令和5年度薬価改定については、中医協において臨時・特例的対応として、不採算品再算定を適用することを決めていた。
これは、急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するためで、不採算品再算定について臨時・特例的に調査結果に基づく全品を対象に適用することとしていた。
その際、適用に当たっては、通常の不採算品再算定の取扱いの「製造販売に要する原価等が著しく上昇したと認められるもの等」における要件のうち、「(当該既収載品と組成、剤形区分及び規格が同一である類似薬がある場合には、全ての類似薬について該当する場合に限る。)」又は「(当該既収載品と組成、剤形区分及び規格が同一である類似薬(新規後発品として薬価収載されたものに限る。)がある場合には、当該全ての類似薬について該当する場合に限る。)」の規定は適用しないとされた。
なお、「調査結果」とは、令和4年9月に実施した薬価収載医薬品を供給する業者に対して実施した、物価高騰等の影響による不採算品目の状況に関する調査のこと。
それにより、不採算品再算定の適用となった主な品目(成分名_規格_改定前薬価_改定後薬価_備考)は以下の通り。
■アセトアミノフェン_ 20%1g_ 7.10円_ 9.90円_ 解熱鎮痛消炎剤
■イソプロパノール_ 70%10mL_ 4.50円_ 5.00円_ 外皮用殺菌消毒薬
■葛根湯エキス_ 1g_ 8.30円_ 9.10円_ 漢方薬
■生理食塩液_ 100mL1キット_ 178円 _204円 _輸液
■セファゾリンナトリウム _2g1瓶 _356円_ 474円 _主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
不採算品のため、薬価の引上げを行ったものは、対象成分数328、対象品目数は1100。
【厚労省 令和5年度薬価改定告示】「アセトアミノフェン 20%1g」7.10円から9.90円へ/不採算品再算定の臨時・特例的適用で
【2023.03.03配信】厚生労働省は3月3日、令和5年度薬価基準改定を告示し、概要について公表した。それによると、臨時・特例的対応として不採算品再算定を適用したことにより、「アセトアミノフェン 20%1g」については、改定前薬価7.10円から改定後薬価9.90円となった。
最新の投稿
【保険薬局協会】地域加算「基本料1」と「それ以外」で点数・実績要件統一を/次期改定要望
【2025.12.11配信】日本保険薬局協会は12月11日に定例会見を開き、会長の三木田慎也氏が次期調剤報酬改定の要望事項を説明した。調剤基本料に紐づいて区分のある地域支援体制加算について、「基本料1」と「それ以外」での要件や点数を統一することを求めた。
【病院薬剤師会】診療報酬改定議論「期待」/転所時評価などの要望反映で
【2025,12.10配信】日本病院薬剤師会(日病薬)は12月10日に定例会見を開き、厚労省中医協で議論の進んでいる次期診療報酬改定について、期待できるとの見方を示した。日病薬が要望事項に挙げていた転所時の情報共有への評価などが俎上にのっていることなどを評価した。
【2025.12.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は12月5日に定例会見を開き、中医協で規模の小さな薬局が該当することが多い「調剤基本料1」の除外範囲を拡大するとの議論について言及。特に大阪府と東京都に該当地域のある「特別区」が名指しされていることについて、都薬会長の髙橋正夫氏は、「大阪府薬が会見で“絶対に許さない”と表明されているが、都薬も同じ考えだ」と話した。
【ドラッグストア協会】かかりつけ薬剤師「在籍年数」延長に反対
【2025.12.06配信】日本チェーンドラッグストア協会は12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定への要望を説明した。かかりつけ薬剤師指導料の要件見直しについても要望した。
【ドラッグストア協会】敷地内薬局「ただし書き」撤廃でも、「新規開局に限定を」
【2025.12.06配信】日本チェーンドラッグストア協会は12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定への要望を説明した。敷地内薬局について、施設基準において「ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」という「ただし書き」を削除すべきとの意見が出ていることに対し、撤廃でされたとしても新規開局に限定すべきといった要望を表明した。