呈した。「濫用のおそれのある医薬品の議論をみていると、いわゆる風邪の薬が多く含まれている。そもそも大前提として風邪の症状を軽減する効果しかない。医学的には販売しなくても何の問題もなく健康被害は起きない。症状コントロールに意味があるのかについても議論のあるところ」と指摘。その上で「風邪薬を否定するわけではないが、その含有成分が濫用の元になっているのであれば否定すべきはその成分であって、そもそも必要なのかというところから議論してほしい」と述べた。

 この意見に対しては高山義浩委員も同調。「内科医の立場としては津川氏の意見は大事な指摘。濫用のリスクのある風邪薬が本当に必要なのかということはとても重要」と指摘。医学会や薬学会などから見解を出していく必要性についても指摘した。

 こうした議論を受けて、河野大臣は、「津川委員から指摘のあった風邪薬の問題については行政改革としても必要なことだと思いますので、津川先生から厚労省、行革も含めてうかがっていろいろ議論を詰めていきたいと思っている」と述べた。

 厚労省は濫用のおそれのある医薬品については適正に使用することが重要との立場。厚労省の吉田易範審議官は濫用のおそれのある医薬品成分を含む総合感冒薬について、「適切に使えば意味のあるもの」と述べた。

この記事のライター

最新の投稿


【日本薬剤師会】財政審の改革提言に反論、「薬局増えても調剤報酬増えない」

【日本薬剤師会】財政審の改革提言に反論、「薬局増えても調剤報酬増えない」

【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に会見を開いた。この中で、同日公表された財政制度等審議会(財政審)財政制度分科会の提言に対し反論した。


【日本薬剤師会】岩月会長が敷地内薬局めぐる議論にコメント

【日本薬剤師会】岩月会長が敷地内薬局めぐる議論にコメント

【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に定例会見を開いた。その中で、岩月進会長が中医協での敷地内薬局をめぐる議論に対してコメントした。


【石川県薬剤師会】モバイルファーマシー「お披露目式」/スターリンクを搭載でDX対応

【石川県薬剤師会】モバイルファーマシー「お披露目式」/スターリンクを搭載でDX対応

【2025.10.31配信】石川県薬剤師会は10月31日、モバイルファーマシーお披露目式を開催した。


【東京都・厚労省】11月24日に「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」

【東京都・厚労省】11月24日に「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」

【2025.10.29配信】東京都薬務課は10月29日に定例会見を開き、令和7年11月24日(月曜日・祝日)13時30分から15時45分まで、令和7年度「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」を開催することを説明した。今年は2年に一度の厚労省との共催年で、広い層に関心を持ってもらうため、多彩なタレントを招聘している。


【東京都薬務課】試買で指定薬物検出/前年9品目増の11物品から

【東京都薬務課】試買で指定薬物検出/前年9品目増の11物品から

【2025.10.29配信】東京都薬務課は10月29日、定例会見を開き、試買検査によって11物品から危険ドラッグを検出したことを説明した。9月29日に公表済み。前回公表の昨年11月の検査結果では2物品からの検出であり、薬務課では「11物品からの検出は多く驚いている」としている。今回の結果を受け、今後の試買を適切に行っていく方針。


ランキング


>>総合人気ランキング