経産省、商業動態統計公開、「ドラッグストアの勢い続く」と指摘

経産省、商業動態統計公開、「ドラッグストアの勢い続く」と指摘

【2020.05.15配信】経済産業省は「METIジャーナル」を更新し、商業動態統計を紹介。「2019年の小売業販売 ドラッグストアの勢い続く~食品などの販売増で~」と説明した。


【2020.05.15配信】経済産業省は「METIジャーナル」を更新し、商業動態統計を紹介。「2019年の小売業販売 ドラッグストアの勢い続く~食品などの販売増で~」と説明した。
 商業動態統計は、個人消費の動向を供給側から把握することができる経済指標。この指標を用いると、業種別、業態別、商品別の小売動向を分析することができるため、個人消費に関して示唆に富んだ分析を行うことが可能である。
 今回は、主な図表を紹介しつつ、2019年の小売業販売について振り返っている。
 
◆2019年の小売業販売 ドラッグストアの勢い続く~食品などの販売増で~
https://meti-journal.jp/p/10833-2/

減少に転じたスーパー、家電、ドラッグ、コンビニが+、百貨店、ホームセンターが-

 上は、商業販売額の概要図である。2019年の商業販売額は前年比マイナス2.5%減少して、約460兆円だった。うち約7割を占める卸売業は前年比マイナス3.6%、約3割を占める小売業は前年比プラス0.1%と、いずれもこれまで2年連続の増加だったところが、卸売業はマイナスに、小売業はほぼ横ばいにと変調が見られる結果となった。
 小売業について業態別に見ると、家電大型専門店、ドラッグストア、コンビニエンスストアでは前年より販売額が増加し、百貨店、スーパー、ホームセンターでは前年より販売額が減少した。2019年は減少側にまわったスーパーを除けば、過去3年間(2017年、2018年、2019年)連続して同じ動きである。

医薬品・化粧品小売業など寄与

 下のグラフは、小売業販売額への業種別寄与度だ。2019年、かろうじてではあるが、小売業販売額の3年連続の増加に最も寄与したのは医薬品・化粧品小売業、次いで飲食料品小売業だった。

分析資料では、価格によって販売額が大きく変動する傾向がある業種について、変動要因を数量と価格に分解したグラフを掲載している。2019年は10月に消費税率が引上げられたことに伴い(8%→10%)、価格要因にはこれによる増加分が含まれている。また、数量要因についても、業種によっては消費税率引上げ前後で増減がみられる。ただ、10月以降の数量要因の変動には、10月の大型台風や暖冬の影響も含まれている。
 2019年最も上昇に寄与した医薬品・化粧品小売業をみてみると、消費税率引上げ前に数量要因で急増しているものの、10月は小幅な減少に留まり、11月には再び増加に転じている。年間を通じてみても、主に数量要因によって増加傾向で推移した。次に増加に寄与した飲食料品小売業も、10月以降は数量要因で低下しているものの、年間を通じてならしてみれば、数量要因、価格要因とも増加傾向で推移した。

ただ、これ以外の増加業種(機械器具小売業、自動車小売業)は、価格要因による増加だった。
 小売業販売額全体では、前年比0.1%増加と伸びが大幅に鈍化し、かろうじてプラスを維持したといった様相だったが、この増加には消費税率引上げによる価格上昇分も含まれていることを考えると、2019年の小売業販売は、全体では伸びたとは言い難いところだろう。これには10月の消費税率引上げによる反動減や台風などの影響もみられたが、ただ第3次産業活動指数の小売業指数の動きをみると、前回2014年の消費税率引上げ時の変動より小幅にとどまったことから(*)、その影響は前回ほどではなかったと考えられる。
(*)小売業指数(季節調整済)は、2019年7―9月期に前期比2.9%上昇した後、台風などの影響も加わり、10―12月期には同マイナス7.4%低下した。前回2014年4月の消費税率引上げ前後では、2014年1―3月期に前期比3.9%上昇した後、4-6月期は同マイナス9.6%の低下だった。

店舗あたり販売額増による拡大戦略のコンビニ

 スライド資料では、百貨店、スーパー、コンビニエンスストアについて、事業所数と1事業所当たり販売額の要因分解のグラフを掲載しており、それぞれの業態の出店戦略を窺いながら販売額の推移をみることができる。
 下のグラフは、コンビニエンスストアの要因分解だ。販売額増加の勢いに陰りが見られ始めた2015年以降、それまでの店舗数の増加による拡大戦略から店舗当たり販売額の増加による拡大戦略に軸足を移した様子がみてとれる。2019年も、ほぼ全てこの要因で前年比プラスを維持している。なお、店舗数は初めて低下要因に転じた。

ドラッグストアは5年連続で店舗数増加

代わって勢いがあるのがドラッグストアである。スライド資料では、専門量販店3業態(家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター)の商品別の販売額寄与度分解も掲載している。下のグラフは、ドラッグストア販売額の商品別寄与度だ。

ドラッグストアは、データがある2015年以降5年連続で店舗数前年比がプラスである。特に、2016年以降は4年連続で前年比5%前後の出店攻勢を続けている。この間、販売額は全品目で増加しており、2019年は前年比5.6%と、ドラッグストアとして集計を開始した2014年以来5年連続で増加している。下の図は、2019年の業態別の飲食料品販売額増加率だ。ドラッグストアでも特に売上が伸びているのは「食品」だが、飲食料品の流通経路として、スーパーやコンビニエンスストアに代わって、ドラッグストアの販売額が勢いよく伸びていることがわかる。

この記事のライター

最新の投稿


【日本総研】「箱出し調剤」提言するレポート公表

【日本総研】「箱出し調剤」提言するレポート公表

【2026.07.10配信】日本総研調査部上席主任研究員・成瀬道紀氏は7月10日、『箱出し調剤で薬剤師を単純作業から解放を―調剤コスト1兆円削減と薬局薬剤師20万人の職能発揮へ向けてー』と題したレポートを公表した。


【薬局説明会】ゲーム「ぷよぷよ」で脳トレ/施設でのレクに、月額3000円~

【薬局説明会】ゲーム「ぷよぷよ」で脳トレ/施設でのレクに、月額3000円~

【2026.07.10配信】株式会社エンタケア研究所(本社:東京都、代表取締役CEO:高丸 慶氏)は、レク等で使える施設向け脳トレーニングゲーム『施設向け脳トレーニングゲーム『ぷよぷよトレーナー』を2026年10月1日に正式ローンチすると公表した。また、正式ローンチに先立ち、全国の介護福祉施設・医療関係者・自治体・薬局関係者を対象としたオンライン説明会を2026年7月に全8回開催する。『ぷよぷよトレーナー』を通じて、介護現場における「楽しい」「続けられる」「効果が期待できる」新しいレクリエーション体験の社会実装を推進していく考え。薬局業界では保険薬局経営者連合会と共に協定締結、薬局に関するユースケースの開発を行っていく計画。


【日本保険薬局協会】「中東情勢に伴う調剤関連資材等への影響」調査結果報告

【日本保険薬局協会】「中東情勢に伴う調剤関連資材等への影響」調査結果報告

【2026.07.09配信】日本保険薬局協会は7月9日に定例会見を開き、中東情勢の緊迫化に伴う「調剤関連資材等への影響」に関する実態の調査を報告した。


【日本保険薬局協会】スイッチOTCの特定企業“先行販売”に苦言/「販売要件を満たす薬局が同じタイミングで販売できるよう」

【日本保険薬局協会】スイッチOTCの特定企業“先行販売”に苦言/「販売要件を満たす薬局が同じタイミングで販売できるよう」

【2026.07.09配信】日本保険薬局協会は7月9日、定例会見を開き、冒頭の会長挨拶で藤井江美氏は、スイッチOTCの販売について特定の企業に対して先行販売をしている実態に苦言を呈した。「販売要件を満たす薬局が同じタイミングで販売できるよう要望していく」と話した。


【厚労省】通知「薬剤師の調剤応需義務等について」発出/カスハラで調剤拒否可能

【厚労省】通知「薬剤師の調剤応需義務等について」発出/カスハラで調剤拒否可能

【2026.07.09配信】厚生労働省は7月8日、通知「薬剤師の調剤応需義務等について」を発出した。


ランキング


>>総合人気ランキング