【厚労省医政局】「医療計画」「在宅医療提供体制」発出/薬剤師確保明記

【厚労省医政局】「医療計画」「在宅医療提供体制」発出/薬剤師確保明記

【2023.04.03配信】厚生労働省医政局は3月31日、「医療計画について」及び「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について」を発出した。薬剤師確保に関しては「病院及び薬局それぞれにおける薬剤師の就労状況を把握」することや、「地域医療介護総合確保基金の積極的な活用を含め、地域の実情に応じた薬剤師の確保策について、可能な限り具体的に記載すること」と記載した。


 薬剤師確保に関しては「(2)医師以外の医療従事者の確保について」で記載された。① 歯科医師、②薬剤師、③看護職員(保健師・助産師・看護師(特定行為研修を修了した看護師を含む。)・准看護師)、④ その他の保健医療従事者ーーなどとともに記載。

 医療計画における具体的な関連記載は以下の通り。

7、医師の確保及び医療従事者(医師を除く。)の確保
医師及び医療従事者の確保に関する事項については、医療連携体制を構築する取組自体が偏在解消への対策になること、地域医療構想における医療機関の再編・統合等の方針によっても地域でどの程度医師及び医療従事者を確保すべきかが左右されること及び都道府県が中心となって医師を地域の医療機関へ派遣する仕組みの再構築が求められていることを踏まえ、法第30条の23第1項の規定に基づく医療従事者の確保に関する事項に関し、必要な施策を定めるための協議会(以下「地域医療対策協議会」という。)を開催し、当該協議会において決定した具体的な施策を記載する。

(1)医師の確保について
医師の確保については、医師確保計画策定ガイドライン(平成31年3月29日付け医政地発0329第3号・医政医発0329第6号厚生労働省医政局地域医療計画課長・医事課長通知別添)を踏まえて計画の策定及び実施を行うこと。

(2)医師以外の医療従事者の確保について
医師以外の医療従事者、例えば以下の職種についても、必要に応じて、その資質向上に関する事項を含め、医療従事者の確保の現状及び目標について、可能な限り具体的に記載する。
【医療従事者の現状及び目標】
① 歯科医師
② 薬剤師
③ 看護職員(保健師・助産師・看護師(特定行為研修を修了した看
護師を含む。)・准看護師)
④ その他の保健医療従事者
診療放射線技師、臨床検査技師・衛生検査技師、理学療法士・作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、歯科衛生士、歯科技工士、管理栄養士等
⑤ 介護サービス従事者

特に、歯科医師、薬剤師及び看護職員に関する記載に当たっては、以下の観点を踏まえること。

 ア 歯科医師については、口腔と全身の関係について広く指摘されている観点を踏まえ、医科歯科連携を更に推進するために病院における歯科の役割をより明確化することが望ましい。具体的には、地域における歯科医療従事者の配置状況の把握を行った上で、医科歯科連携における歯科の果たす役割を認識し、病院の規模や機能に応じて地域の歯科医療従事者を病院において活用することや、病院と歯科診療所等の連携を推進することなど、地域の実情を踏まえた取組を推進すること等が考えられる。また、地域医療介護総合確保基金を積極的に活用し、それらの取組をさらに推進すること。

イ 薬剤師については、地域医療における薬物療法の有効性・安全性の確保や公衆衛生の向上及び増進等に資するため、調剤等の業務に加え、病院薬剤師にあっては病棟薬剤業務やチーム医療等、薬局薬剤師にあっては在宅医療や高度な薬学的管理を行う機能等を中心とした業務・役割の更なる充実が求められている。薬剤師の従事先には業態の偏在や地域偏在があり、特に病院薬剤師の不足が喫緊の課題となっていることも踏まえ、必要な薬剤師の確保を図るため、病院及び薬局それぞれにおける薬剤師の就労状況を把握し、地域医療介護総合確保基金(修学資金貸与、医療機関への薬剤師派遣等)の積極的な活用を含め、地域の実情に応じた薬剤師の確保策について、可能な限り具体的に記載すること。確保策の検討及び実施に当たっては、都道府県の薬務主管課及び医務主管課並びに都道府県薬剤師会等の関係団体が連携して取り組むこと。特に、病院薬剤師の確保策の検討及び実施については、都道府県病院薬剤師会とも連携の上取り組むこと。
また、その資質向上のために、「患者のための薬局ビジョン」(平成27年10月23日付け薬生総発1023第3号厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長通知)を踏まえ、最新の医療及び医薬品等に関する専門的情報の習得を基礎としつつ、患者・住民とのコミュニケーション能力の向上に資する研修及び医療機関等との連携強化につながる多職種と共同で実施する研修等が行われるよう、研修実施状況を把握し、関係者間の調整を行うこと。

ウ 看護職員については、その確保に向けて、都道府県ナースセンター等の関係者との連携に基づき、都道府県・二次医療圏ごとの課題を把握し、看護師等養成所による養成、「マイナンバー制度を活用した看護職の人材活用システム」や看護師等の離職届出を活用した都道府県ナースセンターによる復職支援、医療機関の勤務環境改善による離職防止など、新規養成・復職支援・定着促進を三本柱とした取組を推進していくこと。
 また、地域における訪問看護の需要の増大に対応するため、地域の実情を踏まえて、地域医療介護総合確保基金の活用や都道府県ナースセンターにおける取組の充実など、訪問看護に従事する看護職員を確保するための方策を記載すること。
 あわせて、看護師については、在宅医療等を支える看護師や感染症の発生・まん延時に迅速かつ的確に対応できる看護師を地域で計画的に養成していくため、地域の実情を踏まえ、看護師が特定行為研修(保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第37条の2第2項第4号に規定する特定行為研修をいう。)を地域で受講できるよう、指定研修機関及び実習を行う協力施設の確保等の研修体制の整備に向けた計画について、具体的に記載すること。
 また、特定行為研修修了者その他の専門性の高い看護師の就業者数の目標を記載すること。なお、これらの目標数を設定する際には、可能な限り二次医療圏ごとや分野・領域別の設定を検討すること。

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