【ウエアラブルデバイス】うつ病の再燃予測に貢献するアルゴリズム構築/塩野義製薬、京都大学、奈良先端科学技術大学院大学の共同研究

【ウエアラブルデバイス】うつ病の再燃予測に貢献するアルゴリズム構築/塩野義製薬、京都大学、奈良先端科学技術大学院大学の共同研究

【2023.03.28配信】いわゆるウエアラブルデバイスから収集できる情報を、いかに健康管理に生かすかの研究が各所で進んでいる。そうした取り組みの1つとして、塩野義製薬では京都大学、奈良先端科学技術大学院大学との共同研究により、デジタルデバイスから得られたデータを分析することでうつ病の再燃予測が可能となるアルゴリズム作成に成功した。現在、特許出願中という。3月1日に塩野義製薬が主催した「SHIONOGI DATA SIENCE FES 2023」で、同社データサイエンス部の秦彩乃氏が内容について講演した。同「FES」は、これまで人材育成の側面もあり、同社社内に限定して実施してきたものを、今年は広く公開し、視聴可能とした。


心拍などの生体データや睡眠・食事・移動など活動記録データを取得し解析

 うつ病では、再燃の数週間前に行動パターンに変化が生じることが複数の論文で明らかになってきている。加えて、再燃への早期対応によって治療効果が向上することも知られている。そこで、同社ではデジタルデバイスから収集されるデータを分析することで、再燃を予測するアルゴリズムの構築に着手した。データの例としては、ウエラブルデバイスでは心拍や歩数、皮膚温度などの生体データ、「くらしアプリ活動記録表」から睡眠や食事、仕事、移動、交流、運動などのアクティビティを取得、分析した。その結果、構築したアルゴリズムが再燃予測に対して信頼できることが示されたという。

 同社では、これまでの医薬品開発だけにとどまらず、トータルヘルスケアとして転換、成長していくことを志向している。こうした取り組みもその一環。

編集部コメント/薬局・薬剤師と製薬企業の取り組み連携に期待

 治療中の患者へのフォロー機能が薬局・薬剤師に期待される中で、製薬企業のこうしたヘルスケア管理ビジネスにおいて薬局・薬剤師の取り組みとの連携は、大きな潮流とはなっていない。今後の取り組み拡大に期待したい。

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