【薬剤師有志が新しい団体立ち上げ】「SRHR pharmacy PROject」/SRHRと薬局との関わり模索

【薬剤師有志が新しい団体立ち上げ】「SRHR pharmacy PROject」/SRHRと薬局との関わり模索

【2022.09.13配信】SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、性と生殖に関する健康と権利)に関して精力的に活動してきた薬剤師・鈴木怜那氏(OGP薬局荒川店、東京都台東区)が新しい団体を立ち上げる。「SRHR pharmacy PROject」で、現在、一般社団法人として申請中。SRHRと薬局との関わりを模索することで、「みんなのくらしにSRHRが溶け込む世界をつくる」を理念に活動していく方針。10月2日にはキックオフイベントをオンラインで開催。誰でも参加できる。勉強会や交流会、多職種の専門家を講師に招いた講演会を定期的に開催し、“薬剤師がSRHRに関して自分になにができるかを考える場”を作りたいとしている。


定期的な交流会開催で“薬剤師がSRHRに関して自分になにができるかを考える場”を作る

 「みんなのくらしにSRHRが溶け込む世界をつくる」を理念に掲げた一般社団法人「SRHR pharmacy PROject」が設立される。立ち上げにあたり、オンラインイベント「薬剤師に知ってほしいSRHRと薬局との関わり」を開催する。

 10 月2日(日)14:00~15:00に開催する。主な参加対象者は、薬剤師や薬局に関わる人としているが、イベントは興味があれば誰でも参加可能としている。

 設立趣旨に関して、団体では薬剤師がSRHRを理解していることの重要性を指摘。次のようにしている。
 「Sexual and reproductive health and right(SRHR)は、日本語では「性と生殖の健康と権利」と訳される考え方で、国際的には基本的人権の1つとして取り扱われています。しかし、日本はまだSRHRが充分に尊重された社会とは言えませんし、SRHRという言葉自体が知られていないのが現状です。薬剤師がSRHRを理解しているということは、とても重要です。薬局では、妊娠検査薬、排卵検査薬、緊急避妊薬や月経や性感染症、妊娠や更年期障害など女性の健康に関連する医薬品やケア用品を扱っています。これらを提供する薬剤師が、SRHRを尊重した対応で、相手の不安を解消し、様々な情報や選択肢を提供し、自己決定をエンパワメントできることが望ましいと考えています。このような経緯から、薬剤師がSRHRを理解する場を作りたいと考え、新しいプロジェクトを立ち上げることになりました」。
 設立記念オンラインイベントについては、「我々の目指すビジョンやこれから行うミッションを紹介するとともに、具体的な活動予定についてもお話ししたいと思います。ぜひお越し下さい」とする。

「日本版ユースフレンドリーファーマシー」の在り方を確立目指す

団体の案内によると、以下の通り。

主な事業内容
● 薬剤師がSRHRについて知り、自分になにができるかを考える場を作ります
● 日本版ユースフレンドリーファーマシーの在り方を確立し、全国に広めていきます
● 薬剤師の立場で、SRHRに関わる政策の提言をおこないます
 まず始めに“薬剤師がSRHRについて知り、自分になにができるかを考える場”を作りたいと考えています。そのために、勉強会や交流会を定期的に開催し、多職種の専門家を講師に招き、女性や思春期のヘルスケアに関すること、相談支援のための基本的な知識やコミュニケーションスキルなどについて、学ぶ機会を提供します。また、女性・思春期のヘルスケアに関わる活動を始めたい薬剤師に対して、実践的な情報提供やアドバイスなど個別のサポートをおこないます(会員限定)。私たちは、同じ思いをもつ薬剤師どうしがつながるためのハブとしての役割を担います。
 次に、日本版ユースフレンドリーファーマシーの在り方を確立し、全国に広めていけるようにします。海外では薬局はアクセスしやすく、プライバシー確保の観点で優れていることから、リプロダクティブ・ヘルス・サービスを提供する場として公衆衛生上の重要な役割を果たしています。実際には、若者に対して緊急避妊の対応や性感染症の予防とケア、避妊に関する相談などを薬局が担っています。文化や公衆衛生のシステムも異なるため、海外のやり方をそのまま取り入れるのではなく、日本におけるユースフレンドリーファーマシーの在り方を確立し、普及させていきたいと考えています。SRHRについて理解ある薬剤師がその役割を担うことで、すべての人にSRHRの考え方を広めることができると考えています。
 そして、最後に、我々は、薬剤師の立場から、SRHRに関わる政策の提言をおこなっていきます。緊急避妊薬の問題にみるように、 現場の薬剤師の意見が取り上げてもらえない、伝える場所がないといった状況を変えていきたいと考えています。現場の薬剤師の声をしっかりと伝える役割を担っていきます。

■オンラインイベント概要
【イベント名】「薬剤師に知ってほしいSRHRと薬局との関わり」
【日時 】2022年10 月2日(日)14:00~15:00
【開催場所】zoomを用いてオンライン上にて開催
【参加方法】Googleフォームより参加申し込みください
https://docs.google.com/forms/d/1LJwQFKfrBQBjuFsW3Kn6mjHNEe2GQkchwNzQUbl09TQ/viewform?edit_requested=true#responses

【プログラム】
 ・代表挨拶
 ・わたしたちについて(団体の成り立ち、Vision、活動内容など)
 ・ユースフレンドリーファーマシー活動について
 ・入会について

※状況により配信時間が変更となる場合がございます。予めご了承下さい。

【法人概要】
団体名 : SRHR pharmacy PROject
設立 : 2022年9月5日
代表 : 鈴木怜那
事業内容:
1  SRHRの啓発に関する事業
2 薬剤師および薬学生のリプロダクティブ・ヘルスケアの学びを推進する事業
3 ユースフレンドリーファーマシーの推進を図る事業
4 思春期の子どもの健全な育成を図る事業
5 ヘルスケアに関わる相談事業
6 ヘルスケアに関わる啓発事業
7 ヘルスケアに関する調査研究事業
8 その他当法人の目的を達成するために必要な事業

Twitter :@reinapharma
Instagram :@s___arakawa
Facebook :https://www.facebook.com/reina.yokoyama

【本プレスリリースに関する問い合わせ】
SRHR pharmacy PROject
担当:代表 鈴木
Email:srhrpharmacyproject@gmail.com

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