現在、国は発熱外来の混雑を緩和しつつ有症状者が必要な健康観察を受けられるようにするために、有症状者が発熱外来の受診にかえて検査キットによる検査を受けられる体制を整備するように自治体に要請している。この検査キット配布場所として薬局も検討されている。
一方で、その方針以前の薬局での抗原検査キットの取り扱いでは無症状者を対象とし、陽性反応が出た場合には受診を促すことになっている。
都道府県会長からは、「発熱外来で受診にかえて検査キットを配るとなると、薬局で無症状・陽性だった人に受診勧奨をしても再度、検査をお願いすることになる」と、整合性ある運用が必要と提起された。
発熱外来の受診に代える検査キット配布においては、重症化リスクが低いと考えられる有症状者に対して行われ、陽性となった人は設置される「健康フォローアップセンター」等に連絡し、医療機関の受診を待つ事なく、健康観察を受けることができるスキームになっている。
また、薬局からの抗原検査キットで陽性になった場合、民間保険の給付対象になるのかどうかという点もあり、薬局での矛盾が生じる危惧も示された。「日本薬剤師会から薬局で患者登録ができるように要請することはできないか」との意見も出た。
日本薬剤師会は、「自ら検査をして陽性となった人が健康フォローアップに連絡をすることになっており、そことのつなぎを薬局でやると考えてよいのではないか。あくまで本人の検査というところがこれまでと(発熱外来スキームの)違うところ。日ごとに政策が動いている中であり、今後も事務連絡が出てくると思う。検査を含め、自宅療養のこと、内服薬のこと等も出てくると思う。必要な連絡を日薬としてもしていく」と回答した。
また、都道府県によって状況が違うことが想定されるため、地域実情に応じた対応が必要との見解が示された。
【日薬都道府県会長協議会質疑】抗原検査キットの「無症状、陽性」への対応の必要性も提起
【2022.07.27配信】日本薬剤師会は7月27日、都道府県会長協議会を開催した。この中で、出席していた都道府県会長から抗原検査キットの薬局での取り扱いについて問題が提起された。陽性だった場合に、受診を促している現在の無症状者への対応を考慮すべきではないかとされた。発熱外来の混雑緩和の目的で有症状者に対し発熱外来の受診にかえて検査キットによる検査を受けられる体制を整備する方針を政府が示していることとの整合性を求めたもの。
最新の投稿
【東京都薬剤師会】市販緊急避妊薬の「産婦人科医等との連携リスト」関与の方針
【2025.11.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は11月7日に定例会見を開いた。その中で、市販化の見通しとなった緊急避妊薬の販売条件となる「産婦人科医等との連携体制」のリストについて、都薬としても関与していく方針を示した。
【東京都薬剤師会】改定議論、「大手に誤解進むのは怖い」/髙橋正夫会長
【2025.11.07配信】東京都薬剤師会は11月7日に定例会見を開いた。この中で髙橋正夫会長は、調剤報酬改定の議論に触れ、「大手の方々に誤解進むのは怖い」と話した。
【日本薬剤師会】財政審の改革提言に反論、「薬局増えても調剤報酬増えない」
【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に会見を開いた。この中で、同日公表された財政制度等審議会(財政審)財政制度分科会の提言に対し反論した。
【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に定例会見を開いた。その中で、岩月進会長が中医協での敷地内薬局をめぐる議論に対してコメントした。
【石川県薬剤師会】モバイルファーマシー「お披露目式」/スターリンクを搭載でDX対応
【2025.10.31配信】石川県薬剤師会は10月31日、モバイルファーマシーお披露目式を開催した。