【政府の総合経済対策 閣議決定】医療・介護や教育分野のDX等を推進

【政府の総合経済対策 閣議決定】医療・介護や教育分野のDX等を推進

【2022.10.28配信】政府は10月28日、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を閣議決定した。医療分野では、「医療・介護や教育分野のDX等を推進する」と明記した。


 「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」での医療に関わる箇所を抜粋すると以下の通り。

第1章 経済の現状認識と経済対策の基本的考え方
(第3の柱:「新しい資本主義」の加速)
 DXについては、先端半導体の供給力強化や次世代半導体製造技術の技術開発、最先端技術への戦略的投資を推進するとともに、デジタル田園都市国家構想の具体化、マイナンバーカードの普及促進強化及び利便性の向上、医療・介護や教育分野のDX等を推進する。

(第4の柱:国民の安全・安心の確保)
 ウィズコロナの下、できるだけ平時に近い社会経済活動が可能となるよう、医療提供体制の強化や治療薬の開発・実用化など感染症対応の強化を図る。また、激甚化・頻発化する自然災害、インフラの老朽化等から国民の生命と財産を守るため、引き続き、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づく取組を推進するとともに、更なる取組を進めるための次期基本計画の検討を進める。東日本大震災等からの復興、自然災害等からの復旧・復興に引き続き全力で取り組む。加えて、外交・安全保障環境の変化に対応した取組を進めるとともに、重要物資の安定供給への支援や重要技術の開発支援など経済安全保障、海外に依存する生産資材等の代替転換や使用低減、海外依存の高い品目の国内生産・利用拡大等による食料安全保障の強化を図る。さらには、研究開発やインフラ整備において官民連携により総合的に安全保障の強化に寄与する体制を構築する。また、こどもの安全対策などにも取り組む。
 今後への備えとして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や物価高騰に引き続き万全を期すべく、「新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費」を増額する。また、世界的な景気後退懸念が高まる中、ウクライナ情勢その他の国際情勢の変化や大寒波の到来その他の災害に伴い発生しうる経済危機に対し、機動的・弾力的に対応する観点から、「ウクライナ情勢経済緊急対応予備費」(仮称)を創設する。
 これらに基づく本経済対策の裏付けとなる令和4年度第2次補正予算を速やかに編成し、その早期成立に全力を挙げて取り組む。その際、現下の金利状況を活かし、財政投融資の手法を積極的に活用するとともに、規制・制度改革、税制改正といったあらゆる政策手段を活用した総合的な対策とする。あわせて、財政の単年度主義の弊害是正にも取り組む。

 第2章 経済再生に向けた具体的施策

1.ウィズコロナ下での感染症対応の強化
(1)保健医療体制の強化・重点化と雇用・暮らしを守る支援
「感染症法 25上の措置について、高齢者・重症化リスクのある者に対する適切な医療の提供を中心とする考え方に立ち、保健医療体制の強化・重点化を進める。
 都道府県による病床確保や宿泊療養施設の確保、医療人材の確保等の取組を支援する。今後の感染拡大による需要増に備え、PCR検査体制の整備や国による在庫買取りによる抗原定性検査キットの確保といった検査の環境整備を行うとともに、医療用物資の確保・備蓄を進める。
 感染拡大により予期せぬ不足を生じた必要な経費には、引き続き地方創生臨時交付金や予備費の適時適切な執行により、自治体が財政上の不安なく感染症対策を講じられるよう迅速・機動的に対応す
る。
 雇用調整助成金の迅速な支給を継続するとともに、生活困窮者の支援に万全を期す。

 (2)ワクチン等による感染拡大防止と次の感染症危機への備え
 感染拡大防止にとって重要なのはワクチンによる予防である。全国民を対象としたオミクロン株対応ワクチンの接種体制を整備し、接種を加速する。引き続き、学校等の感染拡大防止の取組を進めるとともに、感染拡大防止等の情報発信を行う。
 ウィズコロナの新たな段階への移行に向け、科学的知見に基づきながら、できるだけ平時に近い社会経済活動が可能となるように取り組む。次の感染症危機に備え、法律に基づき、機動的かつ効果的
な緊急時対応が可能となるよう、感染症法等の改正に取り組む。政府の司令塔機能の強化、感染症等に関する新たな専門家組織(いわゆる「日本版CDC」)の創設に取り組む。
 医療上重要な医薬品・医療機器の国内安定供給に向けた取組を推進する。次のパンデミックに備え、ワクチンや有効な治療薬等に関する研究開発を支援する。国際機関等とも連携し、途上国におけるワクチンの普及など、国際協力を推進する。

Ⅳ 防災・減災、国土強靱化の推進、外交・安全保障環境の変化への 対応など、国民の安全・安心の確保
4.外交・安全保障環境の変化への対応
(2)経済安全保障、食料安全保障
 ロシアのウクライナ侵略等、国際情勢が大きく変化し、経済安全保障・食料安全保障等の重要性がこれまでになく高まっている。
 経済安全保障については、量子やAI等の先端的な重要技術に関し、研究開発から実証・実用化に向けた技術開発までを支援する枠組みについて、速やかに 5,000 億円規模とする。また、サプライチェーンの強靱化に向けて、半導体、レアアースを含む重要鉱物、蓄電池、医薬品等の物資について、重要物資を早急に指定し、物資の特性に応じ、生産・供給・備蓄・代替物資の開発等に対する各種の支援策について、基金の設置・活用も行いながら実施する。さらに、海外依存度の高い農産物や肥料の国内生産の拡大等による食料安全保障等の強化を図る。このほか、サイバーセキュリティへの対応能力、インテリジェンス能力を強化する。

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