【スギHD】5年後に1兆円目指す/中計を再策定/物販と調剤の相互連携で顧客との信頼関係強化

【スギHD】5年後に1兆円目指す/中計を再策定/物販と調剤の相互連携で顧客との信頼関係強化

【2022.04.13配信】スギホールディングスは4月13日、2022年2月期決算(2021年3月1日~2022年2月28日)について説明動画を配信した。この中で大きな環境変化を受け、23年2月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画を改めて策定したと説明し、5年後に売上1兆円を目指すとした。物販と調剤の相互連携で顧客との信頼関係強化する方針。


+12.9%の調剤事業、「グループ全体の売上に大きく貢献」

 杉浦克典社長の説明は以下の通り。

 「当社の2022年2月期決算についてご説明させていただきます。まず連結決算の概要について、売り上げは6254億円で増収のところ、営業利益は321億円で減益となりました。
 2020年1月から新型コロナウイルスの本格的な流行に伴ってマスクなどの予防商品の需要が急拡大をし、21年2月期は業界全体としてもプラスの影響を大きく受けました。一方で22年2月期はこの感染症の影響が継続をし、予防を前提とする生活が当たり前となる中、需要が急拡大した21年2月期との対比で見ますとヘルスケア、ビューティーでのマイナス影響が大きく、12月には業績予想を修正するなど厳しい1年となりました」

 「 続きまして詳細を説明をします。売り上げは前年に対して+3.8%でした。コロナ感染症が猛威を振るなか、マスクなど予防商品は底堅く推移をしたものの、一昨年と比べると伸びは鈍化をしました。 また巣篭もり需要における日用品食品の伸び悩み、そして化粧品の販売苦戦が長引いたことを受け、物販の既存店売り上げはマイナスで推移をしました。
 一方で、調剤につきましては通院を控える動きが緩和したことや積極的な開局、高額処方箋の獲得などにより応需枚数を着実に伸ばし1327億円で前年に対し+12.9%と、グループ全体の売上に大きく貢献をしました。
 続いて営業利益です。システム投資、採用強化を行いながらも、消耗備品費の抑制などメリハリあるコストコントロールを進めたことで販管費は計画内での着地となりました。しかしながら売上のマイナス分を補いきれずに減益、-5.6%となりました。なお経常利益、当期利益につきましても前年を下回る結果となりました」

100店舗超の出店を継続/2月末で1483店舗/5年後2000店へ

 「続きまして新規出店について説明をします。112店舗と継続をして100店舗以上の出店をすることができました。内訳としまして関東に28、中部31、関西33、北陸20店舗の内訳となります。2月末で1483店舗となり、今後5年後の2000店舗の達成に向けてペースを緩めることなく出店を継続をします」

前期取り組み/機械化等で薬剤師が対人業務へ

 「ここからは前期の主な取り組みを紹介をします。まず調剤の取り組みについてですが薬剤師の仕事は大きく2つ、対物と対人業務に分けられます。2015年に公表された患者のための薬局ビジョンでは専門性とコミュニケーション能力を高めたかかりつけ薬剤師が対人業務を行う方針が掲げられ、この方針に沿った内容が今回の報酬改定に反映されています。こうした中、当社としても薬剤師が対人業務に専念できるよう、待合室や調剤室内の改装、機械化の推進など環境整備を進めています。また物販ご利用のお客様への告知の強化やかかりつけ薬局アプリの紹介・おすすめ、処方箋の獲得を進めました。中でもかかりつけ薬局アプリは36万ダウンロードとなり、対面に加えデジタルでの接点が増えると患者様との関係はより深くなり、薬剤師の専門性を高めることに繋がると考えています」

スギサポイーツはオンライン食事指導サービスやAIを活用した栄養素解析などの機能を実装

 「続きましてDX、デジタルトランスフォーメーションの取り組みについて説明をします。お客様一人一人の生活習慣や健康課題に対し、効果的なサービスを提供できるようリアルとデジタルの融合を進めています。833万ダウンロード突破をしたスギ薬局アプリは、お客様とのデジタル接点の中心的な役割を担っており、ドラッグストアの中で高い利用率となりました。また店舗へのデジタルサイネージ導入により、スギ薬局アプリをお持ちのお客様に対し最適なタイミングで最適な情報を発信ができる環境が整いました。その他にも、スギサポウオークは221万ダウンロードを超え、スギサポイーツはオンライン食事指導サービスやAIを活用した栄養素解析などの機能を実装し、デジタル活用がより一層を進みました。サステナビリティ経営においては期首に設定をしたESGの重要課題に対し、関連リスクと機会の特定、対応策の検討を進めました。また脱酸素経営に向けたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づいた開示、賛同を表明、ジェンダーニュートラルや多様性をコンセプトとする化粧品や環境に配慮したエシカル商品の開発を進めました。以上、決算数値と主な取り組みについて説明をさせていただきました」

改めて今期23年2月期を初年度とする中期経営計画を策定/環境の大きな変化受け

 「続きまして中期経営計画について説明をします。23年2月期は最終年度となりますがいまだ収束の目途が立たない新型コロナウイルスの不安とこれに伴う新たな生活様式の定、そして調剤を取り巻く大きな環境変化を受け、改めて今期23年2月期を初年度とする中期経営計画を策定しました。新たな中期経営計画では、27年2月期までの5カ年を対象に1兆円の売り上げを目指します。この目標達成に向けてトータルヘルスケア戦略を核とするDX展開強化、社会的・経済的価値が共存するESGの推進、将来を支える人材の獲得育成強化を推進をします。
 この取り組みを通じた持続的な成長とともに、創業来変わることのない理念である地域社会の貢献の実現を図ります。
 まずは中期経営計画の中核であるトータルヘルスケア戦略について説明をします。これは日本社会が抱える少子高齢化への対応、また新たに生まれてくれるさまざまなデジタル技術を活用し、健康・医療というキーワードでお客様・患者様がどの健康状態であっても支援をさせていただくという当社の取り組みの全体像を表す戦略です。人はライフステージにおいて健康の維持、未病、予防、軽医療、服薬、介護、看護、終末期に至るまで様々な健康ステージを経験をします。これらを3つの領域に分け、当社ドラッグを中心とするリアル店舗の連合体とデジタルシステムネットワーク、行政連携によりこの世界感を実現するものです。
 この戦略の実現には、業界内外のさまざまな企業や医療機関、行政の皆様との連携が必須です。少子高齢化が進む日本では健康というキーワードは全国民の共通の関心ごとであり、コロナによって一気に進んだデジタル技術の活用により、さまざまな取り組みが有機的に結びつき、このトータルヘルスケア戦略を推進をしていきます。
 このトータルヘルスケア戦略の中心となる調剤は、薬価・報酬改定の厳しい影響を受けるものの、少子高齢化が進む中、社会からの要請は大きく、さらに注力をして行く分野と言えます。
 今後更なるヘルスケア領域の進行とデジタル化の推進を強力に押し進めます。
 まずヘルスケア領域の進行はコロナ禍で顕著となった面分業への処方需要シフトを取り込み、売上の慎重と収益性の改善を目指します。
 続いてデジタル化の推進では、これまで構築をしてきましたデジタル基盤を活用し、物販と調剤のクロスセル率の向上を図ります。物販と調剤の相互利用により、私たちのお客様・患者様との継続的な関係を築き、顧客満足度を高めることで顧客生涯価値、LTVの向上に繋げていきたいと考えています。
 地域社会の貢献に直結をするこの分野を強化をし、企業活動向上を図ります」

23年2月期の業績見通し/原油高に起因する電気代の大幅上昇など利益を圧迫をする要因も強いことから営業利益は300億円

 「ここからは新たな中期経営計画の初年度にあたる23年2月期の業績見通しを説明をします。なお今期より収益認識に関する会計基準と適用しておりますので対前年増減率は記載をしておりません。それでは業績見通しですが売上6750億円、営業利益300億円を計画しています。
 まず私たちをとりまく環境についてお伝えをします。2年を経過をしても収束の兆しを見せない新型コロナウイルス、経済活動再開に伴う資源高とインフレ圧力、またロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル発射など先行きは非常に見通しづらくなっています。また先ほどもお伝えしましたように、4月の薬価・報酬改定の影響は厳しいものと言えます。
 厳しい経営環境ではありますが、健康予防意識の高まりなどの消費者ニーズの変化に対し、的確に対応した品揃え・店舗づくりを進めます。また店舗の作業効率改善によるお客様へのサービスの向上、きめ細かい人員配置などに積極的に取り組むことで収益性の改善を図ります。
 創業来の強みである調剤では医療事務への対物業務の移管、薬剤師への教育研修、デジタル活用医療機関との連携などの対人業務の強化により生産性の向上を図ります。一方でインフレによる仕入れ価格の上昇や薬価・報酬改定による総利益の減少、原油高に起因する電気代の大幅上昇など利益を圧迫をする要因も強いことから営業利益は300億円としています。
 出店に関しては引き続きドミナント構築に向け、関東・中部・関西・北陸で120店舗を予定をし、調剤併設での出店を進めます。退店は20店舗、純増で百店舗を計画をしています。

 最後にESGの取り組みについて説明をします。SDGs、ESG気候変動に関するキーワードを聞かない日はないほど、社会の関心が高まっています。サプライチェーン全体を見ましても調達先の人権問題やCO2排出など、全体最適で考えなければならない課題もあります。当社としてお取引先様には人権に配慮した原材料調達をお願いをし、開発商品では環境に配慮した包装への変更やエシカル商品の開発を進めるなど、リスクを機会と捉えて取り組みをしています。またサステナビリティ基本方針のもと5つのテーマと16の重要課題を定め、取り組みを進めています。その中でも温室効果ガス、特にCO2の排出による地球温暖化は深刻であり、わたしたちの生活にマイナス影響を与える重要な課題です。気候関連財務情報開示タスクフォースの提言に従い、脱炭素社会の実現に向け脱炭素経営を推進してまいります。この他に5つのテーマの1つである健康的なコミュニティについて、一例ですが未だに衰えを見せない新型コロナウイルスの猛威に対し、愛知県にある藤田医科大学病院へのコロナワクチン調製への協力、愛知県大府市への大規模集団接種会場の提供、この他店舗でのPCR抗原検査無料化事業への参画に取り組みました。当社としてESGに関するさまざまな取り組みを進めていますので5月の定時株主総会終了後に発行を予定しております統合報告書の最新版をご覧頂ければと思います。以上でスギホールディングス株式会社2020年2月期決算説明を終了いたします」

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