記者から「こういった特例的な対応例が増えていかないような対策をどのように考えているのか」との質問が出ると、磯部総一郎専務理事は次のように述べた。
「われわれとしては医薬品を提供する必要のある場に薬剤師、薬局を整備するべきだという基本の考えを持っている。そういったことがあって、昨年の政策提言でも医薬品提供体制の構築ということで公的な計画のもとに、過疎地域においても必要性があるところについては薬剤師や薬局の確保をしていくべきだと申し上げており、今回、当該地域の大分県薬剤師会ともよく話をした上で、必要な薬剤師サービスが住民の方に届けられないことは非常に残念なことであり、常時薬剤師を派遣することについて尽力いただく方向で進めている。(薬剤師サービスの提供が)ままならないという時には全国の都道府県薬剤師会に対して確保を考えていただきたいと話している。全国の都道府県薬剤師会長にお伝えし、頑張っていこうということにしている」と話した。
厚生労働省は3月23日に、以下の通り「離島等の診療所における医師及び薬剤師不在時の医薬品提供の考え方について」を発出していた。
■離島等の診療所における医師及び薬剤師不在時の医薬品提供の考え方について
日頃から薬事行政に対して御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。薬剤師法(昭和 35 年法律第 146 号)第 19 条の規定に基づき、医師等が自己の処方箋により自ら調剤するときを除き、薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならないとされております。
今般、「令和3年の地方からの提案等に関する対応方針」(令和3年 12 月 21 日閣議決定)において、「離島等の診療所において、荒天等により医師及び薬剤師が渡航できないことにより不在となる場合において、当該診療所に従事する医師が患者に対して遠隔でオンライン診療を行った場合の調剤については、当該医師又は薬剤師が、映像及び音声の送受信による方法で、当該診療所の看護師又
は准看護師が行う PTP シート等で包装されたままの医薬品の取り揃えの状況等を確認することで、当該医薬品の提供を可能とすることの考え方や条件等について検討し、令和3年度中に結論を得る。その結果に基づいて必要な措置を講ずる。」とされたことを受け、離島等の診療所における医師及び薬剤師不在時の医薬品提供の考え方について下記のとおり整理しましたので、業務の参考として
いただくとともに、その取扱いに遺漏のないよう、貴管内の医療機関、薬局等に対し周知をお願いします。
記
1 地域における医薬品提供体制については、薬剤師又は医師が調剤したものを供給できる体制を整えることが前提であり、そのために関係部局及び関係団体等が協議・連携して、都道府県の医療計画等に基づき、薬剤師の確保、医療提供施設相互間の連携等により地域の実情に応じた医薬品提供体制の構築に取り組み、当該医薬品提供体制の構築について地域で合意が得られていることが重要であること。
2 1の取組を行った上で、離島等の診療所において、荒天等により医師及び薬剤師がやむを得ず不在となる場合において、当該診療所に従事する医師が遠隔でオンライン診療を行った場合の調剤について、当該医師又は薬剤師が、当該診療所の看護師又は准看護師に処方箋に記載された医薬品(当該診療所内において適切に保管・管理されているものであって、PTP シート又はこれに準ずるものにより包装されたままの医薬品に限る。)の必要量を取り揃えるよう伝え、映像及び音声の送受信による方法で、その取り揃えの状況や取り揃えられた薬剤が処方内容と相違がないか等を確認した上で、当該診療所の看護師又は准看護師が、患者に当該薬剤を渡すことは差し支えないこと。
3 2による行為は、当該医師又は薬剤師の責任の下、実施されるものであること。
4 診療所の管理者は、当該診療所において、2を行うことが想定される場合にあっては、保健衛生上支障を生ずるおそれのないよう、適切な医薬品の管理、当該業務の実施に係る手順書の整備、当該業務を実施する者に対する薬事衛生上必要な研修の実施その他の必要な措置を講じること。
またこの通知に対し、日本薬剤師会も都道府県薬剤師会長宛てに連絡を発出しており、地域における医薬品提供体制については、あくまで「薬剤師又は医師が調剤したものを供給できる体制を整えることが前提である」ことや、「そのために関係部局及び関係団体が協議・連携して都道府県の医療計画等に基づき、薬剤師の確保、医療提供体施設相互間の連携等により地域の実情に応じた医薬品提供体制の構築に取り組まれている、当該医薬品提供体制の構築について地域で合意が得られていることが重要」との考えを強調。今回の取り扱いについては、こうした取り組みを行った上でやむを得ない場合の対応として示されたものであることを説明している。
【日本薬剤師会】離島での薬剤師不在時の医薬品提供「県薬にも常時薬剤師派遣に尽力いただく方向で調整」/政策提言での地域医薬品提供計画の重要性を指摘
【2022.04.01配信】日本薬剤師会は4月1日に定例会見を開いた。この中で、離島等の診療所で医師や薬剤師が不在の際に看護師がPTPシートのままでの医薬品の提供を認める通知が発出されたことに関連し、「県薬にも常時薬剤師派遣に尽力いただく方向で調整している」などと述べ、こうした事例が全国で広がらない対策を検討していることをにじませた。また、政策提言に掲げた地域医薬品提供計画を挙げ、改めて公的な計画のもとで過不足のない医薬品提供体制を構築すべきとの考えを示した。
最新の投稿
【東京都薬剤師会】「実務実習におけるハラスメント防止のためのチェックリスト」作成
【2026.06.05配信】東京都薬剤師会(都薬)は6月5日に定例会見を開いた。その中で「実務実習におけるハラスメント防止のためのチェックリスト」を作成したことを説明。活用してほしいと促した。
【内閣府_地方分権改革】へき地等でのモバイルファーマシーの活用を提案/福井県、三重県
【2026.06.04配信】内閣府地方分権改革推進室は6月3日、令和8年2月2日から令和8年4月21日までの間に応募があった地方分権改革に関する提案を公表した。福井県、三重県からはへき地等でのモバイルファーマシーの活用が提案された。
【大木ヘルスケアHD】“門前薬局減算”に備える売り場充足を提案
【2026.06.04配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス(代表取締役社長:松井秀正氏)は6月4日、6月16・17日に開催を予定している「2026秋冬カテゴリー提案商談会」の事前説明会を開催した。今回の調剤報酬改定で新設された「門前薬局等立地依存減算」(調剤基本料の15点マイナス)を取り上げ、減算に備える売り場充足を提案するとした。
【2026.06.03配信】厚生労働省は6月2日、コルヒチン製剤の医薬品医療機器法上の用法及び用量の一部変更について通知を発出した。「用法及び用量」について、「〈痛風発作の緩解〉通常、成人にはコルヒチンとして 1 回 0.5~1.0mg を 1 日 1 回又は 2 回経口投与する。ただし、1 日の総投与量は 1.5mg を超えないこと」とした。
【調剤報酬通知訂正】在総加算2イ100点を施設でも一部算定可能に/要介護3以上の状態など
【2026.05.29配信】厚生労働省は5月29日、「令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について」を発出した。調剤報酬では、個人宅の在宅訪問時を想定して新設した「在宅薬学総合体制加算2」イ100点について、要介護3以上の状態の患者などの要件を満たせば施設患者であっても算定可とした。令和8年度調剤報酬改定では「在宅薬学総合体制加算1」を30点に増点するとともに、「在宅薬学総合体制加算2」について、 単一建物診療患者が1人又は単一建物居住者が1人の場合「イ」を新設し、 100点とした。またイ以外の場合で50点を設けていた。