【ウエルシアHD】新中計公表/26年2月期に売上30%増の1兆5000億円目標/調剤売上構成比25%目指す

【ウエルシアHD】新中計公表/26年2月期に売上30%増の1兆5000億円目標/調剤売上構成比25%目指す

【2023.04.10配信】ウエルシアホールディングスは4月10日、2023年2月期(2022年3月1日~2023年2月28日)の決算説明会を開催。足下の決算概況のほか、新中期経営計画を公表した。


 新中期経営計画では2026年2月期に連結売上高1兆5000億円(2023年2⽉期1兆1442億円と比較して+31.1%)、経常利益率5.0 %(2023年2⽉期4.6 %)、ROE15.0 %以上(2023年2⽉期12.7 %)、EBITDA成⻑率(3ヶ年平均)2桁成⻑(21年2期〜23年2期8.8 %)を掲げた。

 2023年2月期までの中計に比べて、アセアン地域への進出など、グローバル戦略が強調されている内容となった。
 2023年2月期までの中計では新規出店、調剤併設率74.7%、自動発注システム70%などのデジタル活用店舗業務、PBのSKU数拡大などを挙げていた。
 2026年2月機までとなる新中計では、「既存事業の進化と深化」として出店や調剤併設推進、介護事業などの積極展開を掲げる。調剤事業では調剤売上構成比25%(2023年2月期19.9%)、調剤併設率80%(2023年2月期74.7%)を目指す。
 「M&Aの推進」や顧客サービス開発などの「デジタル化への対応」、Welcia-BHG(シンガポール)の出店拡大やアセアン地域への出店など「海外事業の拡大」を掲げた。アセアン地域の出店ではベトナムやインドネシアも視野に入れる。

 なお、2023年2月期連結業績は、売上高1兆1442億7800万円(前期比+11.5%)、営業利益456億3500万円(同+6.1%)、経常利益521億4900万円(同+9.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益270億3000万円(同+2.2%)と、増収増益だった。

 マスクや抗原検査キット等の新型コロナ感染症対策関連商品やPCR等検査事業に対する需要が拡大。外出機会の増加を受けた化粧品や、各国の行動規制緩和を受けたインバウンド需要に回復の兆しが見られているとする。
 物販部門では自宅療養者向けに総合感冒薬等の医薬品の販売が増加。調剤部門では、厳しい報酬改定の影響があったものの、調剤併設店舗数の増加(当連結会計年度末2024店舗)や、コロナ禍の受診抑制の影響が大きくなかったことなどの要因から、処方箋受付枚数が増加した。
 販売費については、燃料価格の高騰を受けて水道光熱費が大幅に増加したものの、自働発注の推進による店舗業務の効率化を進め、店舗人時数の管理等により、人件費をはじめとする経費適正化に努めたとする。
 
 店舗については、2022年6月1日付で株式会社コクミン(162店舗)及び株式会社フレンチ(3店舗)を、2022年12月1日付で株式会社ふく薬品(25店舗)を株式取得により子会社化。また、グループ全体で140店舗の出店と36店舗の閉店を実施し、期末のグループの店舗数は2763店舗となった。

 終わった期の調剤事業は、2281億600万円。前期比 114.5%、売上構成比19.9%。
 調剤実施店舗数は2019、調剤併設率は74.7%としている。
 調剤事業の粗利率は38.7%となり、前期比0.8ポイントのマイナスとなった。
 処方箋単価は10,539円。

この記事のライター

関連するキーワード


ウエルシアホールディングス

関連する投稿


【ウエルシアHD】池野隆光代表取締役が退任

【ウエルシアHD】池野隆光代表取締役が退任

【2025.04.18配信】ウエルシアホールディングス株式会社は4月18日、代表取締役の異動(退任)に関するお知らせを公表した。


【ウエルシアHD】調剤粗利、0.1ポイント減の37.7%/2025年2月期

【ウエルシアHD】調剤粗利、0.1ポイント減の37.7%/2025年2月期

【2025.04.14配信】ウエルシアホールディングスは4月14日、2025年2月期の決算説明会を開催した。


【ウエルシアHD】ププレひまわりの社長に畑和彦氏(現・ウエルシアHD執行役員)

【ウエルシアHD】ププレひまわりの社長に畑和彦氏(現・ウエルシアHD執行役員)

【2025.02.25配信】ウエルシアホールディングスは2月21日、同社連結子会社の株式会社ププレひまわりが同日開催の臨時株主総会および取締役会において、代表取締役の異動を決議したと公表した。


【ウエルシアHD】とをしや薬局(長野県)がグループ入り

【ウエルシアHD】とをしや薬局(長野県)がグループ入り

【2024.06.03配信】ウエルシアホールディングスは6月3日、株式会社とをしや薬局がウエルシアグループの一員に参加したと公表した。


【ウエルシアHD】桐澤英明執行役員が社長に就任へ

【ウエルシアHD】桐澤英明執行役員が社長に就任へ

【2024.05.21配信】ウエルシアホールディングスは5月21日開催の取締役会において、代表取締役等の人事案について内定した。5月28日に開催予定の定時株主総会後の取締役会にて正式決定する。


最新の投稿


【日薬】森副会長「基本料1の議論、手をつけること考えていない」

【日薬】森副会長「基本料1の議論、手をつけること考えていない」

【2025.12.03配信】日本薬剤師会は12月3日に定例会見を開いた。その場で中医協委員である副会長の森昌平氏は調剤基本料1を取り上げた議論に対して、日薬としては「対応は全く考えていない」と言及した。


【日薬】調剤報酬改定、「まずは薬局の維持を」

【日薬】調剤報酬改定、「まずは薬局の維持を」

【2025.12.03配信】日本薬剤師会(日薬)は12月3日に定例会見を開き、中医協での調剤報酬改定の議論について言及した。


【中医協】日薬、「5店舗以下」薬局法人の経営苦境を主張

【中医協】日薬、「5店舗以下」薬局法人の経営苦境を主張

【2025.12.03配信】厚生労働省は12月3日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催。各号委員から過日公表された医療経済実態調査(実調)の結果に対する見解が述べられ、日本薬剤師会は5店舗以下の薬局法人の経営が苦境にあることを主張した。


【薬価乖離率】令和7年度は4.8%/厚労省・薬価調査の速報値

【薬価乖離率】令和7年度は4.8%/厚労省・薬価調査の速報値

【2025.12.03配信】厚生労働省は12月3日、薬価調査結果の速報値を公表した。令和7年度は約4.8%だった。前回(令和6年度)の5.2%から0.4ポイント圧縮した。


【補正予算_閣議決定】薬局は最大23万円を支援/医療・介護等支援パッケージで

【補正予算_閣議決定】薬局は最大23万円を支援/医療・介護等支援パッケージで

【2025.11.28配信】政府は11月28日、2025年度補正予算案を閣議決定した。厚生労働省は「医療・介護等支援パッケージ」のうち、賃上げ・物価上昇に対する支援 として、5341億円(賃上げ1,536億円・物価上昇3,805億円)を計上。薬局には最大23万円を支援する。


ランキング


>>総合人気ランキング