【広島市安佐地区】市民病院参画し地域フォーミュラリ作成

【広島市安佐地区】市民病院参画し地域フォーミュラリ作成

【2026.06.26配信】広島市安佐地区で地域フォーミュラリ作成が始動した。院内フォーミュラリを基に三師会が協力、地域で作成していくのが特徴。6月25日には安佐医師会館にて、周知の目的も兼ねた「安佐地区地域フォーミュラリ講演会」を開催。登壇者からは広島市で始動する意義などが指摘された。診療報酬改定や国の意向も影響し、動きが活発化している。


 6月25日の「安佐地区地域フォーミュラリ講演会」では広島市立北部医療センター安佐市民病院薬剤部主任部長の北本真一氏をが講演した。北本氏はこれまでの経緯や今後の展望などを説明した。同院は434床、年3回、薬事委員会を開催し採用薬等や後発医薬品等の審議を実施している。

 北本氏は地域フォーミュラリの推進方法に関して、①地域医療連携推進法人による実施のほか、②大阪・八尾市などが有名な三師会連携型、③加えて札幌市手稲区などの「地域の中核病院が主導し三師会と連携して運用」する形があるとした上で、安佐地区では③の形が良いのではないかと考えたとした。

 地域フォーミュラリの実施手順としては、まずは院内フォーミュラリを作成しそれを基に地域フォーミュラリを作成する流れとなる。これまでの具体的な流れは、まずは三師会で説明会を開催、協力依頼ののちに、三師会や行政・保険者が参画する「地域フォーミュラリ委員会」を設立した。薬事委員会で院内フォーミュラリ(案)を作成。その後、院内フォーミュラリを基に地域フォーミュラリ(案)を作成。三師会を通し会員へ周知する。

 今年3月に初回の院内フォーミュラリが選定され、6月9日に第1回地域フォーミュラリ委員会が開催された。検討領域はPPI。今後の予定は7月に2回目の院内フォーミュラリ選定と第2回地域フォーミュラリ委員会開催を計画、同様に11月に3回目を計画している。

 同日の講演会では、日本フォーミュラリ学会理事長の今井博久氏も講演。フォーミュラリ推進の政策の背景には、医薬品供給不足の課題解決としての強い意識が国にあるのではないかと話した。診療報酬改定では「地域支援・医薬品供給対応体制加算」に“望ましい”という形で地域フォーミュラリの概念が入り込んだ。
 今井氏は診療報酬に入った影響が大きく、各地で「動きが出てきている」と話した。骨太方針2025では地域フォーミュラリの「普及」、厚労省医療費適正化計画では「令和8年度中に各都道府県において策定する場を設ける」と明記した。
 今回の安佐地区での事例については今井氏は、県庁所在地での実践に意義があるとした。病院も多い都市部では地域フォーミュラリは困難との声も少なくない中、都市部での事例となるとともに他地域への波及効果も小さくないとの指摘。

 義務でもない労力のかかる取り組みだ。現地に足を運ぶと、立ち上げを支えているのは志ある関係者の存在だと感じる。北本氏はその目的を「患者にとって有益で安全な医療を提供すること」だと語った。

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