講演の中で紀平氏は、改めて「保険診療とは」と切り出した。
「保険診療とは何かを改めてお話しをさせていただきます。被保険者から保険料を集めて支払基金を通じて報酬を支払う仕組みです。サービスを提供するのは保険指定を受けている医療機関や薬局。保険指定を受けることが保険診療の役割を担うという位置づけになっています。報酬が支払われる対象は、提供される診療サービス。制度上は療養の給付といわれます。よく薬剤師の仕事が評価されたという表現がされることがありますが、薬剤師の仕事そのものに報酬が支払われるというものではなくて、患者さんに対して提供された“診療サービス”に支払われるもの。これまで問われているのは薬局で実施している薬剤師の仕事が、患者にとってどのようにサービスとして感じられるか、ではないかと思っています」と述べた。
講演の中では一包化加算に関して次のように説明する場面もあった。「一包化加算についても一包化の作業代という受け取られ方をしていたかもしれないが、患者さんの服薬を支援する観点で外来服薬支援料2というところに位置づけとしています」とした。
紀平氏は保険診療について、負担の割合なども改めて示した。およそ半分が保険料、残り半分の大半が公費。このうち保険料をあつかっているのは保険者であり、費用の負担は被保険者と事業主だ。公費については「予算という形になるため、財務省の意見も入ってくる形になります」とした。「保険診療そのものを考えるという意味では、保険者や財務省などから、いわゆるステークホルダーとしていろんなご意見をいただくということとなります」と説明した。具体的には政府の骨太の方針や、年末の予算の編成過程での大臣折衝、総理を交えた改定率の決定のほか、改定の基本方針については社会保障審議会で取りまとめられている。
今後の課題については、「医薬品を提供する場としての薬局」ではなく、「医療提供施設としての薬局」の在り方を引き続き考えていく必要があるとの考えを示した。
「医薬品を提供する場が薬局であると、世間も薬局も受け止めていた部分があるのではないかと思っています。また薬局薬剤師については調剤を行うというふうに思われてきた部分があると思います。ここについて、これまで指摘や議論が行われてきていると思っています。引き続き考えないといけないのは、薬局という場が医療提供施設としてどういった業務を行って、どういった体制をとって、新型コロナウイルス感染症のような有事の時にどういった対応を行っていくのか、ということではないか。薬局薬剤師も同様で、医療従事者としての仕事、在り方というものが問われている。保険医療の中で保険診療サービスを提供する役割の中で、薬局薬剤師が提供すべきサービスとは何なのかが、引き続き問われていくのではないかと思っています」とした。
紀平薬剤管理官「問われているのは患者がサービスをどう感じられるか」/展示会で講演
【2022.02.28配信】厚生労働省保険局医療課・薬剤管理官の紀平哲也氏は2月26日、医療と介護の総合展(RX Japan主催)において講演した。その中で、紀平氏は調剤報酬改定に関連して「問われているのは患者がサービスをどう感じられるかではないか」との考えを示した。また、今後、「医薬品を提供する場としての薬局」ではなく、「医療提供施設としての薬局」の在り方を考えていく必要があるとした。
関連する投稿
【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激
【2026.08.06配信】日本保険薬局協会は8月6日に定例会見を開き、「令和8年度調剤報酬改定に係る保険薬局への影響」の調査結果を公表した。在宅分野では、在宅薬学総合体制加算2の算定率が22.1%から3.3%へ大きく低下した。
【厚労省】調剤報酬改定疑義解釈「その10」発出/かかりつけ薬剤師フォローアップ加算についてなど
【2026.07.17配信】厚生労働省は7月17日、令和8年度調剤報酬改定の疑義解釈「その10」を公表した。
【日本保険薬局協会】調剤報酬の解説を作成/正会員限定で会員のメリット訴求
【2026.06.11配信】日本保険薬局協会は6月11日、定例会見を開いた。この中で「調剤報酬等に係る解説」を作成したことを報告。協会正会員限定への提供とすることで、協会会員のメリットも訴求したい考え。
【大木ヘルスケアHD】“門前薬局減算”に備える売り場充足を提案
【2026.06.04配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス(代表取締役社長:松井秀正氏)は6月4日、6月16・17日に開催を予定している「2026秋冬カテゴリー提案商談会」の事前説明会を開催した。今回の調剤報酬改定で新設された「門前薬局等立地依存減算」(調剤基本料の15点マイナス)を取り上げ、減算に備える売り場充足を提案するとした。
【調剤報酬通知訂正】在総加算2イ100点を施設でも一部算定可能に/要介護3以上の状態など
【2026.05.29配信】厚生労働省は5月29日、「令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について」を発出した。調剤報酬では、個人宅の在宅訪問時を想定して新設した「在宅薬学総合体制加算2」イ100点について、要介護3以上の状態の患者などの要件を満たせば施設患者であっても算定可とした。令和8年度調剤報酬改定では「在宅薬学総合体制加算1」を30点に増点するとともに、「在宅薬学総合体制加算2」について、 単一建物診療患者が1人又は単一建物居住者が1人の場合「イ」を新設し、 100点とした。またイ以外の場合で50点を設けていた。
最新の投稿
【OTC類似薬】負担対象であることを処方箋に記載/厚労省が院外処方のフロー提示
【2026.08.26配信】厚生労働省は8月26日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で、OTC類似薬の一部保険外療養の実務フロー(院外処方の場合)を提示した。別途の負担の対象であることを処方箋に記載する。制度が複雑化しないよう、OTC類似薬の一部保険外療養に該当する場合は、長期収載品の選定療養の特別の料金は求めないこととする方向。
【パブコメ】外用剤と総合感冒薬を除くロキソプロフェン指定2類移行で
【2026.08.26配信】厚生労働省はロキソプロフェンを含有する一般用医薬品の指定2類移行についてパブコメを開始した。外用剤及びかぜの諸症状を緩和する ことを目的とするものを除くものが対象。
【ローソン】オンライン診療受診施設の設置へ/郊外団地モデル1号店で計画、店内には薬局も
【2026.08.25配信】ローソン(本社:東京都品川区、代表取締役 社長:竹増 貞信氏)は8月4日、KDDIとともに、独立行政法人都市再生機構が管理するUR賃貸住宅高幡台団地(所在地:東京都日野市)において、店舗を拠点に世代を超えて誰もが安心して楽しく暮らせるマチづくり構想“ハッピーローソンタウン”の集合住宅型1号店として、「ハッピーローソンタウン日野高幡台店」をオープンしたと公表した。よろず相談を受けるほか、薬局も擁し、今後は近隣地でオンライン診療受診施設の設置も予定しているという。オンライン診療受診施設は医療法改正で新設されたもの。
【認定エッセンシャルサービス制度】経産省が開始に際してセミナー開催、薬剤師会にも参加要請
【2026.08.25配信】経済産業省は9月、「認定エッセンシャルサービス制度活用セミナー」を各地で開催する。薬剤師会を通じて参加要請も行っている。
【四病院団体協議会】税制改正要望を提出/「診療報酬に加え税制支援策不可」
【2026.08.25配信】四病院団体協議会は8月21日、上野賢一郎厚生労働大臣宛に「令和9年度税制改正要望の重点事項」を提出した。地域医療を維持するためには診療報酬による対応に加え、税制を含めた支援策の充実が不可欠としている。