民間議員の提案では、社会保障領域における課題として、成長と分配の好循環実現には家計可処分所得の拡大が不可欠であり、更なる踏み込んだ社会保障制度改革を通じた現役世代の社会保険料負担の上昇抑制が重要だと指摘。その対応として、医療・介護等の社会保険制度の中の改革徹底と同時に、医療・介護分野の成長力強化という社会保険制度の外の改革にも取り組んでいくことが必要であると指摘している。
今後の医療・介護需要の増大、緊急事態対応への備えといった大きな変化を乗り越えるために、医療・介護の提供体制の構造を強化やデータを活用した地域医療構想の実現、地域包括ケアシステムの深化、医療・介護資源の最適配分の実現も訴えている。
「医療・介護分野でのイノベーションを生み出す規制・制度整備」に紙幅を割き、「ヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)」を進める必要性を記載。
HXを推進する上では、電子カルテ標準化や医療・介護全般の情報を共有する「全国医療情報プラットフォーム」の創設は不可欠な基盤とした。同時に、民間事業者がイノベーションのためにデータを円滑に二次利用できるよう、現行の
規制を見直すべきともした。具体的には、プラットフォーム等にある幅広い個人情報を、研究開発に適した形で匿名化した上で、その扱いについて事前規制(二次利用に関する本人同意原則)から事後規制(事務負担の少ない形でのオプトアウト)とする等の制度整備を行うべきと提案。
医療・健康アプリ(SaMD5)をはじめとして医療機器の社会実装を促進も重要とし、迅速な各種規制の見直しを求めている。

【経済財政諮問会議】DXに続いて“HX”登場/民間議員提唱
【2022.12.02配信】12月1日に開かれた経済財政諮問会議で、民間議員は社会保障における「経済・財政一体改革における重点課題」を提起した。その中で、医療・介護分野におけるDX推進に加え、「ヘルスケア・医薬産業の成長力強化」を“HX”として記載し、その推進を提唱した。
関連する投稿
【経済財政諮問会議】「令和5年度予算編成の基本方針」を答申/DX等への投資や全世代型社会保障の構築明記
【2022.12.02配信】政府は12月1日、第15回経済財政諮問会議を開催し、「令和5年度予算編成の基本方針」を決定した。令和5年度予算編成に当たっては、“令和4年度第2次補正予算と一体として”とし、「経済財政運営と改革の基本方針 2022」に沿って、足元の物価高を克服しつつ、経済再生を実現するとし、DX等への投資や全世代型社会保障の構築を明記した。
【経済財政諮問会議】鈴木財務大臣「建議の方向」に「リフィル処方箋の積極的活用」明記
【2022.05.16配信】政府は5月16日に経済財政諮問会議を開き、「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太方針)の骨子案を公表した。同日の会議では鈴木俊一財務大臣が資料「財政制度等審議会の建議の方向」を提出。この中で「リフィル処方箋の積極的活用」を明記した。
【2022.05.16配信】政府は5月16日、経済財政諮問会議を開き、「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太方針)の骨子案を提示した。
【経済財政諮問会議】「健康寿命延伸」等で“新たなフロンティア”開拓を/有識者議員提出資料
【2022.03.24配信】内閣府は3月23日、「令和4年第3回経済財政諮問会議」を開き、会議資料を公開した。民間有識者は提出資料の中でウクライナ情勢等でリスクが顕在化した場合の迅速なマクロ経済運営の必要性を指摘したほか、医療・健康領域に関わる部分については、「社会保障給付の効率化と負担の増加抑制」や「健康寿命延伸による高齢者の厚生(well-being)向上と就労促進」などを提唱した。健康寿命延伸に関連しては、「可処分所得と国内投資の拡大を同時に追求することにより、脱炭素や健康寿命延伸など我が国の社会課題を解決し、新たなフロンティアを開拓すること」としている。
最新の投稿
【コロナ禍の薬局】時間外に抗原検査キット販売協力/八戸薬剤師会(青森県)の事例/会員146薬局中62薬局が対応
【2023.05.31配信】5類移行となったコロナ。これまでの間、薬剤師会、薬局、薬剤師はどのような活動をしてきたのか。ワクチン接種会場での協力や患者自宅への治療薬のお届けなど、その貢献は数多いが、本稿では八戸薬剤師会の事例から抗原検査キット販売協力への対応を取り上げたい。社会からの要請に応える形で、会員薬局の4割がイレギュラーな営業時間外で販売対応した。
【医療機関起点の処方箋送信アプリやくばと】本庄総合病院(埼玉県)で導入/「FAX分業の機能をより簡便に」
【2023.05.31配信】メドピア株式会社は、医療機関起点の薬局予約サービス「やくばと」について、6月1日から本庄総合病院(埼玉県本庄市)が運用開始すると公表した。「やくばと」については、「従来から設置されている処方箋FAXコーナーが果たしていた機能を、より簡便に使いやすい形で提供する」ものとしている。
【デジタル臨調】管理薬剤師の常駐見直し、「完了済み」/コロナ下のテレワーク許容通知で
【2023.05.30配信】デジタル庁は5月30日に「デジタル臨時行政調査会」を開き、2023年3月までを見直し期限としていたアナログ規制見直しのフォローアップ状況を公表した。薬局に関わる事項としては、「薬局における管理薬剤師の常駐」の見直しがあり、「完了済み」とした。コロナ下のテレワークを許容した通知が発出されていることを受けたもの。
【薬PTPシート回収】実証実験で反響大きく/第一三共HCが中間結果公表/目標の3倍
【2023.05.30配信】第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:吉田勝彦氏)は5月30日、「おくすりシート リサイクルプログラム」実証実験の中間結果を公表した。「おくすりシート」は医薬品包装資材のPTPシートのこと。結果によると、反響が大きく、実施期間の約半分で目標回収量の約3倍を達成したという。
【大木ヘルスケアHD】ヘルスケア商品開発で合弁会社設立/リアルとネットのノウハウ融合
【2023.05.29配信】ヘルスケア卸の大木ヘルスケアホールディングスは5月29日、業界専門紙向けの説明会を開催した。その中でオーイズミ(所在地:神奈川県厚⽊市、代表者:代表取締役社⻑ ⼤泉秀治氏)との間で、合弁会社「株式会社Onff(オンフ)」を設⽴したことについて説明。オーイズミは、グループ⼦会社を通じてオンライン主体で化粧品や健康⾷品の販売を⾏っており、オンラインの流通ノウハウを有するオーイズミ社と、オフラインの流通ノウハウを有する大木ヘルスケアHDの連携によって、価値のある商品開発を手掛けていきたい考え。