センターでは、小さい子どもは熱を出したり、保育園などの集団生活の中でかぜなどの感染症をもらってくるため、医療機関にかかる回数は多く、自ずと処方薬をもらう機会が大人に比べて多くなると指摘。そうした中、その親たちはどれぐらい薬に対して関心を持っているのか、特にかぜをひいた子どもの具合が悪い時には、どのようにしたいと思っているのかを軸に「抗菌薬(抗生物質)に関する調査」を行ったとする。今回は、かぜ症状で医療機関を受診する場合の対処方法や処方された薬について聞いている。
調査方法はインターネット調査で、全国の20歳-59歳の小学生未満(0歳-5歳)の子どもの親を対象とした。有効回答数は500サンプル。調査実施日は2023年6月16日〜6月19日。
その結果、「子どもがかぜをひいたら、抗菌薬をのませたいと思いますか」との設問には、44.4%の人が飲ませたいと思っていることが判明。理由としては、「早く治りそうだから」などがあがった。
そのほか、余った抗菌薬を取っておいたことがある人は半数近くいた。そのうち、6割以上が別の機会に子どもに服用させていた。
さらには、7割近くの人が「抗菌薬はウイルスをやっつける」と誤った認識をしていたという。
センターでは、昨今、話題となっている抗菌薬が効かない「薬剤耐性(AMR)」が起こる要因の一つに、抗菌薬の不適切な使用があげられていると説明。抗菌薬を正しく使用するための第一歩として、子どもにのませる薬を正しく理解することが重要とメッセージを送っている。
【抗菌薬】4割の親が「かぜの時に子どもに飲ませたい」/AMR臨床リファレンスセンター調べ
【2023.08.28配信】AMR臨床リファレンスセンターは2023年6月に、全国の20歳〜59歳の未就学児の親を対象とした「抗菌薬(抗生物質)に関する調査」を実施。今回は、かぜ症状で医療機関を受診する場合の対処方法や処方された薬について、抗菌薬を中心に調査した。その結果、子どもがかぜをひいた時、抗菌薬をのませたいかどうかを聞いたところ、44.4%の方が飲ませたいと思っていることが判明。抗菌薬はかぜを治す薬ではないとして、センターでは親の誤った知識が抗菌薬の不適切な服用につながる可能性があると指摘している。センターは厚生労働省委託事業として、薬剤耐性(AMR)対策アクションプランに基づく取り組みを推進するために設立されている。
関連する投稿
【抗菌薬使用量調査】2022年は昨年比ほぼ横ばい/2013年比では31.5%減少
【2023.03.06配信】AMR臨床リファレンスセンターは3月6日、2022年の「全国抗菌薬販売量調査データ」を公開した。2022年は、2013年比では31.5%減少したものの、昨年比ではほぼ横ばいだった。
最新の投稿
【薬機法改正】「指定濫用防止医薬品」にデキストロメトルファンとジフェンヒドラミン/調査会方針
【2025.11.11配信】厚生労働省は11月11日、「令和7年度第8回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開き、改正薬機法に定めた「指定濫用防止医薬品」としてデキストロメトルファンとジフェンヒドラミンを指定する方針を了承した。
【2025.11.09配信】薬局団体連絡協議会(薬団連)は11月9日に「第7回シンポジウム」を開き、「OTC類似薬」をテーマに取り上げた。参画団体共通の声明については今後の課題として、今回は策定・公表はしていない。
【東京都薬剤師会】市販緊急避妊薬の「産婦人科医等との連携リスト」関与の方針
【2025.11.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は11月7日に定例会見を開いた。その中で、市販化の見通しとなった緊急避妊薬の販売条件となる「産婦人科医等との連携体制」のリストについて、都薬としても関与していく方針を示した。
【東京都薬剤師会】改定議論、「大手に誤解進むのは怖い」/髙橋正夫会長
【2025.11.07配信】東京都薬剤師会は11月7日に定例会見を開いた。この中で髙橋正夫会長は、調剤報酬改定の議論に触れ、「大手の方々に誤解進むのは怖い」と話した。
【日本薬剤師会】財政審の改革提言に反論、「薬局増えても調剤報酬増えない」
【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に会見を開いた。この中で、同日公表された財政制度等審議会(財政審)財政制度分科会の提言に対し反論した。