【日薬都道府県会長協議会質疑】抗原検査キットの「無症状、陽性」への対応の必要性も提起

【日薬都道府県会長協議会質疑】抗原検査キットの「無症状、陽性」への対応の必要性も提起

【2022.07.27配信】日本薬剤師会は7月27日、都道府県会長協議会を開催した。この中で、出席していた都道府県会長から抗原検査キットの薬局での取り扱いについて問題が提起された。陽性だった場合に、受診を促している現在の無症状者への対応を考慮すべきではないかとされた。発熱外来の混雑緩和の目的で有症状者に対し発熱外来の受診にかえて検査キットによる検査を受けられる体制を整備する方針を政府が示していることとの整合性を求めたもの。


 現在、国は発熱外来の混雑を緩和しつつ有症状者が必要な健康観察を受けられるようにするために、有症状者が発熱外来の受診にかえて検査キットによる検査を受けられる体制を整備するように自治体に要請している。この検査キット配布場所として薬局も検討されている。

 一方で、その方針以前の薬局での抗原検査キットの取り扱いでは無症状者を対象とし、陽性反応が出た場合には受診を促すことになっている。

 都道府県会長からは、「発熱外来で受診にかえて検査キットを配るとなると、薬局で無症状・陽性だった人に受診勧奨をしても再度、検査をお願いすることになる」と、整合性ある運用が必要と提起された。

 発熱外来の受診に代える検査キット配布においては、重症化リスクが低いと考えられる有症状者に対して行われ、陽性となった人は設置される「健康フォローアップセンター」等に連絡し、医療機関の受診を待つ事なく、健康観察を受けることができるスキームになっている。

 また、薬局からの抗原検査キットで陽性になった場合、民間保険の給付対象になるのかどうかという点もあり、薬局での矛盾が生じる危惧も示された。「日本薬剤師会から薬局で患者登録ができるように要請することはできないか」との意見も出た。

 日本薬剤師会は、「自ら検査をして陽性となった人が健康フォローアップに連絡をすることになっており、そことのつなぎを薬局でやると考えてよいのではないか。あくまで本人の検査というところがこれまでと(発熱外来スキームの)違うところ。日ごとに政策が動いている中であり、今後も事務連絡が出てくると思う。検査を含め、自宅療養のこと、内服薬のこと等も出てくると思う。必要な連絡を日薬としてもしていく」と回答した。

 また、都道府県によって状況が違うことが想定されるため、地域実情に応じた対応が必要との見解が示された。
 

この記事のライター

最新の投稿


【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【2025.07.10配信】厚生労働省は7月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)の調査票案」を提示した。次期調剤報酬改定議論の基礎資料となるもの。


【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ

【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ

【2025.07.02配信】奈良県議会は7月2日、奈良県議会本会議において「薬価制度の抜本的改正を求める意見書」を会派全会一致で採決した。


【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。


【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【2025.06.29配信】日本薬剤師会は6月28・29日に第106回定時総会を開き、その中で岩月進氏が会長演述を行った。


【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【2025.06.26配信】株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋氏)の連結子会社である医療AIカンパニー、株式会社MG-DX(本社:東京都渋谷区、代表取締役:堂前紀郎、以下「当社」)は、薬局特化型の接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」において、OTC医薬品の遠隔販売に特化した新たなシナリオを構築したと公表した。


ランキング


>>総合人気ランキング