【東京都薬剤師会】モルヒネ過量の死亡事例に言及、「さらなる過誤への対応をとっていかなければいけない」

【東京都薬剤師会】モルヒネ過量の死亡事例に言及、「さらなる過誤への対応をとっていかなければいけない」

【2022.07.08配信】東京都薬剤師会は7月8日に定例会見を開いた。この中で永田泰造会長は都内で起きたモルヒネ過量投与による死亡事例に言及した。当該薬局ではない周辺の薬局にもクレームの電話が入っているとし、「薬剤師全体にも影響のあること」として、今後、さらなる過誤への対応をとっていくとの考えを示した。


 6月に、東京都内で適正量100倍のモルヒネを医師が処方、薬剤師も見過ごして93歳患者が中毒死したことが報道されていた。

 このことに関して永田泰造会長はコメントし、まず「亡くなった方に申し訳なく思っている。ご冥福をお祈りする」とした上で、近隣の当該ではない薬局に遠方の市民からクレームなどの電話が入っていることを指摘した。

 「こういった医療事故が発生すると当然、民事上、刑事上、行政上の3つの責任が問われるが、これに加えて“世間からの批判”という4つ目の責任が出てきている。薬剤師への取り組みに注目をしていて、適切な対応をしなければいけないというご批判だと思う。さらなる医療過誤への対応をとっていかなければいけないと思っている。周りの薬局への影響だけでなく、薬剤師全体に出るということだと思う」(永田会長)と述べた。
 
 一方で、「適正量の10倍、100倍の量を調剤してしまうということは、医師と薬剤師が二重チェックするという、そもそもの医薬分業、薬剤師の職能を考えないといけない。疑義照会をし医師がよいといったから出した、これではいったい薬剤師の職能はなんなのだろうか」(永田会長)と話した。

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