【地域連携薬局調査】「医療機関に対する情報提供実績」月平均は「10回未満」が63.2%/東京都薬剤師会調査詳報

【地域連携薬局調査】「医療機関に対する情報提供実績」月平均は「10回未満」が63.2%/東京都薬剤師会調査詳報

【2021.10.12配信】東京都薬剤師会は会員薬局を対象に、地域連携薬局に関する意識調査を行った。その内容を詳報する。 地域連携薬局の申請状況については「届け出をしたい気持ちはあるが、満たしていない項目がある」71%である一方、最大のハードルは「月30回」の報告だった。「医療機関に対する情報提供実績」は月平均が「10回未満」が63.2%だった。


■健康サポート薬局の届け出「予定があるが現状では対応できない項目がある」42.7%

 回答したのは東京都薬剤師会会員の980軒の薬局。

 回答したうち、常勤薬剤師の数については、「1人」が24%。2~5人が66.6%、6~10人が8.3%、11人以上が1.1%。5人以下の薬局が90%以上だった。

 このうち、地域支援体制加算の施設基準薬局か否かの質問では、57.6%が「はい」だった。

 健康サポート薬局の届け出をしているかについては、「はい」が10.7%、「いいえ」が89.3%。

 健康サポート薬局の届け出をする予定はあるかとの問いでは、「予定があるが現状では対応できない項目がある」42.7%、「対応できない項目があるので届け出る予定はない」が42%、「届け出をする考えはない」が15.4%だった。

 健康サポート薬局の基準についての意見(複数回答)では、「複数の研修修了者を育てられない」がトップで409件、次いで「OTCの取り扱い数が基準に満たない」375件、「構造設備の面で基準を満たせない」244件、「保健所での事前確認での指摘が納得できない」48件だった。


■「地域連携薬局の届け出をするつもりはない」11.9%

 地域連携薬局の申請状況については、「すでに届け出を済ませた」が6.4%、「地域連携薬局の届け出をする予定がある」10.6%、「届け出をしたい気持ちはあるが、満たしていない項目がある」71%、「地域連携薬局の届け出をするつもりはない」11.9%だった。

 地域連携薬局の届け出を予定している薬局において、項目の達成率に関しては「全て対応できている」が47.1%、「できない項目がある」が52.9%だった。「対応できている薬局」のうち、申請予定時期については「本年度中」31件、「時期を検討している」15件、「来年度中」3件。

 認定を受けない薬局の理由(複数回答)では、最多が「毎年の更新が煩雑なので」44件、次いで「在宅に対応していないため」42件、「申請時の書類作成が煩雑なので」37件、「経営者の方針」35件、「保険点数がつかないから」16件、「すぐ近くの薬局がすでに認定を受けている、または受ける予定なので」7件だった。


■「医療機関に対する情報提供実績月平均30回以上」は「超えていない」が85.8%

 続いて、調査では基準の各項目についての困難度を聞いている。
 各基準とその困難度について、困難との回答が多い順に列記する。

 「医療機関に対する情報提供実績月平均30回以上」の基準(回答751件)については、「30回を超えていない」が644件85.8%、「30回を超えている」が107件14.2%。

 「超えていない」とした644件のうち、「情報提供実績の月平均」は「10回未満」が475件73.8%、「10~15回」が107件16.6%、「16~20回」が43件6.7%、「21~25回」が15件2.3%、「26回以上」が4件0.6%だった。

 この回答に最初の「30回を超えている」107件を「30回以上」としてカウントすると、全体751件中、「10回未満」の回答は63.2%、「10~15回」14.2%、「16~20回」5.7%、「21~25回」2.0%、「26回以上(30回未満)」0.5%、「30回以上」14.2%の比率になる。

 対応できない理由(複数回答、以下同)では、「提供できる患者が多くない」468件、「提供すべき情報内容を整理すると少なくなる」(むやみに提供すべきではないと考えるので)328件、「情報提供する時間を確保できない」125件。


■地域ケア会議「どこで開催しているか分からない」213件

 「地域包括ケアシステムに関する研修を修了した薬剤師が半数以上いる」の基準については、「満たしていない」が71.6%、「満たしている」が28.4%。
 対応できない理由では、「タイミングが合わない」が337件、「業務繁多」237件、「参加できる研修会が開催されていない」122件、「コロナでの制限」70件、「常勤薬剤師がいないため」29件。


 「地域ケア会議への対応」の基準については、「出席できていない」が64.4%、「出席できている」が35.6%。
 対応できない理由では「どこで開催しているか分からない」213件、「どれが地域ケア会議か分からない」198件、「地域ケア会議が開催されていない」141件。
 
 「サービス担当者会議の参加実績」の基準については、「出席できていない」が57.9%、「出席できている」が42.1%。
 対応できない理由は「参加要請がない」314件、「開催されていない」113件、「参加要請はあったが人的理由で参加できていない」52件。


 「無菌製剤処理」の基準については、「対応できない」51.8%、「自局で対応できる」4.1%、「共同利用で対応できる」14.9%、「他の薬局を紹介にて対応できる」29.2%、「上記の項目では対応できない」51.8%。

 対応できない理由では「設備を自局に設置できないため」304件、「設備がある薬局と連携(了解)が取れないため」198件、「クリーンベンチであれば対応できるが無菌室の設置は難しいため」65件、「自局で受け付けた患者に対し他局を紹介することに疑問を感じるため」36件。

 「自局で無菌室に対応できる」とした31件のうち、「共同利用として貸すことができない」の回答が64.5%、「同じ区内であればできる」32.3%、「地区を問わずできる」3.2%だった。


 「医薬品の適正使用に関する情報提供実績」の基準については、「実績がない」が48.6%、「実績がある」が51.4%だった。
 対応できない理由については「提供すべき情報が見当たらない」214件、「医療機関が求めていない」168件、「業務繁多で対応できない」109件、「行政の趣旨が不明」73件。


 「高度管理医療機器の販売業許可」の基準については、「取得していない」45.3%、「取得している」54.7%。
 対応できない理由は、「需要がない」252件、「経営上の理由」99件。



 「プライバシーに配慮した設備」の基準については、「対応できていない」が31.8%、「対応できている」が68.2%。
 対応できない理由では「店舗面積の問題」が196件、「資金面」71件、「テナントのための改造ができない」53件。

 「バリアフリー設備」の基準については、「対応できていない」が23.2%、「対応できている」が76.8%。
 対応できない理由では「手すりの設置の問題」が121件、「車いすが通れる入口の問題」が79件。

 「ヒヤリ・ハット報告」の基準では、「実績なし」が22.5%、「実績あり」が77.5%。
 対応できない理由では、「報告するような事例がないから」95件、「報告事業に登録していないから」32件、「登録しているが業務繁多で報告できない」29件。

 「居宅等における調剤ならびに情報の提供および薬学的知見に基づく指導の実績」の基準では、「実績がない」が20.2%、「実績がある」79.8%。
 対応できない理由では「人員不足で対応できない」87件、「準備はしているが依頼がない」59件、「経験がないので不安」34件。

 「1年以上常勤として勤務している薬剤師が半数以上いる」の基準については、「満たしていない」が16.8%、「満たしている」が83.2%。
 対応できない理由は「常勤が少ないため」66件、「人の入れ替わりが多いため」50件、「派遣薬剤師中心の体制であるため」1件。

 「麻薬の体制」の基準では、「ない」は9.3%、「ある」は90.7%。
 対応できない理由では「麻薬処方箋がこないから」47件、「管理が難しいから」19件、「経営上の理由」11件。
 

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