同日の中医協で日本薬剤師会の有澤氏は、案に記載された見直しの方向性について「概ね議論の方向性に沿ったものと理解した」とした上で、調剤料に関する評価新設に関連して、「対物から対人へ評価の転換を推進する中で対物業務の重要性は認識していただいているものと思う。今回の改定で調剤料を一定程度整理していただくことで見えてくるものもあると思う。改定後の調査等で影響を見ていくことも必要と考える。現場への影響が大変大きい部分でもあるため、これらの観点を踏まえて頂き慎重かつ丁寧な対応をお願いしたい」と述べた。
後発医薬品の見直しに関しては、「見直しの方向性については理解する」とした上で、「ただし依然として後発医薬品の供給は不安定であり現場は非常に苦しい状況が続いている。供給不安となっている後発医薬品の調剤割合の算定に係る柔軟対応と合わせて、後発医薬品の安定供給の確保を最優先にした対応をお願いしたい」とした。加えて、現行のルールでは後発医薬品の薬価収載から3カ月以内に発売することになっているものの、最近では収載後すぐの発売は一部のメーカーに限られ、3カ月の期限ギリギリで発売されるケースが増えている現状を説明。「現場が混乱している」として、後発医薬品の収載後の速やかな発売をメーカに求めるとともに、後発医薬品調剤体制加算の割合の算出においては、「例えば3か月後に算定に含めるなどの検討もお願いしたい」と述べた。
現行では新たに後発医薬品が収載されると一部であっても発売されると後発医薬品割合の分母となってしまう。一方で、実際に発売されている後発薬が限定されているケースでは、すべての薬局にいきわたらないことが考えられ、後発薬使用割合の低下が懸念される。

【中医協】薬剤師会有澤委員、後発薬調剤体制加算について「収載から3か月後」の対象化を提案
【2022.01.12配信】厚生労働省は1月12日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」を提示した。この中で後発医薬品調剤体制加算の見直しに触れられていることに関連して、日本薬剤師会常務理事の有澤賢二氏は、新収載の後発医薬品を指標の対象にする際には「3か月後から対象とする」ことなどの検討を求めた。収載から3か月の期限のぎりぎりになって発売するケースが散見されることへの対応を求めたもの。
関連する投稿
【厚労省】カットオフ値“算出リスト”改定/令和7年4月調剤分から適用可
【2025.05.26配信】厚生労働省は5月26日、カットオフ値の算出に含める品目リストを改定した。当該リストは令和7年4月調剤分から1月単位で適用可能。後発医薬品調剤体制加算算定の要件であるカットオフ値をめぐっては、令和7年度薬価改定で多数の品目で薬価の下支え措置が講じられたため、算定できない薬局が生じているとの指摘があった。
【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出
【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、物価上昇および賃上げ分を含めたプラス改定を求めている。
【日本保険薬局協会】敷地内薬局基本料の変更求める/厚労相に要望書提出
【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、いわゆる敷地内薬局を対象とした基本料である「特別調剤基本料A」に設けられている「7種類以上の内服薬を調剤した場合には薬剤料が90/100 に減算」となる報酬体系を撤廃することを求めている。
【中医協】日薬・森氏、後発薬加算「カットオフ値」の急減店舗の発生を問題視、対応求める
【2025.04.23配信】厚生労働省は4月23日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、後発医薬品調剤体制加算の要件である「カットオフ値」が急減している店舗があることを説明し、問題視。対応を求めた。
【後発薬加算】除外リスト、カットオフ値リスト更新/4月16日から適用/後発薬有無情報も更新
【2025.04.16配信】厚生労働省は4月15日、診療報酬における加算等の算定対象から除外する品目の一覧、及びカットオフ値の算出に含める品目リスト、その他 (各先発品の後発医薬品の有無に関する情報)リストを更新した。4月16日から適用となる。
最新の投稿
【2025.06.16配信】グラクソ・スミスクラインは6月16日、同社が販売する「フルナーゼ点鼻液」について、年内を目途に販売を中止することを公表した。
【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で
【2025.06.15配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングスは6月11日に、事業部説明会を開催した。来る6月17日(火)~6月18日(水)にTRC 東京流通センターで開く「2025OHKI秋冬用カテゴリー提案商談会2025 年 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」の事前説明会の位置付け。OTC医薬品に関しては、“推し活”市場の拡大を背景に、“推し活”をきっかけに需要に気付きを与える提案を実施することを説明した。
【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算
【2025.06.13配信】政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、いわゆる骨太方針を閣議決定した。医療・介護に関連しては、「高齢化による増加分に相当する伸びにこうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する」と記載した。これまでは、社会保障関係費の伸びを高齢化の範囲内に抑える方針がとられてきた。薬剤師で参議院議員の神谷政幸氏はXで「税収増を踏まえた経営の安定化や確実な賃上げに繋がる対応がついに反映」と投稿。医療介護業界の声が届いたとの考えを示唆した。
【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成
【2025.06.12配信】奈良県薬剤師会(後岡伸爾会長)は、「健康ハートの日 2025」に協賛する。
【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査
【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。