事務連絡「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第2条の3の2第1項に規定する経済上の利益の提供による誘引の禁止について」は以下の通り。
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和 32 年厚生省令第 16 号)第2条の3の2第1項の規定「保険薬局は、患者に対して、第四条の規定により受領する費用の額に応じて当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。」に関し、下記のとおりその規定の考え方を整理し、周知いたしますので、その取扱いに遺漏のないようお願いいたします。
記
1.保険調剤等に係る一部負担金の支払いにおけるポイント付与について保険調剤等に係る一部負担金の支払いにおけるポイント付与については、以下の考え方により、原則禁止しているところであり、保険調剤における一部負担金の1%相当を超えてポイントを付与している場合は、地方厚生(支)局による口頭による指導の対象としています。また、口頭による指導を行い、その上で改善が認められない事例については、必要に応じて個別指導を行っていただくようお願いします(以下「口頭による指導」について同じ。)。
・保険調剤等においては、療養の給付に関する費用が中央社会保険医療協議会における議論を経て公定されており、ポイントのような付加価値を付与することは、医療保険制度上、ふさわしくないこと
・患者による保険薬局等の選択に当たっては、保険薬局が懇切丁寧に保険調剤等を担当し、保険薬剤師が調剤、薬学的管理及び服薬指導の質を高めることが本旨であり、適切な健康保険事業の運営の観点から、ポイントの提供等によるべきではないこと
また、現金と同様の支払い機能を有するクレジットカード又は一定の汎用性のある電子マネー(交通系電子マネー等のタッチ式決済、QR コード決済又はバーコード決済等)による支払いに伴うポイントの付与(以下「クレジットカード等のポイント付与」という。)についても、患者の支払いの利便性向上又は保険薬局における事務の効率化の観点から、当面、やむを得ないものとして取り扱ってきたところです。
昨今、保険調剤等に係る一部負担金の支払いの際に、クレジットカード等のポイント付与に加えて、保険薬局又は同一グループの企業が独自にポイント制度を設けて付与しているポイント(以下「独自ポイント」という。)や、保険薬局がポイント事業者やポイント事業を実施する決済事業者へ手数料等を支払い加盟店となること又は保険薬局自らが決済事業者やポイント事業者となることで付与されるようになるポイント(以下「いわゆる共通ポイント」という。)を、重複して付与する事例が散見されます。
今般、クレジットカード等のポイント付与が調剤一部負担金の1%を超えることが見込まれる場合において、これに加えて独自ポイントやいわゆる共通ポイント等の付与を行ったときは、適切な健康保険事業の運営の観点から、地方厚生(支)局による口頭による指導の対象であることを明確化します。
また、クレジットカード等のポイント付与に加え、保険薬局が独自のポイントやいわゆる共通ポイントを上乗せして付与する場合には、それらの総計が保険調剤における一部負担金の1%を超えないことを地方厚生(支)局に対し説明する責任は保険薬局が負うものとし、これを果たさない場合には地方厚生(支)局による口頭による指導の対象となることを申し添えます。
なお、ポイントを用いて一部負担金を減額することを可能としているもの、一部負担金に対するポイントの付与について大々的に宣伝、広告を行っているもの(具体的には、建物外に設置した看板、テレビコマーシャル、保険薬局の外部から容易に視認可能な局内掲示等)についても、地方厚生(支)局による口頭による指導の対象としています。
(関連文書)
・「保険医療機関及び保険医療養担当規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成 24 年9月 14 日付保医発 0914 第1号)
・「保険調剤等に係る一部負担金の支払いにおけるポイント付与に係る指導について」(平成 29 年1月 25 日付事務連絡)
・「医療機関等における一部負担金のキャッシュレス支払いについて」(令和5年9月 29 日付事務連絡)
2.処方箋受付サイトを運営する外部事業者による利用患者への金銭等の供与について
保険薬局は、患者から一部負担金の支払いを受けることとされているとともに、その一部負担金の値引き等をすることにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならないとされています。
昨今、保険薬局から登録料等を徴収して処方箋受付サイトを運営する外部事業者が、当該サイトを通じて調剤を受けた利用患者に対し、アンケート回答や当該サイト利用自体への謝礼等の名目で金銭の払い戻し又はそれに準ずるポイントの供与を行っている事例が見受けられます。こうしたサイトは、登録料等を支払っている保険薬局に患者を誘導するものであり、かつ、このようなキャッシュバックは、その名目如何にかかわらず、当該サイトを通じた経済上の利益の提供に実質的に該当するものであるため、当該サイトを通じて処方箋を応需する保険薬局は、地方厚生(支)局による口頭による指導の対象であることを明確化します。
3.調剤した薬剤の送料について
保険薬局における患家等への調剤した薬剤の送付については、関係法令を遵守した上で、患者又はその家族等の同意に基づき、療養の給付と直接関係のないサービス等として、その費用の徴収を保険薬局が行うことができるとしています。
このような中で、調剤した薬剤の送付を行う保険薬局が、その送付に要する費用の一部又は全部を患者から徴収しないこととし、当該費用を減額又は無料化する旨の宣伝又は広告を行っている事例があります。こうした宣伝又は広告を伴う当該費用の減額又は無料化は、経済上の利益の提供による患者の誘引に実質的に該当するため、これらの宣伝又は広告を行う保険薬局は地方厚生(支)局による口頭による指導の対象であることを明確化します。
なお、処方箋に記載された薬剤について、その調剤のために必要な数量の在庫がなく、当該処方箋を応需した保険薬局から患家等に後日郵送することとした場合など、保険薬局側の事情に起因する薬剤の送付については、その費用を保険薬局が負担することとして差し支えありません。
【厚労省】調剤ポイント“二重付与”で「1%超」は指導対象/療担規則で事務連絡
【2026.06.24配信】厚生労働省は6月23日、事務連絡「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第2条の3の2第1項に規定する経済上の利益の提供による誘引の禁止について」を発出。調剤ポイントに関して、クレジットカードに加えて独自ポイントなどを二重で付与することによりポイントが「1%」を超える場合は指導対象であることを明確化した。処方箋受付サイトにおける「アンケート回答」名目などでも患者への金銭払い戻しも“誘導”にあたるとした。
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