日本チェーンドラッグストア協会では10月22日付けで、厚生労働省医薬・生活衛生局長の鎌田光明氏宛てに「薬局における調剤業務の安全性確保について」との文書を提出していたことを明らかにした。
文書の内容は以下の通り。
内閣府規制改革推進会議における調剤業務に関する議論に関し、(一社)日本チェーンドラッグストア協会の考えは次の通りです。
なお、協会では、器機の導入や調剤補助員の活用による調剤業務の効率化、オンライン処方箋の活
用や郵・配送による医薬品の提供など患者の利便性の向上に引き続き取り組んでいくことを申し添えます。
1. 調剤業務の委受託について
薬局における薬剤師の業務は、患者の状況や処方箋の疑義などの確認から、 医薬品の取り揃え、調製、服薬指導·薬歴記載などの薬学的管理·指導、服薬期間中のフォローアップまで相互に関連する一連の行為から成り立っている。委受託の場合、 このような調剤業務が別施設、別薬剤師、別管理者の下で行われることになり、薬物治療の有効性·安全性の観点からみて、到底認められない。
また、服薬指導など充実が求められている対人業務へのシフトの充実につながるかどうかも疑問で
あり、むしろ、患者を前にした一連の行為でなくなることで、患者との関係・信頼が希薄になり、薬剤師として本来必要な服薬指導や地域における医療·介護連携が不十分になることが強く懸念される。
2. 処方箋の1日40枚制限について
処方箋応需から薬歴記載までの一連の調剤業務の現状に鑑みて、薬剤師一人当たり1日 40枚を超える処方箋を適切に処理できるとは考えられず、委受託を前提とした現行ルールの見直しは不要で
ある。
3.オンライン服薬指導について
患者の利便に配慮することは当然であるが、現在のデジタル環境の下では、有効性·安全性の確保は困難であり、慎重な判断が必要である。 認めるとしても、最低限次の条件を満たす場合に限定す
べきである。
①音声だけでなく音声と画像が送受信可能なこと
②初回の服薬指導は対象外とすること
③一連の調剤業務は同一の薬局で完結すること
④かかりつけの薬剤師による実施を原則とすること
⑤麻薬、向精神薬等厳格な流通管理が必要な医薬品は対象外とすること

【ドラッグストア協会】調剤の委受託に反対表明/処方箋40枚規定「見直し不要」
【2022.02.21配信】日本チェーンドラッグストア協会は1月21日に定例会見を開いた。この中で、厚労省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」での「薬剤師・薬局業務に関わる検討」に関するワーキンググループ(WG)に協会から委員が出席することを報告した。(当メディア関連記事■【薬剤師養成検討会】「調剤業務委託の是非」を検討へ/ワーキンググループを設置:https://www.dgs-on-line.com/articles/1351)。併せて、協会としては調剤業務の委受託に関して反対することを表明した。
最新の投稿
【後発薬調剤体制加算】神谷政幸議員が国会質疑/日薬岩月会長も質疑に言及
【2025.05.08配信】5月8日、参議院厚生労働委員会が開かれ、薬剤師の資格を持つ国会議員である神谷政幸氏が後発医薬品調剤体制加算について質疑した。同日、質疑後に別途、開かれた日本薬剤師会定例会見でも岩月進会長が関連質疑に対してコメントした。
【2025.05.07配信】自民・公明・維新による社会保障改革に関する3党協議が5月7日に開かれた。
【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で
【2025.05.01配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ(第5回)」が5月1日、開催された。その中で令和7年3月14日に開催された「第2回健康・医療・介護 WG」に関する委員・専門委員からの追加質疑・意見に対する厚生労働省の回答を公表した。
【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について
【2025.04.28配信】厚生労働省は4月25日、診療報酬改定についての「疑義解釈(その24)」を発出した。「医療DX推進体制整備加算」の施設基準の1つであるマイナ保険証利用率について回答。4月については在宅患者を分母から引いて構わないとしている。現在は通常の外来患者がマイナ保険証を利用した場合のみが反映されているため。5月以降については、居宅同意取得型のオンライン資格確認によるマイナ保険証利用件数が社会保険診療報酬支払基金から通 知するマイナ保険証利用率集計に含まれる予定。
【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼
【2025.04.26配信】日本薬剤師会は電子おくすり手帳簡易ビューワーアプリ「e薬 SCAN」について、他職種への周知依頼を都道府県薬剤師会宛てに発出した。