【東京都薬務課】小学校向け医薬品適正使用の資料作成/早期からの“くすり教育”の重要性の高まり受け

【東京都薬務課】小学校向け医薬品適正使用の資料作成/早期からの“くすり教育”の重要性の高まり受け

【2025.03.26配信】東京都薬務課は3月26日に定例会見を開き、小学校向けの医薬品適正使用に関する「授業事例集」を作成したと説明した。


 資料は、医薬品の正しい使い方を小学生に講義する人向けに作成されている。養護教諭や学校薬剤師、その他、講義をする人であれば誰でも活用できる。

 薬物乱用防止教室等でそのまま活用できる授業資料を4事例作成。
 事例ごとに内容や所要時間が異なっているため、学校等の状況や要望に応じて使い分けられるようになっている。
 なお、HPに掲載している資料は、特に個別連絡なく講義に使用して構わない。
 ただし都の著作物であるため、一部を抜き出しての使用や改変、加工しての使用はできない。

 事例は以下の通り。
■事例1 薬を正しく使おう(所要時間:約40分)
授業の概要:薬の正しい使い方を学ぶための一般的授業
授業の特徴:薬の正しい使い方全般について学べる授業
■事例2 薬物乱用ってなんだろう(所要時間:約40分)
授業の概要:医薬品の適正使用と違法薬物に関する内容を組み合わせた汎用型授業
授業の特徴:1コマの授業で医薬品の正しい使い方と違法薬物の危険性の両方を学べる授業
■事例3 酔い止め薬を正しく使おう(所要時間:約20分)
実施時期:遠足・宿泊学習前
授業の概要:遠足や宿泊学習に持参する酔い止め薬の使い方を学ぶ授業
授業の特徴:児童が自ら薬の説明書を見て必要な情報を読み取る体験型授業
■事例4 薬の使い方を考えよう(所要時間:約40分)
授業の概要:前半で薬に関する基本的なルールを学び、後半は事例をもとに問題を解きながら薬の使い方について考えていく授業
授業の特徴:薬の説明書を見て必要な情報を読み取りつつ、ワークシートを活用し、児童自ら考えながら進められる授業

 資料は以下の東京都のHPで閲覧できる。
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/kenkou_anzen/stop/kusuri_jirei

 薬務課では、オーバードーズなどに悩む10代等にはSNSなどでアプローチする一方、市販薬のオーバードーズの社会問題化を受けて、小学校高学年から授業に医薬品の適正使用を組み込んでもらうことでその後のオーバードーズの抑止にも期待したい考え。より早期の「くすり教育」の必要性が高まっているといえる。
 現状では医薬品の適正使用に関しては指導要領には中学校から明確に位置付けられているという。

この記事のライター

最新の投稿


【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【2025.08.08配信】日本薬剤師会が公表した「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト」。このうちの1つの事項である「地域の医薬品情報の把握・共有の取組」。この実践へ向けて情報共有のためのシステム選定の動きも活発化してきた。こうした中、メディカルシステムネットワーク(MSNW)では、もともと地域薬剤師会と共に開発を進めてきた「LINCLEちいき版」の提案を強化している。すでに10以上の都道府県薬剤師会への提案を進行中だという。


【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【2025.08.08配信】厚生労働省はこのほど、保険調剤「確認事項」(令和7年度改訂版)を公表した。2枚処方箋を受け付けることにより、投薬期間上限を超えるなどの不適切事例を指摘している。


【東京都薬務課_危険ドラッグ】オピオイド受容体に働く成分を新規指定/水際対策の一環

【東京都薬務課_危険ドラッグ】オピオイド受容体に働く成分を新規指定/水際対策の一環

【2025.07.30配信】東京都薬務課は7月30日、定例会見を開き、7月3日に危険ドラッグに指定した成分について説明した。指定した3成分はいずれも興奮、陶酔又は幻覚作用等を有する。すでに厚労省でも医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する大臣指定薬物に指定され、令和7年7月13日をもって施行された。


【ドラッグストア協会】濫用防止薬に関わる業界販売ガイドライン、年内省令発出後の公表予定

【ドラッグストア協会】濫用防止薬に関わる業界販売ガイドライン、年内省令発出後の公表予定

【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日に定例会見を開き、改正薬機法で定める指定濫用防止医薬品の販売に関する業界ガイドラインに関して、年内をメドとする省令発出後に公表する見込みであることを説明した。


【ドラッグストア協会】参議院選挙結果報告/「本田顕子氏を本気で応援した」

【ドラッグストア協会】参議院選挙結果報告/「本田顕子氏を本気で応援した」

【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日に定例会見を開き、参議院選挙の結果報告をした。


ランキング


>>総合人気ランキング