【東京都薬剤師会】永田会長、規制改革の議論に危機感「実績ある薬剤師が相当の評価を受けられるよう改革必要」

【東京都薬剤師会】永田会長、規制改革の議論に危機感「実績ある薬剤師が相当の評価を受けられるよう改革必要」

【2022.06.20配信】東京都薬剤師会は6月18日に通常総会を開いた。会長挨拶で永田泰造氏は昨今の規制改革の議論に強い危機感を示し、「実績ある薬剤師が相当の評価を受けられるよう改革していかなければならない」と話した。


「安逸なる日々にピリオドを」

 永田泰造氏の会長挨拶は以下の通り。

 東京都薬剤師会通常総会の開催にあたり、一言、所信を述べさせていただきます。

 新型コロナウイルスの新規感染者数が下げ止まりとなり、 With コロナを意識した社会活動回復に向けて、 ようやく出口が見えてきました。 発災当初は、感染防止対策のため、講習会の中止や順延を余儀なくされてしまいました。 しかし、継続した事業遂行を目指し、 ビデオによるオンデマンド配信、Web 研修システムの採用、そしてハイブリットによる講習会や各種会議の開催へと、 生涯研鑽に向け様々な対応を導入したことで、不得手であった on-line 研修に係るknow-how を得ることができました。
  困難な状況から、 各組織において一連の ⅠCT対応の導入が実施され、 移動時間の短縮化や場所を選ばず参加できることなどの活動形態が大きく変化したことなど、利便性の観点から多くの利点が取り上げられています。
正に、 感染症対策事業継続計画(BCP) をブラッシュアップできる、 貴重な体験と変化であったと考えます。
しかし、 画面越しでは発言しにくいあるいは躊躇してしまう、 実技に係る講習は工夫が必要などの解決すべき問題点が取り上げられていることも事実です。 更には、 参加者全体の状況が見えにくく、コミュニケーションの形成に支障をきたすことも指摘されています。 今後は、利点・欠点を考慮した活用の在り方を十分に検討し、充実した生涯研修になるよう実施してまいります。

 後ほど事業報告で詳しく説明されますが、このコロナ禍において、 薬剤師が協力したワクチン集団接種会場でのワクチン管理や罹患者への医薬品供給体制の確保などの実績は、医療提供者としての薬剤師の役割が評価されてきたと感じております。 これも、会員の皆様の協力があってこそ成り立つものであり、 改めてご協力に感謝申し上げます。

 さて、先日発表された骨太の方針2022 では、社会保障分野における経済・財政一体化改革の強化推進策として、 データヘルス、 オンライン診療、 Alロボット・ICTの活用を目指した、 医療・介護分野におけるDXを着実に実行することが記載されました。 そして、 規制改革会議医療・介護・感染症対策WGでは、 過去より議論されている 「対人業務の強化と対物業務の合理化」 を目指した、on-line 服薬指導の推進、 電子処方箋の促進に向けた認証の在り方、 対人業務の強化を目的とした医薬品調製の外部委託など、いずれも、現行の薬局業務に大きな変化をもたらす重大な改革項目が議論されています。

 過去より、我々薬剤師は、地域住民の健康増進を支援する役割を担い、 医薬分業下においては医療の担い手として安心で安全な薬物治療を提供するため、医薬品の調剤供給を基に、 適正使用が行われるよう情報提供と薬学的知見に基づく指導や継続的な管理を実施しています。 しかし、他の医療従事者の発言を聞くと医療法の理念 (第1条の2) で示された、医療従事者である薬剤師が実践すべき、 医療を受ける者に対する 「良質かつ適切な医療の提供に努める」 義務に対する疑問を持たれていることは否めません。
 では、我々薬剤師の理念が国民の思いからかけ離れているのでしょうか。 あるいは、 医療法で示されている理念とかけ離れているのでしょうか。 今こそ「そうではない」と訴えるために、様々な行動を実践し、 その実績を持つ薬剤師が相当の評価を受けられるよう改革していかなければなりません。 今では当たり前となった医薬分業ですが、 産声を上げた昭和50年当時、 日本薬剤師連盟が「安逸なる日々にピリオドをうて」と一度免許を取得すれば死ぬまでの生活の心配はないのか。 (昭和51年新聞広告 : 薬剤師は悪魔の手先か)」と薬剤師を鼓舞する広告が出されました。 その後の分業推進により、本来の使命である医薬品の供給に対して対応できにくい薬局群の出現。その状況から、現在、規制改革WGで議論されているOTC薬のコンビニでの受け取り案。 コンビニより多い薬局数と揶揄されていたのに、なぜこのような議論が出るのでしょう。 我々の業務が処方箋応需に偏り、 薬剤師法第一条で求められている使命を果たせていないことに問題があることは否めません。

 我々は、過去とは違った意味で、 安逸なる日々にピリオドを打ち、 都民の健康な生活を確保する役割の変化を見据え、会員の皆様の生涯研鑽を支えることで、多くの薬剤師が「かかりつけ薬剤師」として都民からの評価を受けられる体制を目指し、 事業を進めていく所存です。

 さて、本総会では令和3年度における東京都薬剤師会の事業報告と決算をご審議いただくことになります。 代議員の皆様の活発な討論をお願いいたしまして挨拶とさせていただきます。

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