省令案は3月26日に公表し、4月24日までパブリックコメントを求めていた。
省令の概要は、要指導医薬品や一般用医薬品を販売する店舗では開店時間の一週間の総和の2分の1以上の実施を求める規定を撤廃するもの。
コンビニエンスストア業界から、24時間営業の店舗では12時間の実施整備が難しいとして緩和が求められていたもの。
一方、開店時間以外の時間における対応に関する業務については、要指導医薬品等の適正販売等の業務に関する手順書に含めることなどを明確化する。
店舗販売業において、開店時間のうち要指導医薬品等を販売し、又は授与する時間を当該店舗内の見やすい場所及び当該店舗の外側の見やすい場所に掲示することも求められる。
パブリックコメントには189件が寄せられた。
慎重派の意見では、専門家不在のOTC薬販売を懸念する声が多かったが、厚労省は「専門家(薬剤師又は登録販売者)による管理の下で、専門家が医薬品を販売することとしており、今回の改正においてもその内容に変更はありません」と回答。
実施時間の長短は問わなくなるものの、実施する時間帯においては専門家による販売が必要なのは変わりない。
また、販売時間が限定されることで販売時間以外の対応が手薄になり、生活者にとって相談機会が損なわれるという意見も多かった。
これに対し、厚労省は、「要指導医薬品等を販売し、又は授与する開店時間以外の時間における対応に関する業務(専門家不在時における利用者からの医薬品の相談等への対応等)についても記載するよう明確化することとしています」と回答。
販売時間以外の対応の整備も求められそうだ。詳細については、通知で示す予定。
緩和推進派からは新たに求められる時間外対応の手順書に関して、「不在を明確にするだけで足りる」等の意見が出されていたが、これに対し厚労省は「専門家が不在である旨を明示することのみならず、専門家不在時における利用者からの医薬品の相談等があった場合に必要な対応を行うことを含めることが求められます」と回答。同じく詳細については、通知で示す方針。
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<編集部コメント>
医療のデジタル化を含め、医薬品供給に関しては、「利便性」と「セーフティネット」の間で意見が二分している。
利便性を求める層が生活者の一定層いることはたしかだが、それを前提に規制緩和だけが進めば、認知機能の衰えの考えられる高齢者層や、生活者本人も気が付かない問題の発見と地域連携に支障を来すことも考えられる。
コンビニエンスストア業界には利便性の向上と同時に、医薬品がリスクとベネフィットの双方を併せ持つことを十分に理解した「時間外」へのきめの細かな対応を求めたい。
なお、すでに専門家の体制が整っているドラッグストア業界では、今回の規制緩和に関して、「そこまでの緩和を求める生活者からのニーズはあるのか。供給サイド、事業者側の目線での要望だ」として反対の意向を示していた。
また、関係者からは「例えば6時間だけ医薬品を販売します、といって生活者から支持が得られるのか」として、実際のビジネス上のメリットを疑問視する声も出ていた。
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