【大幸薬品】クレベリン表示で消費者庁から課徴金6億円の納付命令

【大幸薬品】クレベリン表示で消費者庁から課徴金6億円の納付命令

【2023.04.11配信】消費者庁は4月11日、大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について公表した。「クレベリン」の表示に関して、6億744万円の課徴金の支払いを命じた。


 消費者庁は、大幸薬品株式会社に対し、同社が供給する「クレベリン 置き型 60g」及び「クレベリン 置き型 150g」と称する商品、「クレベリン スティック ペンタイプ」と称する商品、「クレベリン スティック フックタイプ」と称する商品、「クレベリン スプレー」と称する商品並びに「クレベリン ミニスプレー」と称する商品の各商品に係る表示について、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令(別添参照)を発出した。

 消費者庁公表の内容は以下の通り。
1 違反行為者の概要
・名 称 大幸薬品株式会社(法人番号 2120901007344)
・所 在 地 大阪府吹田市内本町三丁目34番14号
・代 表 者 代表取締役 柴田 高氏
・設立年月 昭和21年11月
・資 本 金 12億161万6880円(令和5年3月現在)

2 課徴金納付命令の概要

⑴ 課徴金対象行為(違反行為)に係る商品
アないしオの各商品(以下「本件5商品」という。)
ア 「クレベリン 置き型 60g」及び「クレベリン 置き型 150g」と称する商品(以下これらを併せて「本件商品①」という。)
イ 「クレベリン スティック ペンタイプ」と称する商品(以下「本件商品②」という。)
ウ 「クレベリン スティック フックタイプ」と称する商品(以下「本件商品③」という。)
エ 「クレベリン スプレー」と称する商品(以下「本件商品④」という。)
オ 「クレベリン ミニスプレー」と称する商品(以下「本件商品⑤」という。)

⑵ 課徴金対象行為
ア 表示媒体
(ア) 商品パッケージ
(イ) 「TAIKO」と称する自社ウェブサイト(以下「自社ウェブサイト」という。)
(ウ) 地上波放送を通じて放送したテレビコマーシャル(以下「テレビコマーシャル」という。)
(エ) 「YouTube」と称する動画共有サービスにおける動画広告(以下「動画広告」という。)
イ 課徴金対象行為をした期間
別表1「課徴金対象行為をした期間」欄記載の期間
ウ 表示内容(別紙1ないし別紙12)
例えば、「クレベリン 置き型 60g」について、平成30年9月13日から令和4年4月21日までの間、商品パッケージにおいて、「空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去※」、「用途 空間のウイルス除去・除菌・消臭にご使用いただけます。」等と表示するなど、別表2「対象商品」欄記載の商品について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体・表示箇所」欄記載の表示媒体・表示箇所において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、同表「使用方法」欄記載のとおり本件5商品を使用すれば、本件5商品から発生する二酸化塩素の作用により、同表「場所」欄記載の場所において、室内空間に浮遊するウイルス又は菌が除去又は除菌される効果等の同表「効果」欄記載のとおりの効果が得られるかのように示す表示をしていた。
エ 実際
前記ウの表示について、消費者庁は、それぞれ、景品表示法第8条第3項の規定に基づき、大幸薬品に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出された。しかし、当該資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。
 なお、前記ウの表示について、例えば、「クレベリン 置き型 60g」について、平成30年9月13日から令和4年4月21日までの間、商品パッケージにおいて、「◎ご利用環境により成分の広がりは異なります。」、「◎ウイルス・菌・カビ・ニオイのすべてを除去できるものではありません。」及び「※当社試験 閉鎖空間で二酸化塩素により特定の『浮遊ウイルス・浮遊菌』の除去を確認。」と表示するなど、別表3「対象商品」欄記載の商品について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体・表示箇所」欄記載の表示媒体・表示箇所において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示していたが、当該表示は、一般消費者が前記ウの表示から受ける本件5商品の効果に関する認識を打ち消すものではない。

⑶ 課徴金対象期間
別表1「課徴金対象期間」欄記載の期間

⑷ 景品表示法第8条第1項ただし書に該当しない理由
大幸薬品は、本件5商品の各商品について、前記⑵ウの表示の裏付けとなる根拠を十分に確認することなく、前記⑵の課徴金対象行為をしていた。

⑸ 命令の概要(課徴金の額)
大幸薬品は、令和5年11月13日までに、別表1「課徴金額」欄記載の額を合計した6億744万円を支払わなければならない。

 大幸薬品はホームページで、今回の消費者庁からの課徴金納付命令についてコメントを公表。「この度は、お客様をはじめとする関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、改めまして深くお詫び申し上げます」とした上で、「景品表示法に関する考え方につきまして、役員・従業員への周知徹底、広告表示等審査方針の改訂も含めた広告審査体制強化を行い、再発防止に努めております。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます」としている。

 一方、今回の納付命令は、令和4年1月20日及び同年4月15日付け措置命令に続く課徴金納付命令であり、新たに措置命令を受けたものではないともしている。また、措置命令を受けた商品については、景品表示法上問題がない表示に変更して販売を再開していることも付記している。
■対象商品:
『クレベリン 置き型』60g、『クレベリン 置き型』150g、『クレベリン スプレー』、『クレベリン ミニスプレー』、『クレベリン スティック ペンタイプ』、『クレベリン スティック フックタイプ』

 同社「クレベリン広告表示に関するQ&A」のページは以下。
https://www.seirogan.co.jp/contact/faq/cleverinfaq/

この記事のライター

最新の投稿


【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【2025.05.01配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ(第5回)」が5月1日、開催された。その中で令和7年3月14日に開催された「第2回健康・医療・介護 WG」に関する委員・専門委員からの追加質疑・意見に対する厚生労働省の回答を公表した。


【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【2025.04.30配信】東京都薬務課は4月30日に定例会見を開き、都が毎年行っている健康食品試買調査の結果を説明した。124製品中、98製品、79%に不適正な表示、広告が発見されたという。医薬品的な効能効果の標榜を禁止している薬機法違反も多いが、景品表示法、食品表示法、特定商取引法などの違反も見られる、都では複数の法律で規制されている健康食品を取り扱う事業者に向けて講習会を開いており、講習会参加なども生かして法令遵守に取り組んでほしいとしている。


【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について

【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について

【2025.04.28配信】厚生労働省は4月25日、診療報酬改定についての「疑義解釈(その24)」を発出した。「医療DX推進体制整備加算」の施設基準の1つであるマイナ保険証利用率について回答。4月については在宅患者を分母から引いて構わないとしている。現在は通常の外来患者がマイナ保険証を利用した場合のみが反映されているため。5月以降については、居宅同意取得型のオンライン資格確認によるマイナ保険証利用件数が社会保険診療報酬支払基金から通 知するマイナ保険証利用率集計に含まれる予定。


【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼

【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼

【2025.04.26配信】日本薬剤師会は電子おくすり手帳簡易ビューワーアプリ「e薬 SCAN」について、他職種への周知依頼を都道府県薬剤師会宛てに発出した。


【財政審】 後発薬調剤体制加算等、政策目標の達成状況を踏まえ「必要に応じ報酬体系の再編を」

【財政審】 後発薬調剤体制加算等、政策目標の達成状況を踏まえ「必要に応じ報酬体系の再編を」

【2025.04.23配信】財務省は4月23日に財政制度等審議会「財政制度分科会」を開催した。


ランキング


>>総合人気ランキング