【厚労省薬価専門部会】日薬・有澤氏、改定対象範囲「0.625倍」に「大変に残念」

【厚労省薬価専門部会】日薬・有澤氏、改定対象範囲「0.625倍」に「大変に残念」

【2022.12.16配信】厚生労働省は12月16日に中央社会保険医療協議会 薬価専門部会を開き、令和5年度薬価改定の骨子案を示した。https://www.dgs-on-line.com/articles/1893 これに対し、日本薬剤師会理事の有澤賢二氏は、改定対象範囲に関して「大変に残念」とした。


不採算品と新薬創出加算品への措置は評価

 有澤氏は、改定範囲が平均乖離率7.0%の0.625倍(乖離率4.375%)を超える品目となったことに対して、「大変大きくなってしまったということは大変に残念であります」と述べた。「特に薬局においては調剤医療費に占める薬剤費が約7割から8割ほどあります。改定前に購入した備蓄医薬品の資産価値が薬価改定を境に減少してしまい、経営面に関する影響は甚大であります。しかも通常年改定も含めて毎年・毎年これが繰り返されるということは大変に大きな影響を与えます」として、薬局への影響の大きさを訴えた。
 
 その上で、「ただし、財政状況が厳しい中で適用する部分において、不採算品はしっかりと供給を続けることができるよう、薬価を引き上げ、あるいは新薬創出加算品目について薬価をできる限り維持する対応については、一定の配慮がなされており、これについては一定程度の評価ができると考えます」とした。

 供給問題については、「薬価が当然関係していると思われますけれども、薬価だけでは解決できない問題であります。しかしながら薬価から手を付けていくということは大きな意味を持っていると思いますし、供給問題の根本的な解消は令和6年度の薬価制度の抜本改革に向けて、医政局で行われている有識者検討会の意見もふまえ、具体的な対応の方向付けを中医協において決定できるよう引き続き議論していくものと考えます」と述べた。

この記事のライター

最新の投稿


【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【2025.08.08配信】日本薬剤師会が公表した「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト」。このうちの1つの事項である「地域の医薬品情報の把握・共有の取組」。この実践へ向けて情報共有のためのシステム選定の動きも活発化してきた。こうした中、メディカルシステムネットワーク(MSNW)では、もともと地域薬剤師会と共に開発を進めてきた「LINCLEちいき版」の提案を強化している。すでに10以上の都道府県薬剤師会への提案を進行中だという。


【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【2025.08.08配信】厚生労働省はこのほど、保険調剤「確認事項」(令和7年度改訂版)を公表した。2枚処方箋を受け付けることにより、投薬期間上限を超えるなどの不適切事例を指摘している。


【東京都薬務課_危険ドラッグ】オピオイド受容体に働く成分を新規指定/水際対策の一環

【東京都薬務課_危険ドラッグ】オピオイド受容体に働く成分を新規指定/水際対策の一環

【2025.07.30配信】東京都薬務課は7月30日、定例会見を開き、7月3日に危険ドラッグに指定した成分について説明した。指定した3成分はいずれも興奮、陶酔又は幻覚作用等を有する。すでに厚労省でも医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する大臣指定薬物に指定され、令和7年7月13日をもって施行された。


【ドラッグストア協会】濫用防止薬に関わる業界販売ガイドライン、年内省令発出後の公表予定

【ドラッグストア協会】濫用防止薬に関わる業界販売ガイドライン、年内省令発出後の公表予定

【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日に定例会見を開き、改正薬機法で定める指定濫用防止医薬品の販売に関する業界ガイドラインに関して、年内をメドとする省令発出後に公表する見込みであることを説明した。


【ドラッグストア協会】参議院選挙結果報告/「本田顕子氏を本気で応援した」

【ドラッグストア協会】参議院選挙結果報告/「本田顕子氏を本気で応援した」

【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日に定例会見を開き、参議院選挙の結果報告をした。


ランキング


>>総合人気ランキング