【日本調剤】「2022年度日本調剤グループ学術大会全国大会」開催/質の高い薬局スタッフの養成目的に

【日本調剤】「2022年度日本調剤グループ学術大会全国大会」開催/質の高い薬局スタッフの養成目的に

【2022.10.17配信】日本調剤株式会社(本社所在地:東京都千代田区丸の内、代表取締役社長:三津原 庸介氏)は、さる9月11日(日)、質の高い薬局スタッフの養成を目的とした「2022年度日本調剤グループ学術大会全国大会」および「JP-CSアワード2022ロールプレイ大賞本選」をパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて同時開催した。学術大会は6度目、ロールプレイ大賞は5度目の開催。


学術大会は「高度薬学・がん関連セッション」と「薬局業務・地域連携セッション」の2会場で

 本年度は、現地開催とオンライン開催を併用したハイブリッド形式で開催した。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点のため、来場者を制限したもの。全国から合わせて約500名の社員が聴講した。

 「2022年度日本調剤グループ学術大会全国大会」は、より多くの職員に学術発表の機会を提供するため、2016年に始まった日本調剤の社内学術大会。日常業務の中で見出した疑問を出発点に数多くの職員が研究発表に挑戦し、知見を共有する機会として、年に1度開催されている。
 新型コロナウイルス感染症の影響で2020年はやむなく中止、2021年は完全オンライン形式での実施という対応になっていたが、今年は十分な感染予防対策を取ったうえで3年ぶりの現地開催となった。

 今年度の大会テーマは、「『頼られる価値を創り出す』~エポックメイキングへの挑戦~」とした。同社では、背景として「薬局認定制度、オンライン活用の推進など新たな取り組みが次々に始まり、薬剤師・薬局に求められる役割や、薬物治療も多様化する時代。それに合わせて、回を重ねるごとに発表者の職種、研究内容も多様化が進んできた」と分析している。
 一般講演では、全国8ブロックでの予選会から選出された全23演題を「高度薬学・がん関連セッション」「薬局業務・地域連携セッション」の2会場に分け、口頭発表と質疑を実施。登壇者の中には新卒2年目の社員も含まれ、若手・ベテラン問わずグループ全体でノウハウの共有と専門性の向上が図られたとしている。

 社長賞は新卒2年目の薬剤師による発表が受賞。オリジナルのコミュニケーションシートを用いて患者から情報収集を行い、より適切な薬物治療につなげた事例について報告された。

 一般講演のほか、薬剤師育成や教育を主なテーマとする基調講演と特別講演も行われた。
 基調講演はシンポジウムの形をとり、小児科領域の薬物治療に関する高い専門性を持った薬剤師を育成するための課題について、日本薬剤師研修センターが認定する小児薬物療法認定薬剤師の資格を持った社員の経験談を交えながらディスカッションを行った。

社長賞を受賞した、新卒2年目の薬剤師による発表の様子。オリジナルのコミュニケーションシートを用いて患者から情報収集を行い、より適切な薬物治療につなげた事例について報告された


 また特別講演では同社FINDAT事業部部長・上田 彩氏が登壇し、「医療における意思決定に必要な医薬品情報」をテーマに講演を行った。2024年度に改訂される、新たな薬学教育モデル・コア・カリキュラムの内容に触れながら、チーム医療の中で薬剤師の職能をさらに発揮し、質の高い薬物治療を提供するために、エビデンスに基づいた医薬品情報の重要性が高まっていることについて解説した。

「JP-CSアワード2022ロールプレイ大賞本選」も併催

 同社は2008年から毎年、社内表彰制度「JP-CSアワード」を開催。「JP-CSアワード」には、患者満足度アンケートをもとに質の高いサービスを提供している店舗および店舗スタッフをたたえる「店舗表彰(BPB)」と「個人表彰(BSH)」を設けている。2017年からは舞台上で模擬患者を相手に接客ロールプレイを披露する「ロールプレイ大賞」を加え、3本立ての表彰を行っている。
 今年は全国の予選会を勝ち抜いた18名が「薬剤師・登録販売者部門」「オペレーター・管理栄養士部門」に分かれてその応対スキルを競い合った。

 ロールプレイ大賞では、舞台上に薬局店内を再現し、制限時間7分の中で、患者の来局からOTC医薬品・化粧品・サプリメントの販売、健康相談、見送りまでのロールプレイを行う。
 会場、そして配信用カメラの先にも大勢の観客がいるという普段とは大きく違う環境で出場者たちの緊張も見られたが、同じ店舗で働くスタッフからの応援ビデオメッセージによって、和らいだ様子になり、日頃の業務で培った接遇スキルを存分に発揮していたという。

 同大会のテーマである「絆を深める、未来につながる~専門知識を持った医療コンシェルジュ~」に準じ、OTC医薬品・健康食品の提案に限らず、食事指導や運動指導なども含め幅広い選択肢の中から最も目の前の患者に適した提案ができているかに着目して審査が行われた。

 すべての演題・ロールプレイ終了後、審査員による厳正なる審査に加え、学術大会では各部門「社長賞」と「オーディエンス賞」1名ずつ、ロールプレイ大賞では各部門「最優秀賞」「優秀賞」1名ずつに加え全出場者の中から「オーディエンス賞」1名が選出された。

 同社では、「薬局スタッフが互いに専門性を磨き合い、さらなるレベルアップを図るとともに、今後の地域医療に貢献できる人材育成に注力していく」としている。

「JP-CSアワード2022ロールプレイ大賞本選」も併催

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