第3四半期連結業績 (2020年4月1日~12月31日)は売上高4213億3000万円 (前年同期比5.6%減)、 営業利益238億6700万円 (同11.0%減)、経常利益256億9000万円 (同10.6%減)、 親会社株主に帰属する四半期純利益166億1500万円 (同12.1%減)となった。
コロナ禍の中、同社グループは「ライフライン」「社会インフラ」 であるドラッグストアの使命として、顧客と従業員の安心·安全を最優先しながら、営業時間の短縮、臨時休業等を行う事で多くの店舗において営業を継続するとともに、3つの重点戦略 「デジタル化の更なる高度化」 「グローバル化の更なる進展」「専門領域での事業規模拡大」 を新たに設定し取組んでいる。 ココカラファインと経営統合に向け、2020年4月から資本業務提携を開始している。
デジタル化の更なる高度化として、急速に進化する1Tを活用することで、顧客の生活スタイルの変化や暗好·ニーズを的確にとらえ、一人ひとりの顧客との距離を縮め、 深く繋がれるようデジタルマーケティング基盤を中心に強化。グループの強みとなる顧客接点数 (ボイントカード会員/LINEの友だち/公式アプリのダウンロード数)は、2020年12月末現在、延べ7560万超まで拡大した。
グローバル化の更なる進展では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 拡大に伴い、 日本国政府から発出された出入国制限の解除後を念頭に、海外SNSを活用した情報配信やキャッシュレス決済対応などをはじめ、アジアを中心とした海外店舗展開やグローバル会員獲得に向けた仕組みづくり、 海外で支持される商品の開発、 提供などに積極的に取組むことで蓄積されたノウハウを最大限に活用し、美と健康への意識が高まっているアジア地域における事業基盤を早期に確立することを目指している。海外での新規出店に関しては、ベトナム社会主義共和国ホーチミン市に1号店となる 「マツモトキヨシ ビンコムセンタードンコイ店」 がオープンし、2020年12月末の海外店舗数は、タイ王国で30店舗、台湾で15店舗、 ベトナム社会主義共和国で1店舗の合計46店舗となった。
専門領域での事業規模拡大では、 競争がますます激しくなる環境において、三大都市圏におけるエリアドミナント化の推進や次世代へルスケア·調剤事業の拡大を基軸として、 次なる成長ドライバーの早期確立を進めている。厚生労働省の認可を受けた32店舗の健康サポート薬局は地域医療連携を推進するとともに、調剤サポートプログラムの加盟店舗も105店舗まで拡大した。
プライベートブランド (PB) 商品につきましては“matsukiyo LAB アスリートライン”に国際的アンチドービング認証であるインフォームドチョイスを取得した「BCAA7100バウダー」とプロテインバーとしては日本初となる、機能性表示を取得した「プレミアムプロテインバーチョコレート」 を投入するなど、活発。「プロテインスムージー」、「EXSTRONG ENERGY GUMMY (エクストロングエナジーグミ) 、オーガニックコスメプランド「ARGELAN (アルジェラン)」のスキンケアシリーズをさらに環境に配慮した商品にリニューアル。ナリス化粧品との共同開発エイジングケアブランド 「Retinotime (レチノタイム)」 は「THE RETINOTIME(ザ・レチノタイム)」 として全面リニューアルし、同一プランドにシワ改善アイテムを5つ展開、国内最多数のラインナップとなった。
新規出店に関しては、 和歌山県内グループ1号店となる 「薬マツモトキョシキーノ和歌山店」 をオープンしたことで、国内47都道府県全てに 「マツモトキヨシ」 グループ店舗の出店が実現。中国エリア1号店となる「薬マツモトキョシmat sukiyoLAB岡山駅B-1店」のオープンもあり、matsukiyoLABは26店舗まで拡大している。
当第3四半期連結累計期間において、出店56店舗、閉店18店舗、改装34店舗となり、2020年12月末におけるグループ店舗数は1,755店舗となった (海外店舗含まず)。
環境に対する取組みも積極的。2020年4月1日よりポリエチレン製レジ袋の無料配布を終了。ロート製薬と共同で、空き容器の回収・リサイクルを展開。
従業員に対する取組みでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) に対する緊急事態宣言が全国に発出される環境の中で、当社グループの多くの店舗が営業を継続できたことは、店舗スタッフの理解と協力によるものであることから、店舗スタッフに対して緊急事態宣言期間である4月及び5月分として「特別手当」 を支給。さらに、グループで働く従業員ができる限り安心して生活が送れ、勤務が継続できる環境を支援する目的で、無利息の「従業員緊急貸付制度」を新たに導入するなど、 従業員の働く環境の整備にも取組んでいる。
セグメント別では、「小売事業」では、4003億3400万円(前年同期比6.6%減)。第1四半期は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の影響により、 マスクや除菌開連及び日用品や食品などの特需が郊外型店舗を中心に発生。一方で、外出自粛や在宅勤務の推進等により繁華街や都心店舗では客数が減少するとともに、営業時間の短縮、テナント店舗での臨時休業、感染拡大防止への対策とした至近距離出店店舗での週末臨時休業などにより売上は影響を受けたが、緊急事態宣言が全国で解除された後は、繁華街や都心店舗の客数は増加傾向となった。また、インバウンド売上も出入国制限等の影響により、僅かなものとなった。第2四半期は、引き続き第1四半期と同様にマスクや除菌関連及び日用品や食品などの特需が郊外型店舗を中心に発生。繁華街や都心店舗の客数は回復基調となり医薬品と化粧品は苦戦しているものの、回復傾向が見られた。 一方で、第2四半期は前年の消費税増税前の特需の反動を受けた。また、インバウンド売上は出入国制限等の影響により、引き続き僅かなものとなった。調剤事業は、コロナウイルス禍に伴う医療機関への受診を控える動きや処方薬応需枚数の減少があったが、調剤店舗の新規開局などもあり前年同期を上回る売上高となった。
「卸売事業」では181億6600万円(同21.9%増)、管理サポート事業28億2900万円 (同11.7増)となった。卸売事業は、フランチャイズにおける新規出店や調剤サポートブログラムの加盟店舗増加等により事業地域が拡大するとともに、 2020年10月からココカラファインに対するプライベートプランド (PB)商品の供給が始まったことから、 売上高は前年同期を上回った。

【第3四半期】マツキヨHD、売上-5.6%、営業利益-11.0%
【2021.02.16配信】マツモトキヨシホールディングスは第3四半期連結業績 (2020年4月1日~12月31日)を公表した。それによると、売上高4213億3000万円 (前年同期比5.6%減)、 営業利益238億6700万円 (同11.0%減)などだった。
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