同議員懇は現在、衆議院議員192名、参議院議員66名、計258名の国会議員が所属している。会長は財務省の現役大臣の鈴木俊一氏。世話人は田村憲久元厚労相や、衛藤晟一氏、尾辻秀久氏、根本匠氏、加藤勝信前厚労相、福岡資麿氏などが務める。事務局長は本田顕子氏、事務局次長は神谷政幸氏。
同日は参議院で予算委員会が行われているほか、他議連の開催の情報がある中、会場には加藤前厚労相なども出席した。世話人の衛藤晟一氏、根本匠氏、福岡資麿氏なども出席。自民党厚労部会長の古賀篤氏や前厚労部会長の田畑裕明氏などの姿もあった。事務局によると、代理出席を含め130人以上が参集。国会議員本人の出席も90名以上あったという。
この場で、日本薬剤師連盟会長の山本信夫氏は、改めて薬局が物価高騰・賃金上昇に対応するために必要な診療報酬改定財源の確保などを直接、国会議員に求めた。内訳については公平な配分(医科・歯科・調剤の技術料)の堅持を求めている。また、頻回・過度な薬価改定が薬局経営の維持に与える甚大なダメージ(薬価改定前後における備蓄医薬品の資産価値の減少)への配慮や、製薬企業による医薬品供給不足(特に後発医薬品)の早急な改善も求めた。
山本会長は、「きちんと仕事ができるようにプラス改定をお願いしたいとお話しした。我々は過大に求めているわけではなく、世間並みに賃上げするための原資を求めている」と話した。この日、連盟が示した資料では薬局全体の3割で賃上げができていない。医薬品供給不足で薬局の手間が増大していることも含め、「公定価格で価格に転嫁ができない状態の中で、ガソリン代が上がる、紙代が上がる、電気代が上がる、加えてモノがなくて時間がかかる。薬局は極めて厳しい環境にいる」と訴えた。
出席した国会議員からは「薬局の現状がよく理解できた」などの声が聞かれたという。山本会長は「議員懇だからと言われればそれまでだが、われわれの主張をご理解いただけたのではないかと思っている」と話した。「薬価を下げすぎたことの問題もご理解はいただいている中で、両方とも重要な問題なので、どちらがということではなく、きちんと医療として社会インフラがなくならないよう、一般論として“下げて我慢してくれということはないだろう”というご意見もいただいた」(山本会長)。
会自体はメディアへは非公開のものだったが、閉会後に記者から「手応えは」と問われると、山本会長は「手応えについては難しいものだが、みなさんが声を上げてくださることがムーブメントになる。三師会としてもそういった声を大きくしていきたい」と話した。
総務サイドとして、連盟の安部好弘氏もコメント。「今日おいでいただた国会議員の方々は各地域の地元でたくさんの声を聞いていただいていた中で、今日の資料で“データとしてはこういうことだと理解できた”というお声をいただいた。そういう意味では大変よかった」と述べた。
議員懇の事務局長を務める本田顕子参議院議員は、「医薬品の供給不足に関しては先生方の理解が進んでいる。その中で、薬局の経営についても大変なんだということを理解をいただきたいということ、補正予算ではわれわれの医療は補えないため、しっかり報酬改定で対応いただきたいと訴えさせていただいた」と述べた。
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