【ウエルシア薬局】埼玉県秩父市中津川地内での災害対応ドローン定期配送プロジェクト完了

【ウエルシア薬局】埼玉県秩父市中津川地内での災害対応ドローン定期配送プロジェクト完了

【2023.04.06配信】ゼンリンは4月5日、ドローンによる物資の定期配送について、3月30日を最終便として、プロジェクトの予定期間の配送を完了したと公表した。このプロジェクトはゼンリンのほか秩父市やKDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社が主導。株式会社エアロネクスト、生活協同組合コープみらい、株式会社ちちぶ観光機構、ウエルシア薬局株式会社が協力した。土砂崩落の影響が続く秩父市中津川地内で、2023年1月26日(木)から「&(アンド)プロジェクト」として実施していたもの。合計28フライト、総重量約100㎏の物資を配送したという。災害などの有事において、ドローンによる物資の定期配送を行った全国で初めての事例としている。


着陸地点に技術者を配置せず東京都内から遠隔操作も実施/荷物の受け取りは中津川区長1名で対応

 プロジェクトでは、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」を活用することで、地形の特性などにより従来モバイル通信が不安定であった環境下においても、モバイル通信を用いたドローンの運航が実現できることを確認した。

 3月2日(木)の配送からは、目視内での自動飛行で行う「レベル2」から、無人地帯での目視外飛行を行う「レベル3」での配送に移行。さらに、着陸地点に技術者を配置せず、東京都内から遠隔操作を実施。荷物の受け取りを中津川区長1名で対応した。

 中津川地区の住民からは「週1回の定期配送が楽しみの1つとなり、不安な気持ちが和らぎ、心のよりどころにもなっていた」といった声が出たという。プロジェクトでは「冬季期間の住民に、より日常に近い生活環境づくりに寄与することができた」と総括している。

 今後の展望としては、今回の取り組みで得られた運用ノウハウをもとに有事の際や、通信環境・生活交通・物流など生活インフラの維持に課題を抱える中山間地域に向けて、安定したドローン配送を実現可能とするソリューションの構築を検討していく方針。

 秩父市(秩父市長 北堀篤氏)は次のようにコメントしている。

「&プロジェクト」の発足以降、多くの会議や現地確認での議論を重ね、LTE環境の芳しくない地域でのドローン配送について、Starlinkを使って実現でき、山間地域におけるドローン配送の新たな境地に立てたことは感慨深いです。また、極寒の時期に精神的に落ち込んでいた孤立状態の住民を物心両面で支えてくださった連携事業者のご尽力に感謝すると共に、「&プロジェクト」での取り組みが更に進化しながら全国各地に展開されることを期待しています。


 併せてゼンリン社(スマートシティ推進部 部長 深田雅之氏)は次のようにコメント。

今回は、環境要因による技術課題が山積する中でのチャレンジとなりましたが、事故なく安全に定期配送を完遂することができました。ゼンリンは、ドローンの安全な飛行を支援する「空の道」の構築を通じて、今後も山間地の持続可能なまちづくりに取り組んでいきます。


 KDDI(事業創造本部 LX基盤推進部長 泉川 晴紀氏)は次のようにコメント。

 このエリアは電波が届きにくく、ドローンによる定期配送が実現困難であったため、モバイル通信環境の早急な改善が重要なミッションでした。今回秩父市様をはじめとした関係各者のご協力もあり、Starlinkを活用した通信環境の改善を短期間で実現することができ、地域でお困りの方々に安心で便利な暮らしをお届けすることができました。今度も、どんな時でもつながる通信環境の提供に取り組んでいきます。


 KDDIスマートドローン社(代表取締役社長 博野 雅文氏)は次のようにコメント。

 今回のプロジェクトは、実際の災害現場への導入という観点からも、当社にとっても非常にチャレンジングなプロジェクトでした。無事完遂できたことは当社にとって大きな財産となりました。秩父市様をはじめ、ご協力を頂いた関係者の方に感謝すると共に、この経験を活かし、今後もモバイル通信を用いて、安心・安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現する様々なサービスを実現し、お客様や社会の課題解決に積極的に取り組んでいきます。


 住民代表として、中津川区長の山中 新一氏は次のようにコメント。

行政をはじめ、民間企業の皆さんが英知を結集して、通信環境の整っていない山間地域でのドローン配送を実現し、ほぼ孤立状態にあった私たちに希望を与えてくれました。当初、定期的なドローン配送ができるのか半信半疑でしたが、先端技術の素晴らしさを目の当たりし、中津川の住民もみんなで喜んでいました。今後、同様に困難な状況に置かれている全国の他の地域でも、この取り組みが展開されることを期待しています。



 次の配送フローで実施された。
(1)住民は、電話などで事前に商品を注文。
(2)コープみらい・ウエルシア秩父影森店、ファミリーマート道の駅大滝温泉店が、注文商品をピックアップ。
(3)各社トラックで道の駅大滝温泉まで配送。
(4)ちちぶ観光機構が、各社の注文品を個人ボックスごとに箱詰め。
(5)注文商品をドローン離陸地点まで配送。
(6)注文商品をドローンで配送。
(7)中津川地内の区長が注文商品を受け取り、各世帯まで商品を配送。

この記事のライター

関連するキーワード


ドローン

関連する投稿


【ドローンで医薬品配送】オートバックスが大分で実証実験

【ドローンで医薬品配送】オートバックスが大分で実証実験

【2021.02.09配信】オートバックスセブンの子会社エー・ディー・イーが、訪問医療時の突発的な医療品不足の解消による地域医療の負担軽減を目的に、大分県竹田市宮砥地区でドローンによる医薬品配送の実証実験を行った。


最新の投稿


【財政審】門前薬局等立地依存減算「既存薬局も含めた対応」の検討提案

【財政審】門前薬局等立地依存減算「既存薬局も含めた対応」の検討提案

【2026.04.28配信】財務省は4月28日に財政制度等審議会「財政制度分科会」を開いた。


【財政審】薬局の“小規模分散”の問題指摘/中医協「調剤その2」の資料引用

【財政審】薬局の“小規模分散”の問題指摘/中医協「調剤その2」の資料引用

【2026.04.23配信】財務省は4月23日、財政制度等審議会「財政制度分科会」を開き、「財政各論」の資料を提示した。この中で薬局について、昨年の中央社会保険医療協議会(中医協)の資料「調剤その2」の資料も引用しつつ、“小規模分散”の問題を指摘した。小規模分散の体制は、対人業務の充実や安定的な医薬品供給の観点から問題があるとした。


【令和8年度調剤報酬改定】施設基準届出チェック/6月1日期限は11項目

【令和8年度調剤報酬改定】施設基準届出チェック/6月1日期限は11項目

【2026.04.21配信】厚生労働省は4月20日、「令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリスト」を発出した。令和8年6月1日が届出期限となっているのは11項目。


【東京都】健康食品試買調査で6製品から医薬品成分/医師・薬剤師への相談啓発

【東京都】健康食品試買調査で6製品から医薬品成分/医師・薬剤師への相談啓発

【2026.04.21配信】東京都は3月23日に「令和7年度健康食品試買調査結果」を公表した。都が購入した健康食品の94%(125製品中118製品)に不適正な表示、広告を発見した。都では健康食品の利用について医師や薬剤師に伝えてほしいと訴えている。


注目集まる日薬の生涯学習「JPALS」/服用薬剤調整支援2の算定要件で

注目集まる日薬の生涯学習「JPALS」/服用薬剤調整支援2の算定要件で

【2026.04.20配信】日本薬剤師会(日薬)が2012年から直接手掛けている生涯学習支援システム「JPALS」(ジェイパルス)をご存知だろうか。令和8年度調剤報酬改定で見直された「服用薬剤調整支援料2」の算定要件に関連することになったことで、最近、改めて注目が集まっている。


ランキング


>>総合人気ランキング